神戸市は行政のDX化推進に熱心に取り組んでいる自治体のひとつだ。神戸市独自のシステム「e-KOBE(神戸市スマート申請システム)」とはインターネットを通じた行政手続きサービスだ。具体的には神戸市への様々な申請や届け出の手続きを区役所などに行かず、自宅でスマートに行うことができる。
e-KOBEは2021年夏から運用を開始。2023年1月時点で、個人向け100件以上、事業者向け80件以上の手続きに対応する。市民税の申告、新型コロナウイルスの抗原検査キットの申し込み、敬老バスの申請などができる。
神戸市によると、e-KOBEは発展途上とのこと。2025年に行政手続きの70%をスマート化する計画だ。
ところで、行政手続きのオンラインサービスはe-KOBEだけではない。最も知られているのは国が運営するマイナポータルを利用した「ぴったりサービス」だ。e-KOBEは先んじてクレジットカード決済をはじめとする電子決済に対応していた。ぴったりサービスでは2024年4月26日からクレジットカード決済に対応するようになった。つまり、e-KOBEはぴったりサービスよりも先んじている、ということだ。
筆者はとある給付金を申請するためにe-KOBEを利用した。e-KOBEのアプリはあるが、申請システムそのものはWEBサイトでの表示となる。e-KOBEを利用するにあたり、新規登録が必要となる。とはいっても、生年月日や氏名を入力するだけで、あまり面倒な手続きはなかった。
基本的に申請は送られてきた書類にある10桁の番号を入力すればいいだけだ。簡単すぎて拍子抜けした。オンライン申請ということもあり、1ヶ月も経たずに無事に入金を確認できた。
また、自治体がつくったシステムとは思えないほど、シンプルでとても見やすかった。国や自治体がつくるWEBサイトは後からクレームが来るのが怖いせいなのか、ごちゃごちゃして見づらいものが多い。国や他の自治体はe-KOBEを参考にして頂きたい。
懸念点はぴったりサービスや県のオンラインサービスとの両立だ。行政手続きのDX化は歓迎だが、手続きに際してどのサービスを利用したら良いのか、迷う時間が発生しないような工夫を願いたい。
(取材・撮影・TEXT:新田浩之 編集:藤冨啓之)
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