近年の夏は、かつての「暑い」を超え、「外に出た瞬間に息苦しさを覚える」ほどの過酷な暑さが続いています。そんな中、ふと気づいたことがあります。昔は真夏になると当たり前のように姿を現していたゴキブリや蚊、カナブンといった虫たちを、最近めっきり見かけなくなった気がしています。
特にゴキブリは、人目につかない場所にいるとはいえ、夏の風物詩(?)のように不意に登場しては人々を驚かせる存在でした。しかし、35℃を超えるような日が当たり前になった今、どうやら彼らにとっても外は「暑すぎる」ようで、活動を控える傾向があるのだとか。
気候変動の影響は、こうした小さな変化にも現れているのかもしれません。虫たちの気配の変化は、私たちがどれほど過酷な環境の中で夏を過ごしているのかを、静かに物語っているようにも思えます。
それではまず、今回紹介する記事をダイジェストで紹介します!!
万博2025は、単なる一過性の国際イベントではなく、未来の「データドリブン都市経営」を実証する絶好の舞台でもあります。本記事では、経済効果にとどまらず、来場者動線の可視化、インフラ整備、スマート交通、デジタルウォレットといった多角的なデータ活用の取り組みを紹介。行政と民間が連携し、持続可能な都市運営のためにどのような設計がなされているのか──その全体像に迫ります。開催後を見据えた都市づくりのヒントが詰まった内容です。 (・・詳しくはこちらへ)
北海道の森林取得データ──一見すると整然とした統計情報のようでいて、その背後には思わぬ“見えにくい構造”が隠れています。本記事では、北海道庁が公表するオープンデータ「海外資本等による森林取得状況」をもとに、「取得者住所地」の虚実、利用目的の“未定”割合、英領バージン諸島やシンガポールなどタックスヘイブン経由の届け出、制度上の盲点を丁寧に読み解きます。データ設計と制度設計のズレがどのように“透明性”を揺るがすのか。その本質に、編集者の視点で迫ります。数字を鵜呑みにせず、構造を読もうとするすべての読者へ──ぜひ一緒に、データの裏側を掘り下げてみてください。 (・・詳しくはこちらへ)
大阪の展示会場で操作されたショベルカーが、1,000km離れた北海道の現場を掘削する──そんな“未来の工事現場”を実現した、アーキット・植村建設・ウイングアークによる遠隔施工の実証実験を追いました。現地に人がいなくても作業を進めるために必要なものは何か。遠隔操作の安定性、通信のタイムラグ、現場映像や気象情報の統合──リアルな課題に向き合いながら、それらをMotionBoardで一元管理し、現場の判断を支援する新たな仕組みが見えてきます。点在する技術が線でつながるとき、未来のインフラ管理はどう変わるのか。その一端を、ぜひ本記事でご覧ください。 (・・詳しくはこちらへ)
「データ・情報は生もの!」をコンセプトに、全国の体験者がリアルなDXの現場を伝える連載「DX Namamono information」。第24便では、福岡在住のライター・河合さんが、関西・大阪万博を訪れた際に気になった“音”の仕掛けを取り上げます。注目したのは、会場の象徴「大屋根リング」に設置された“音響演出”。目に見えない音が、どう空間を変え、人の感情に作用するのか──データやまちづくりに向き合ってきた筆者が、その体験を通じて考察します。普段とは違う視点から万博を捉える旅、ぜひあなたも耳を澄ませてみてください。 (・・詳しくはこちらへ)
“次のラーニングヒーロー”は、あなたかもしれません──本記事では、「データ界隈100人カイギ」第2回の模様をレポート。テーマは「リスキリング」。登壇したのは、CDOやITベンダーのエンジニア、SaaS企業のCS責任者、公務員など、多様な立場で学び直しを実践してきた4名です。学ぶ動機も手段も異なる中で、浮かび上がる共通点とは? キャリアに迷ったとき、変化にどう向き合えばいいのか? 登壇者の言葉と、太古無限さん(ダイハツ)による丁寧なファシリテーションを通じて、学びを“人ごと”から“自分ごと”に変える場の力が見えてきます。 (・・詳しくはこちらへ)
データのじかんを閲覧頂いているみなさま!!こんにちは!!【データのじかんフィーチャーズ】担当の畑中一平です。【データのじかんフィーチャーズ】は、最新の話題や事件に焦点を当て、これまでに「データのじかん」で紹介した記事の中から厳選してピックアップし、詳細にレポートして皆さまにお伝えする企画です。第41回目となる今回は、2025年開催の大阪・関西万博の実際の来場者層や注目を集めるデジタルウォレット、ロボットの活用状況など、その実態に迫る特集記事をお届けします。 (・・詳しくはこちらへ)
失敗からこそ学びがある──2025年6月、東京都港区・マネーフォワード本社で開催された第4回 BizOps勉強会/交流会では、「しくじり」をテーマに、Reproの小中氏、マネーフォワードの牛田氏、ログラスの小林氏が登壇。それぞれ「行動しなかったこと」「曖昧な役割定義」「“神”に頼りすぎたこと」といった実体験をもとに、失敗の背景や学びを共有しました。DXやBIツール活用の現場で起こりがちな“適応課題”にどう向き合うか──リアルな言葉で紡がれる知見が、次の一歩のヒントになります。しくじりを“資産”に変える視点を、ぜひ受け取ってください。 (・・詳しくはこちらへ)
「飲酒すれば外国語が流暢に?」──そんなユニークな研究が注目を集めた、今年のイグ・ノーベル賞。その受賞研究をきっかけに、本号では「低用量のアルコールがオランダ語の発音を流暢にさせるのか?」という仮説とその実験内容を、笑いとまじめを交えて紹介します。他にも、テフロンを使った“滑りやすい”ダイエット案、虫が寄りつかない縞模様の牛、完璧なパスタソースの物理モデルなど、“思わず誰かに話したくなる研究”を厳選。身近な現象を通じて、科学の意外な一面を掘り下げます。ググっても出てこない知の魅力、ぜひあなたの頭と笑いのツボで味わってみてください。 (・・詳しくはこちらへ)
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2025.09.21 公開
大阪・関西万博2025(2025年4月13日~10月13日)は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、150を超える国・地域と25の国際機関が参加し、来場者は約2,820万人(国内2,470万人・海外350万人)と想定されています。経済産業省の試算では経済効果は約2.9兆円、拡張シナリオでは3.4兆円弱に達するとされ、来場者消費・建設投資(8,570億円)・運営事業費(6,808億円)が主要なドライバーです。本記事は、この数字の先にある「データドリブン都市経営」に焦点を当てています。
万博を契機とした都市基盤整備も注目されています。地下鉄中央線の夢洲延伸や高速道路拡幅、淀川左岸線の暫定供用に加え、5G/6G通信インフラ、自動運転やロボットの実証などが進展。13~15万人規模の雇用創出や準備段階での賃金上昇などの波及効果も見込まれており、ポスト万博を見据えた持続可能な都市像が問われています。
本稿は、万博の経済効果にとどまらず、インフラ整備・観光戦略・データ統合を交差させた「データドリブン都市経営」の未来を提示します。レガシーとして残るべきは建物や施設だけでなく、都市を運営するためのデータの設計そのものであり、万博が都市経営の転換点となる可能性を描き出しています。
2025.09.22 公開
北海道における森林取得データは、一見すると淡々とした統計の羅列に見えます。しかし、そこには資本の動向や制度の限界が潜んでいます。本記事では、北海道庁が公表するオープンデータ「海外資本等による森林取得状況」を題材に、数字の表層と裏側の構造に迫ります。まず、取得面積・取得者国籍・取得者住所地・利用目的といった基本項目を整理し、森林取得の全体像を俯瞰しました。
次に焦点となるのは、届け出制度の限界です。届け出に記載される「取得者住所地」が必ずしも実態と一致しないケースがあり、英国領バージン諸島やシンガポールなどタックスヘイブンを経由した届け出も散見されます。制度上は形式を満たしていても、所有や管理の実態は不透明なままであり、制度設計上の“抜け穴”が浮き彫りになります。
本稿は、単なる森林取得の現況報告にとどまらず、統計データの裏側に潜む制度設計の課題をあぶり出し、「データを構造的に読む力」の必要性を読者に提示しています。北海道という具体的な事例を通じて、データ活用の限界と可能性を考える契機を与える内容となっています。
2025.09.24 公開
本記事は、未来モノづくり国際EXPO2025における「大阪→北海道ショベルカー遠隔操作」実証展示を通じて、都市運営とインフラ技術の未来を考察するレポートです。アーキット、植村建設、ウイングアークの3社が連携し、大阪会場から北海道赤平市の実証拠点「UNiCON FIELD」に設置されたショベルカーを遠隔操作。通信ネットワークを介して操作信号を伝達し、実際に掘削作業を行うデモを披露しました。
実証を支える技術として、アーキットと植村建設が共同開発した「接近警報AI(仮)」「自動追尾AI(仮)」が紹介され、安全性確保への取り組みが強調されました。また、センサー情報・監視映像・気象データを統合し、ウイングアークのBIツール MotionBoard 上で可視化・進捗管理する仕組みも披露。遠隔施工を単なる操作実験に終わらせず、現場全体を「データ回路」として設計する視点が示されています。
一方で、通信遅延、操作性、視覚フィードバックの精度、障害時のフェールセーフ設計といった課題も浮き彫りになりました。遠隔施工を現実の運用に耐えうるものとするには、技術・制度・運用面の課題を一体的に解決する必要があると指摘されています。
さらに記事では、遠隔施工技術の社会的意義にも触れています。地方での人材不足対策や災害時の復旧支援、安全性の向上など、建設現場を超えた活用可能性が語られました。また、高校生やeスポーツチームが遠隔操作に挑戦する「e建機®チャレンジ」も紹介され、建設技術を若い世代に広げる試みとして注目されています。
2025.09.26 公開
「データ・情報は生もの!」を掲げる「DX Namamono information」第24便では、大阪・関西万博の会場に仕掛けられた“音”の世界を取り上げます。執筆者は福岡在住のライター河合良成氏。これまで幸福や孤独・孤立といったテーマをデータから考察してきた彼が、弾丸で万博を訪れ、現地で耳にした体験をもとに記事を構成しました。
記事はまず、入場直後に訪れた「静寂感」の印象から始まります。会場全体を包むのは「いのちのアンサンブル」というコンセプト。人・自然・テクノロジーの響きを重ね合わせるため、約600台のスピーカーが設置され、7名のコンポーザーによる音が時間や場所に応じて変化する仕組みになっています。
とりわけ象徴的なのが大屋根リングの設計です。下層では「地」を、上層では「空」をテーマにした音が流れ、歩くことで聴覚的に移ろいを体験できるように構成されています。音によって空間が再定義される“サウンドスケープ”が、来場者に強い印象を与えます。
本記事は、音という見えない要素を軸に、都市や社会の未来を感性とデータの両面から考える視座を提示しています。
2025.09.26 公開
本記事では、データに関わる実践者が集う「データ界隈100人カイギ」第2回の内容をレポートします。今回のテーマはリスキリング。ITベンダー、CDO、SaaS企業CS責任者、公務員など、多様なバックグラウンドを持つ4名が登壇し、それぞれの学び直し体験を共有しました。
登壇者はキャリアの転機や業務の変化を背景に、新たなスキルをどのように身につけてきたかを語ります。「まずは手を動かす」「体系的に学び直す」といったアプローチや、学びを継続するモチベーションの持ち方が紹介されました。さらに、個人だけでなく組織全体としてのリスキリングの重要性も議論され、データ人材育成や学習文化の醸成が課題として浮き彫りになりました。
交流セッションでは、「挫折体験をどう乗り越えるか」「学びを実務の成果にどう結びつけるか」「ナレッジ共有をどう進めるか」といった率直な質問が投げかけられ、登壇者が実体験を交えて応答。参加者からは「次につながる気づきを得た」「勇気をもらえた」といった声も上がり、学びを共有する“場”としての意義が示されました。
ネットワーキングを通じて参加者同士のつながりも広がり、リスキリングを個人の課題にとどめず、コミュニティを介した学びの連鎖としてとらえることで、変化の激しいデータ領域におけるキャリア形成のヒントが提示されました。
2025.09.27 公開
2025年4月13日から10月13日までの半年間、大阪・夢洲(ゆめしま)にて
会場は約155ヘクタールの広大な人工島・夢洲に設けられ、150以上の国と25を超える国際機関が参加を予定。企業パビリオンや各国の展示では、先端技術、環境対策、医療・福祉、モビリティ、教育など、幅広いテーマにわたる実証的な取り組みが紹介されます。
また、2025年の万博は単なる展示の場にとどまらず、「未来社会の実験場」としての性格が色濃く打ち出されているのが特徴です。完全キャッシュレス決済の導入や、来場者データの可視化、ロボットによる案内・警備・搬送など、デジタル技術を社会実装レベルで体験できる構造になっており、“体験型の万博”として注目されています。
2025.09.25 公開
本記事は、BizOps 勉強会/交流会 第4回の模様をレポートし、実務者の“しくじり資産”から学びを引き出します。テーマは「しくじり」。Repro の小中馨氏、マネーフォワードの牛田哲也氏、ログラスの小林征矢氏が登壇し、それぞれが自身の BizOps 実践で直面した失敗を率直に語りました。
小中氏は「行動しなかったこと」が最大のしくじりであったとし、遠慮や判断保留が機会損失につながった経験を共有。牛田氏は「曖昧な役割定義」が大きな混乱を生み、組織のパフォーマンス低下を招いた事例を紹介しました。小林氏は“神頼り”の意思決定を取り上げ、プロセスが属人化する危うさと改善の必要性を示しています。
登壇後の交流セッションでは、「挫折体験をどう乗り越えるか」「学びをどう実務に結びつけるか」「ナレッジ共有をどう進めるか」といったテーマで参加者と登壇者が議論を深めました。実践者ならではの具体的な答えと、参加者からのリアルな問いが交錯し、実務に活かせるヒントが生まれる場となりました。
2025.09.24 公開
本号「ラビッドニュース #053」では、イグ・ノーベル賞の受賞研究を切り口に、笑いと驚きの中に考えさせられるテーマを紹介します。まず注目されたのは「低用量飲酒が外国語の発音をより流暢に聞こえさせるかもしれない」という研究。ドイツ人被験者50名がオランダ語で発話する実験を行い、少量のアルコールを摂取したグループは、ネイティブ話者によって「より流暢に聞こえる」と評価されました。研究者はその背景に、言語学習時の不安や羞恥心が和らぐ心理的効果があるのではないかと仮説を立てています。
記事ではまず、そもそもイグ・ノーベル賞とは何かを解説し、その理念である「人を笑わせ、考えさせる研究」を踏まえ、この研究の位置づけを整理します。続いて実験設計や評価手法を振り返り、結論と限界を読者に提示します。
さらに、他の受賞テーマも紹介。テフロン粉末を用いた“ダイエット案”、牛に縞模様を描いて虫を避ける試み、完璧なパスタソースを数理モデルで探る研究など、一見ユーモラスながら科学的問いを含む事例が並びます。これらは日常の現象を別の角度から切り取り、私たちに新たな視点をもたらします。
今回は『経済効果だけじゃない!万博2025が作り出すデータドリブン都市経営の未来』という記事を紹介させて頂きました。
今回の編集後記では、大阪・関西万博2025が終わりに近づいている今、あらためて「万博とは何か」について考えてみたいと思います。
万博は、単なる一大イベントでも、短期的な観光資源でもありません。そこには、人類の過去・現在・未来をつなぐ“装置”としての意味が込められているように感じます。
万博(万国博覧会)の歴史は、1851年のロンドン万博に始まります。当初は国家の威信や技術革新を世界に示すための「見本市」としての色合いが強く、その後、時代とともに芸術や建築の展示、企業による最先端技術の実験場、市民の未来体験の場へと進化してきました。
現代の万博は、ただモノを展示するのではなく、「未来社会のプロトタイプ」を実空間で描き出す場になってきています。大阪・関西万博2025では、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもと、医療や環境、孤独、デジタル技術など、多岐にわたる社会課題が提示されています。ここには、国家や企業だけでなく、来場者一人ひとりが“未来の当事者”として関われる可能性があるのではないでしょうか。
一方で、万博には批判も少なくありません。建設の遅れや予算の膨張、SNS上での盛り上がり不足など、開催前から懸念が指摘されてきました。「誰のための万博なのか」「果たして本当に必要なのか」といった問いも当然のように生まれます。しかし、万博の本質は、会場の完成度や派手さではなく、そこで生まれる“問い”や“対話”、そしてそれをいかに社会実装へとつなげるかにあるのではないかと感じます。
1970年の大阪万博が「科学技術の光と影」を可視化したように、2025年の万博もまた、生成AI、ロボット、自動運転、孤独対策など、現代社会の複雑な課題に向き合う機会を提供しています。大切なのは、これらの問いを万博期間だけのものにせず、会期後もどのように継承し、実社会へとつなげていくかという視点です。
万博は、“非日常”を通じて私たちの日常を揺さぶります。そして、「こんな未来をつくりたい」という小さな想像力を、社会全体の推進力へと変えるきっかけになり得ます。閉幕が近づく今だからこそ、この装置が投げかけている問いの意味を、あらためて考えてみたいと思っています。
それでは次回も「データのじかんNews」をよろしくお願いします!
データのじかんは、テクノロジーやデータで、ビジネスや社会を変え、文化をつくりあげようとする越境者のみなさまに寄り添うメディアです。
越境者の興味・関心を高める話題や越境者の思考を発信するレポート、あるいは越境者の負担を減らすアイデアや越境者の拠り所となる居場所などを具体的なコンテンツとして提供することで、データのじかんは現状の日本にあるさまざまなギャップを埋めていきたいと考えています。
(畑中 一平)
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