「データのじかん」発&初となる書籍が4月5日に発刊 マンガで読むビジネス/DX用語辞典 『今さら聞けないDX用語まるわかり辞典デラックス』 | データで越境者に寄り添うメディア データのじかん
カテゴリー
キーワード

「データのじかん」発&初となる書籍が4月5日に発刊 マンガで読むビジネス/DX用語辞典 『今さら聞けないDX用語まるわかり辞典デラックス』

         

筆者もライターを務める年間約400万人に読まれる「データのじかん」のタイムくんが書籍化されるとのことで、一足先に読ませてもらいました。そこで今回、DXを推進する立場であった筆者自身の観点で、DXを推進する方、DXを学びたい方向けに書評をお送りします!

かつてDX推進をやってました

さすがにIT用語としてのDXを「デラックス」と読む人はかなり少なくなっていると思いますが、かつては結構いたんです。

というのも、筆者はもともととある組織でDXを推進する部署におり、DX推進計画などを作っていました。その課では他部署との調整なども行っていたんですが、「デラックスって結局なんなの?」と質問してくる同僚が意外とたくさんいたんです。

半ばネタでしょうが、せっかくこちらが一生懸命DX推進をしようとしているのに、ギャグのようにDXを扱われるのは心外でした。そんな感じで奮闘しつつ、推進計画は出来たのですが、同僚からすれば所詮「関係のない話」であり、DXが浸透する前に筆者はその会社を辞めてしまいました。現在は無記名記事をメインに、DXに関するコンテンツ制作のお手伝いをしています。

資料があまりにも少ない

とはいえ、筆者もはじめからDXに詳しかったわけではありません。IT業界歴は長いものの、さほどデジタルに詳しくなかったのが実情でした。それではいけないと思い、DXに関する情報をリサーチを日々していたのですが、経済産業省の『2025年の崖』など有名なレポートは出てくるのですが、いまいちわかりづらいものばかりでした。というのも、DXに関する書籍は経営者や経営層向けのものばかりで、「現場の社員たちが学べる」「知見を高められる」「しかも面白い」書籍がなかったのです。

筆者は十数冊ものDXに関する書籍とレポートを精読し、なんとか推進計画作成に取り組めましたが、普段の業務に加えてDXを学ぶことはなかなか難しいことと言えます。もっとわかりやすいDXに関する書籍があれば良いなあと、DX推進を担当していた時に何度も思いました。

経営層と一般社員の「壁」

もともとDXを推進する立場にいたからわかるのですが、社長含め、経営層はDX推進をなるべく早めに推進したいと考えています。一方、上にも書いた通り、一般社員はDXのことなど理解しておらず、むしろ「毎日の業務が増える」と捉えてしまう可能性があります。ここに経営層と一般社員の「壁」が存在するわけです。その壁を取り払い、みんなで一丸となってDXを推進するにはどうすれば良いのか。その答えはシンプルで、一般社員がDXの知識を増やすことだと筆者は考えます。なぜ経営層がDX推進を進めたいと考えているのか、それを理解するだけでも、経営層と一般社員の距離は縮まると思います。

一般社員でも楽しんで学べる書籍があれば…

実際に書店でDXのコーナーに行ってみてください。難しい本ばかりです。今回筆者がおすすめしたいのは、『今さら聞けないDX用語まるわかり辞典デラックス』という書籍です。そのタイトル通り、DXに関する用語を解説する辞書風の本となっています。デラックスとタイトルに入っているのが愛らしい、とても面白い本です。本書ではイラストが多用されており、さらに多様な登場人物が出てきてサクサク読めます。ページ数も200ページも無いので、読書を苦手とする人でもスッと読めるはずです。特筆すべきは「タイムくん」の4コマ。いい感じにシュールで、ニヤニヤしながら読めます。

ここまで読んで、「所詮薄っぺらい内容なんでしょ?」と思ったあなた。実は意外と深いところまで触れられています。

EBPMって知っていますか?

本書には「ICT」「SDGs」「Society5.0」など、どこかで聞いたことのある語句が登場します。なので、一見初心者向けの本のように思えるかもしれません。しかし、意外と知らない用語も多数収録されていて勉強になります。

例えば「EBPM」と言う言葉をご存じでしょうか?これは、本書によれば「エビデンスに基づく政策立案(Evidence-based Policy Making)」のことを指します。確かなエビデンスに基づいて政策立案の決定や実行、効果検証を行うことであり、知らなかったという人も多いのではないでしょうか(筆者も知りませんでした)。

また、その用語解説に留まらず、エビデンスの効果検証に必要な要素を4つにまとめたフレームワークも同じページに掲載。その名も「PICO」と言い、「P:Population(誰に対しての施策か?)」「I:Intervention(どんな施策を行うのか?)」「C:Comparison(誰を比較対象とするのか?)」「O:Outcome(何に対しての効果を検証するのか?)」の頭文字を集めた語句です。

完結に、かつ詳しく1つ1つの語句を詳しく解説しているのが、本書の特徴です。ちなみに右ページには、4コママンガが載っており、思わずクスリと笑ってしまいます。楽しく語句の勉強をしたいという人に最適な書籍と言えます。

この本がもっと早く世に出ていれば…

さて、もしこの本がDX推進時代の筆者の頃にあったのならば、社員全員に本書を配布して読んでもらうことができました。それだけでも、ずいぶんDXに対するイメージが違ったのではないかと思います(少なくとも、DXのことをからかう風潮は無かったのだろうと推測できます)。3年ほどはやく本書が出ていれば…と悔やむばかりです。

この本が社会全体のDXに対する意識を”変革する”一助となるような気がしています。今からDXを勉強したい方、DX推進担当になって、社員全員にDXについて学んでほしいと思っている方、タイムくんをはじめとしたユルい仲間たちとDXについて学んでみましょう!きっと役に立つはずです。


(安齋慎平)

 
×

メルマガ登録をしていただくと、記事やイベントなどの最新情報をお届けいたします。


データ活用 Data utilization テクノロジー technology 社会 society ビジネス business ライフ life 特集 Special feature

関連記事Related article

書評記事Book-review

データのじかん公式InstagramInstagram

データのじかん公式Instagram

30秒で理解!インフォグラフィックや動画で解説!フォローして『1日1記事』インプットしよう!

おすすめ記事Recommended articles

掲載特集

デジタル・DX・データにまつわる4コマ劇場『タイムくん』 デジタル・DX・データにまつわる4コマ劇場『タイムくん』 データのじかんをもっと詳しくデータのじかんフィーチャーズ データのじかんをもっと詳しく データのじかんフィーチャーズ 「47都道府県47色のDXの在り方」を訪ねる『Local DX Lab』 「47都道府県47色のDXの在り方」を訪ねる『Local DX Lab』 DXの1次情報をを世界から『World DX Journal』 DXの1次情報をを世界から 『World DX Journal』 データで越境するあなたへおすすめの『ブックレビュー』 データで越境するあなたへおすすめの 『ブックレビュー』 BIツールユーザーによる、BIツールユーザーのための、BIツールのトリセツ BIツールユーザーによる、BIツールユーザーのための、BIツールのトリセツ CIOの履歴書 by 一般社団法人CIOシェアリング協議会 CIOの履歴書 by 一般社団法人CIOシェアリング協議会 なぜ、日本企業のIT化が進まないのか――日本のSI構造から考える なぜ、日本企業のIT化が進まないのか――日本のSI構造から考える 日本ビジネスの血流である帳票のトレンドを徹底解説 日本ビジネスの血流である帳票のトレンドを徹底解説 データを武器にした課題解決家「柏木吉基」のあなたの組織がデータを活かせていないワケ データを武器にした課題解決家「柏木吉基」のあなたの組織がデータを活かせていないワケ BI(ビジネスインテリジェンス)のトリセツ BI(ビジネスインテリジェンス)のトリセツ 入社1年目に知っておきたい差が付くKPIマネジメント 入社1年目に知っておきたい 差が付くKPIマネジメント CIOLounge矢島氏が紐解くトップランナーたちのDXの“ホンネ” CIOLounge矢島氏が紐解く トップランナーたちのDXの“ホンネ” データのじかん Resources越境者のためのお役立ち資料集 データのじかん Resources 越境者のためのお役立ち資料集 AI実装の現在地点-トップITベンダーの捉え方 AI実装の現在地点-トップITベンダーの捉え方 データでビジネス、ライフを変える、面白くするDATA LOVERS データでビジネス、ライフを変える、 面白くするDATA LOVERS データマネジメント・ラジオ by データ横丁 データマネジメント・ラジオ by データ横丁 データのじかんNews データのじかんNews データ・情報は生もの!『DX Namamono information』 データ・情報は生もの! 『DX Namamono information』 ちょびっとラビット耳よりラピッドニュース ちょびっとラビット耳よりラピッドニュース AI事務員宮西さん(データ組織立ち上げ編) AI事務員宮西さん(データ組織立ち上げ編) 藤谷先生と一緒に学ぶ、DXリーダーのための危機管理入門 藤谷先生と一緒に学ぶ、DXリーダーのための危機管理入門 生情報取材班AI時代に逆行?ヒトが体感した「生情報」のみをお届け! 生情報取材班AI時代に逆行?ヒトが体感した「生情報」のみをお届け! データはともだち 〜怖くないよ!by UpdataTV Original データはともだち 〜怖くないよ!by UpdataTV Original データ飯店〜データに携わるモノたちの2.5thプレイス by UpdataTV〜 データ飯店〜データに携わるモノたちの2.5thプレイス by UpdataTV〜 インサイトーク〜データで世界を覗いてみたら〜by WingArc1st + IDEATECH インサイトーク〜データで世界を覗いてみたら〜by WingArc1st + IDEATECH
close close