About us データのじかんとは?
ICT(Information and Communication Technology: 情報通信技術)が向上し、さまざまなモノがインターネットに接続されるIoT(Internet of Things: モノのインターネット)が広がる中で、これまでにあまりデータを活用してこなかったサービスや企業においても、データを活用した新たな仕事に取り組む必要性が高まっています。
一方で、これまでに培ってきた膨大なデータを棚卸しするのには時間や人員が必要で、データを集めるうちに「結局何がしたいんだっけ、、、」と目的を失ってしまう、なんてことも少なくありません。
データを「見える化」してみたものの、なかなか結果にはつながらない、という経験をしたことがある方も少なくないのではないでしょうか?
そこで活躍するのが、効率的に必要なデータを収集し、成果につなげるためのフレームワークです。
今回は、書籍『データ活用仮説量産 フレームワークDIVA(鈴木良介著)』を参考に、データ活用に必要なフレームワークや考え方について紹介していきます。
商品やサービスを高度化するためには「良い仮説」が必要不可欠です。
しかし、「良い仮説」は簡単に生み出せるものではありません。今作の中でも以下のような指摘がなされています。
「面白くてお金になる良い仮説」だけを生成する方法論はない。良い仮説を得るためには仮説の数を稼がなくてはならない。様々な業界で言われることであるが、仮説の量は質に転換する。
鈴木 良介『データ活用仮説量産 フレームワークDIVA』
そこで、出来る限り多くの仮説を生み出すために作られたのがDIVAというデータ活用のフレームワークです。
著者の鈴木良介さんは、IoTや人工知能、ビッグデータなどのテクノロジーについて、市場調査やコンサルティング、政策立案支援を行ってきたデータ活用のプロフェッショナル。
そんな鈴木さんが辿り着いたのが、大量の仮説を打ち出すための、できる限りシンプルな構造のフレームワークだったそう。
今作では、DIVAというフレームワークを基盤に、実際のサービスや企業の事例を上げながら、データ活用における重要な考え方が紹介されています。
「DIVA」はData=データ、Information=情報、Value=価値、Achievement=効用の頭文字を組み合わせた造語です。
データから情報、情報から価値(対象の振る舞いの変化)、価値から効用(売上増加や経費削減)までのプロセスは以下のようになると今作では語られています。
アウトプット |
(事象) |
データ Data |
情報 Information |
価値(振る舞いの変化) Value |
効用(売上増加、経費削減など) Achievement |
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ソリューション |
①データの生成・収集 |
②解釈・分析 |
③働きかけ |
ソリューション・基盤に要する費用 |
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基盤 |
ソリューションを実現する IT 基盤 |
①世の中の「事象」から、「生成・収集」によって「データ」が得られる。
②データに対して「解釈・分析」を行うと、そのデータが特定の人にどのような意味を持つのかという「情報」が得られる。これは見える化が実現された段階である。
③情報に基づき「働きかけ」が行われると「振る舞いの変化」が引き起こされる。この振る舞いの変化こそが、見える化止まりを超えて必要とされる価値である。
④振る舞いの変化を「効用」につなげる際には一般的な事業上の課題を解決する必要がある。営利事業に限って言えば、競争相手よりも優れた振る舞いの変化であることが必要だ。もちろん、その振る舞いの変化に対してお金の払い手が本当に存在するのか、といった基本的な課題も解決されている必要がある。鈴木 良介『データ活用仮説量産 フレームワークDIVA』
多くの要素を検討していくことは、仮説を精緻に検証することに繋がりますが、一方で、どれだけ確からしい仮説であっても、その仮説自体がサービスや企業にとって最良のものでなければ、なかなか大きな成果を手にするのは難しいものです。
そうした中でDIVAでは、検討に足る仮説かどうかを判断するのに、最低限となる四つの要素を考慮すればよいので、仮説を数多くアウトプットすることができ、システマチックに比較検討することが可能になります。
データ活用を考える上で非常に重要なのが、その事業やサービスが本当にデータ活用と相性がいいのかという問題です。
闇雲にデータ活用をして、データを棚卸してみたものの、実際は定性的な観点から検証していた方が良い、という場合もあります。
そこで、今作の中では、データ活用と相性が良い事業者の役周りについても紹介されています。
サービスや事業を考える際には、こうした役回りを意識することで、「効用」にいたる設計が作りやすくなります。また実際に自分たちが日常的に関わるサービスがどの役回りなのか、を考えてみても楽しいかもしれません。
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