志木東横インは埼玉県志木市にあり、東武東上線志木駅東口から徒歩3分の場所にある。
志木駅には普通、準急、急行が停車する。
東上線は池袋駅が始発だが、和光市駅から東京メトロ有楽町線・副都心線方面へ乗り入れる。整理すると、志木から池袋(東上線・有楽町線)、新宿三丁目(副都心線)、渋谷(副都心線)、銀座一丁目(有楽町線)、横浜(東急東横線)へ乗り換えなしで行けるのだ。
筆者は2月の休日に東京都心に着き、有楽町で友人と食事を済ませた。22時に有楽町から志木へ向かったが、有楽町線有楽町駅から志木駅までは直通列車で乗り換え知らずだった。有楽町駅土休日22時台の時刻表を見ると、和光市以遠に向かう普通森林公園行きは2本だ。
有楽町から志木までは53分を要したが、乗り換えなしは、やはり楽だ。いくらホテルが都内にあると言っても、深夜の帰り際に、大混雑の新宿駅で乗り換えると、疲労感が増す。
翌日、仕事で新宿三丁目へ行くことになった。平日11時頃に志木駅に着き、時刻表を確認した。すると、思いのほか、副都心線直通の列車が少ない。11時33分発の普通湘南台行きのみだ。11時~14時台(志木駅発)の急行と準急は、すべて東上線池袋行きだ。昼間時間帯の副都心線直通は快速急行(Fライナー)が主役だ。
しかし、快速急行は志木には停車しない。平日朝ラッシュ時は快速急行の設定がないので問題はないが、平日昼間、土休日の場合、志木から新宿三丁目、渋谷へのアクセスは快速急行停車駅と比較すると、乗換が発生する分、少し面倒だ。結局、普通新木場行きに乗り、途中の小竹向原駅で西武池袋線からの直通列車に乗り、新宿三丁目へ向かった。志木から新宿三丁目まで33分である。
3日目はお土産を購入する目的で、東武百貨店池袋店を目指した。実は志木駅は始発列車の設定がある。平日朝ラッシュ時にも設定があり、確実に座れる点は大きなプラスポイントといえよう。せっかくなので、志木始発の普通池袋行き(東上線)に乗った。途中の上板橋駅で準急に抜かれ、池袋までの所要時間は30分であった。着席しながら、のんびりと車窓を楽しんだり、本を読んだりする時が過ごせ、充実したひと時を過ごせた。
運賃(交通系ICカード利用)は志木~有楽町間が471円、志木~新宿三丁目間が430円、志木~池袋(東上線)間が324円であった。
志木駅は志木市の中心駅ということもあり、一通りの店舗はそろっている。志木駅東口を出ると、マクドナルドや松屋といったファーストフード店がある。また、小規模ながら飲み屋や焼肉屋もあり、「志木で夕食に困る」ということはないだろう。
また、志木駅に隣接する大型商業施設「マルイファミリー志木」がある。フードコートもあり、ホテル内でのテレワークの際には、気分転換に最適だ。
最後に、志木駅直結の駅ビル「エキア志木」に触れておきたい。「エキア志木」にも飲食店やコンビニなど、数々の店舗があるが、筆者が驚いたのは東口を入ったところに紳士服の店舗があったことだ。出張時にファッション面で緊急を要した場合に、助けになることだろう。このように、志木は出張、テレワークなど、様々なビジネスシーンの助けになりそうな店がそろっている。しかも、志木駅、志木東横インからそれぞれ徒歩5分圏内だ。迷いようがなく、利便性は高い。
ここ数年、東横インは東武東上線沿線に積極展開している。志木東横インは2020年8月にオープンした。朝霞台駅から徒歩3分の東横イン北朝霞西口も2022年12月オープンの新鋭だ。さらに、和光市駅周辺には東横イン和光市駅前がある。東上線は成増、和光市、朝霞、朝霞台、志木と急行が5駅連続で停車し、和光市~志木間は複々線区間となる。この中間主要駅が連続する環境下で、東横インも集中配置されているのだ。
一方、東上線と同じく池袋駅から西へ埼玉県方向へと進む西武池袋線沿線には東横インが少ない。池袋~所沢間だと、池袋駅から17.8キロ地点の東久留米駅に東横イン西武池袋線東久留米駅西口があるくらいだ。一方、東上線の場合、池袋から和光市までは12.5キロ、朝霞台までは16.4キロ、志木までは17.8キロとなる。西武池袋線との差は歴然だ。
それでは、なぜ東横インは東武東上線に多く、西武池袋線に少ないのだろうか。この問いに答えるには土地取得などの問題も絡む可能性がある。そこで、交通アクセスから考えた場合、都心へは東武東上線、西武池袋線どちらが便利か、という観点から考えていきたい。両路線とも東京メトロ有楽町線、副都心線に乗り入れ、比較には好都合だ。
東武東上線の急行は池袋、成増、和光市、朝霞、朝霞台、志木の順に停車する。一方、西武池袋線の急行は池袋、石神井公園、ひばりが丘、所沢以遠に停車する。ここでは同じ池袋駅から16.4キロ地点の朝霞台駅とひばりヶ丘駅を比較したい。
朝霞台駅の平日朝7時台(和光市・池袋方面)は、1時間あたり26本の列車が発車する。このうち、急行池袋行きが5本、準急池袋行きが5本だ。東京メトロ直通列車は有楽町線が7本、副都心線4本の計11本となる。
朝霞台~和光市間は複々線のため、急行、準急とほぼ同時刻に東京メトロ有楽町線・副都心線直通の普通が発車する。また、急行は和光市駅に停車するため、同駅で東京メトロ直通列車に乗り換えることも可能だ。実際、筆者が乗車したのは昼間だったが、大半の乗客が和光市駅で東京メトロ直通列車に乗り換えた。
一方、ひばりヶ丘駅の平日朝7時台(練馬・池袋方面)は、1時間あたり17本の列車が発車する。西武池袋線の複々線区間は練馬~石神井公園間で、ひばりヶ丘駅は複線区間にある。17本のうち、快速急行池袋行き1本、急行池袋行き3本、快速池袋行き1本、快速(東京メトロ線内は急行)元町・中華街行き3本、準急池袋行き1本、準急新木場行き3本、通勤準急池袋行き3本となる。東京メトロ直通列車は各停も合わせて有楽町線4本、副都心線3本の計7本となる。
注意点はひばりヶ丘駅に停車する優等列車のうち、快速急行池袋行きと急行は東京メトロ方面へ向かう西武有楽町線の接続駅、練馬駅には停車しないのだ。東京メトロ方面は一つ手前の石神井公園駅での乗り換えが必要となり、初利用者には少し大変かもしれない。
また、和光市~志木、練馬~ひばりヶ丘間での当駅始発列車は東武が和光市駅始発、志木駅始発があるのに対し、西武は石神井公園駅始発のみである。
このように見ていくと、西武石神井公園駅にも東横インがあって良さそうだ。ただし、距離だけ見ると、和光市駅よりも池袋寄りで、東京都に属する。ひょっとすると、宿泊料金で厳しいのかもしれない。
このように、東武東上線の利便性は高い。実際に利用して、そのように思った。東上線の東横インを利用することで、首都圏でのビジネス、行楽を有意義なものにして頂ければ幸いだ。
(取材・TEXT:新田浩之 編集:藤冨啓之)
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