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突然ですが、東京にどのくらいの路上生活者、いわゆるホームレスの人たちがいるのかご存知でしょうか?
2020年の東京大会に向けて、日本の政府はホームレス問題とどのように向き合っているのでしょうか?そして、あなたはホームレス問題について考えたことはありますか?
平成28年に行われたホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)の結果によると、東京都23区で暮らすホームレスの数は1,397人。同調査によると、日本全体でみると5,534人となっています。しかし、市民団体ARCHなどの報告によると、この数字が実態とは言い難く、発表されている数字よりも実際は多い、と考えられています。
この数値には、ネットカフェ難民や安い賃金で働く住み込み労働者は含まれません。グレーゾーンの多い問題で、データを取るのが難しい分野ではありますが、今月のテーマは「ニューヨーク」という事で、少し都会の闇部分のホームレス問題に目を向けてみましょう。
まず、東京都の観測の仕方ですが、いかにも路上生活をしていそうな人を、昼間に目視でカウントしているだけ、という若干疑問の残る調査結果です。様々なライフスタイルが混在する現代で、「ホームレス」と定義付けをするのも、難しいところです。
東京都は2024年までにホームレスを0にする公約を掲げています。それは、はたして本当に実現可能なのでしょうか?
一方で、別の調査によると、自立に向けた今後の展望に関する質問に対し、「今のままでいい」と回答した人が35.2%もいました。
このデータを見る限り、ホームレスの人々を「可哀そうな人たち」と一概に言うのは安易なのではないかと感じる部分もありますよね。
日本全体に高齢化が進んでいる今、ホームレスの人々にも高齢化の波は襲い掛かってきています。データで確認すると、ホームレス人口の平均年齢は61.5歳。そして、65歳以上のホームレスは全体の42.8%となっています。総人口と同様に高齢化はホームレス人口にとっても例外ではないのです。
高齢者人口の割合は日本全国で27.3%ですから、ホームレス人口における高齢化はより高いことが分かります。これは、今後も増加の傾向をたどることが推測されています。
東京のホームレス人口は2017年のデータで1,397人というのは前述した通りですが、2018年6月のデータによると、ニューヨークにはなんと6万1421人ものホームレスがいるのそうです。その内、1万4934の家族がホームレスとして生活をしていて、2万2266人の子供が含まれているとのことです。これは改めて比較してみると驚きの数字です。
さらには、年々ホームレスの人口が増えていっているのも特筆すべき事実です。10,000人につき45人もの人が一度はホームレスの経験があるという結果も出てきました。
ちなみに、国税調査の結果によると、東京の都市部の人口は、1,374万2906人(2017年現在)。そしてニューヨーク州の人口は、1,984万9399人(2017年のデータ)ですが、ホームレスの比率をここから割り出すと、東京は0.01%。ニューヨーク州は0.3%となります。単純に比率だけを見るとその差は30倍、とものすごい違いです。
ここでも、興味深い結果が出ています。ホームレスのほとんどが男性という結果が出ました。割合は男性5168人、女性が196人、とほとんどが男性であることがわかります。
割合についての動向は数年来ほとんど見られないようで、女性のホームレスはまれだということがわかります。女性は男性に守ってもらえる確率が多いという事なのでしょうか。それとも社会に守られやすいのでしょうか。それとも女性の場合は危険度が高いことが原因なのでしょうか。
ニューヨークに関しては、男性が60.5%で女性が39%と、日本に比べると女性がかなり多いが、やはり男性が多いという結果になりました。
プラスで、どれだけホームレスの家族がいるのか、子供の数がいるのかというデータを拾えたので、チャートにてご参照下さい。アメリカという国柄だけあって、人種による隔たりがある部分も興味深い内容です。
さて、ここで東京とニューヨークの生活コストの違いを見てみましょう。numbero.comの比較によると下記のようにまとめられています。
これを見ると、相対的にニューヨークの方が生活コストが高いことが分かります。レストランや、交通手段のバスや電車はニューヨークの方が高いのに対して、タクシーは日本の方が圧倒的にコスト高です。レストランでランチを食べる場合、東京では1000円程度で収まりますが、ニューヨークでは20ドルを超えることも珍しくないので、この当たりは体感的な物価と一致しています。
平均月収を見ると、ニューヨークは47万3601円。そして東京は33万2402円とおよそ30%も下回る結果となっています。
東京とニューヨークのホームレスについて、様々なデータを追ってきた今回の記事はいかがでしたでしょうか。
社会の闇と捉えられる一方で、ホームレスという人生の選択を自らしている人がいる人も事実という現実があって、その裏には様々な人生ドラマがあるというのも興味深い話です。
私はホームレスと聞くと、いつも思い出す情景がこの写真の時の様子です。彼らがホームレスかどうかは分かりませんが、列車が止まる度に駆け寄ってきて、食料やお金をねだってきました。これが、2日以上続いたのが、ザンビアからタンザニアへの60時間にも及ぶ列車の旅の思い出です。気軽にお金を使って旅ができている私たちと、炎天下の中列車を待ち続けて、もらえるかどうか分からない小銭を待つ子供たち。中には、路上で暮らしている子供もいたのかもしれません。
私たちの間にはどんな違いがあるのでしょうか?
今回は、ホームレスに関するデータに焦点を当ててみましたが、いかがだったでしょうか?この記事が、ホームレス問題について考えてみるきっかけになれば幸いです。
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