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マネジメントにおいて目標設定はとても重要ですが、初めてのマネージャー業務で目標設定のポイントがわからない人も多いはずです。
しかし、心配ありません。目標設定には数多くのフレームワークが存在します。本記事では、マネジメントで目標設定が必要な理由や、目標設定のコツを紹介しています。ぜひ最後まで読んでみてください。
なお、本記事では一般的な「マネジメント」について説明しています。識学式のマネジメントを知りたい…という方は下記の記事をご覧ください。
マネジメントで目標設定が必要な理由は以下の3つです。
それぞれ解説していきます。
人材配置の確度が高まるから
マネジメントで目標設定が必要な理由として、人材配置の確度が高まることが挙げられます。なぜなら目標設定することで、具体的にどのような役割が必要なのか、明確になるためです。例えば「飲食店向けの在庫管理サービスを開発する」という目標があるとします。そうすると、必然的にサービスを開発できるソフトウェアエンジニアや、飲食業界に詳しいマーケターが必要になるでしょう。
そしてそれらの人材を集めて、適切に配置することが可能になります。
目標をあらかじめ設定しておけば、そこから逆算して、適切な人材配置ができるようになるのです。
進捗管理ができるから
さらに、進捗管理ができることも理由として挙げられます。マネージャーの主な仕事内容は業務遂行ではありません。
部下の業務遂行を管理することで、組織のパフォーマンス向上や目標達成に繋げるのが、マネージャーの使命です。そして部下の業務の進捗状況を把握するには、まずどれくらい業務が進んでいるのかを可視化させなければなりません。
そのため、ゴール地点となる「目標」を設定する必要があるのです。例えば「年度末までに売上1億円を達成する」という目標を設定しておけば、現在の売上高と照らし合わせることで、進捗度を可視化することができます。
そして、もし進捗状況が芳しくない場合は、それに合わせて改善策を打てばいいのです。進捗管理を可能にするためにも、マネジメントにおいて目標設定は絶対に必要です。
生産性が高まるから
目標設定することで、組織全体の生産性向上が見込めます。逆にいうと、目標設定されていない組織で生産性を向上させるのは難しいでしょう。
基本的に、従業員は報酬とやりがいを求めています。そしてやりがいは、何かを達成した時に初めて得られるものです。
当然、目標が存在しない環境では強いやりがいを感じることはできません。明確でやりがいのある目標があれば、目標達成のためのモチベーションが強まり、生産性が高まるでしょう。
マネジメントの目標設定のコツは以下の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
具体的な数字を用いた目標を設定する
マネジメントの目標設定のコツとして、具体的な数字を用いることが挙げられます。例えば「観光客を増やす」という目標を設定するとしましょう。
しかし観光客を増やしたいといっても、どれだけ増やすかが明確になっていないため、具体的にどのような行動が必要なのか、なかなか決まりません。
そこで、具体的な数字です。「観光客を1万人から2万人に増やす」という目標であれば、自ずとやるべきことが見えてきます。
「広告範囲を2倍に広げてみてはどうか」「インフルエンサーを活用しよう」といった策が考えられるでしょう。
このようにして、具体的な数字を用いた目標であれば、そこから逆算して具体的な業務内容を割り出すことができるのです。
目標達成のための目標を設定する
目標達成のための目標を設定してみるのも有効です。では、先ほどの「観光客を1万人から2万人に増やす」という目標で考えてみます。
この場合、この目標を達成するために何が必要なのかを検討すべきです。
例えば、観光客を増やすためにSNSに力を入れたいのであれば、「SNSのフォロワー5万人」を目標に設定してみるのがいいでしょう。
そしてSNSのフォロワーを増やすために、「10万人のフォロワーを抱えるインフルエンサー5人と契約を結ぶ」と目標設定します。
このように目標達成のための目標を細かく設定することで、具体的な行動計画が見えてくるのです。
120%のパフォーマンスで達成できる目標を設定する
120%のパフォーマンスで達成できる目標を設定しましょう。まず、100%以下のパフォーマンスで達成できる目標には、成長の要素が何一つありません。
基本的に企業は、株主のために利益を高めていく必要があります。そのような状況で成長が見込めない目標を設定するということは、相対的に退化しているのと同義です。
だからといって、あまりにもハードルの高い目標を設定すると、従業員が混乱します。
例えば「観光客を1万人から100万人に増やす」という目標を設定しても、あまりにも現実味がなさすぎて、具体的な計画を立てることができません。
そうなると、限界よりも少し上である120%のパフォーマンスで達成できる目標を設定するのが望ましいと言えます。
どうしても限りなく高い目標を設定したいのであれば、先ほども述べた通り、目標達成のための目標を設定して、マイルストーンを構築するようにしましょう。
マネジメントにおける目標設定の手法は以下の6つです。
具体例を交えながら、それぞれ詳しく解説していきます。
SMARTの法則
SMARTの法則は以下の5つの英単語の頭文字を取った造語です。
近年は同じSMARTの法則でも、AがAchievable(達成可能)になっている場合があり、複数のパターンがあります。ただ今回紹介した上記の5つは、SMARTの法則を提唱したジョーン・T・ドランの論文から引用していますので、オリジナルです。
まずSpecificは、なるべく具体的な目標を設定すべきだとしてます。
例えば「観光客を1万人から2万人に増やす」よりも、「SNSに力を入れることで観光客を1万人から2万人に増やす」という目標の方がより具体的であり、行動も明確になるでしょう。
次にMeasurableは、計測可能な目標を設定すべきだとしています。
そのため「観光客を1万人から2万人に増やす」という目標は、その要件を満たしていると言えるでしょう。
またAssignableは、誰が何をするべきなのか明確にすべきだとしています。
「観光客を1万人から2万人に増やす」という目標の場合は、具体的に誰がそれを実施するのかを明確にする必要があるでしょう。
今回の目標の場合は、地方自治体、商工会議所、地方の営利企業などが挙げられます。
そしてRealisticは、現実的な目標を設定すべきだとしています。
「観光客を1万人から2万人に増やす」という目標は、まだ未発達な地域であれば、十分実現可能だと言えるでしょう。
逆に「観光客を1万人から100万人に増やす」というのは、現実的ではありません。
最後に、Time-relatedは期限を明確にすべきだとしています。「観光客を1万人から2万人に増やす」という目標であれば、「2024年までに」というように期限を付け加えるべきだと言えるでしょう。
以上の5つの要素を組み込むことができれば、実用的な目標を設定できるはずです。
ベーシック法
ベーシック法は以下の4つのステップで目標設定を進める方法です。
まず目標項目は、具体的に何を達成すべきなのかを明確にします。
目標項目には「強化」「改善」「維持」「開発」の4種類があり、1つに絞ったり、複数の項目を活用したりするのがいいでしょう。
ちなみに「観光客を1万人から2万人に増やす」という目標は、「強化」の項目に入ると考えられます。
次に、達成基準を明確にするために、数字を用います。「観光客を1万人から2万人に増やす」という目標は、十分明確です。
そして明確な期限も設定します。仮に明確な期限が目標に組み込まれていないと、緊張感がなくなり、組織全体の生産性が大きく落ちることになるでしょう。
「観光客を1万人から2万人に増やす」であれば、「1年以内」というように期限を組み込むのがベストです。
最後に、目標達成のための達成計画を作成します。この際、目標から逆算する形で複数の目標を設定するのがおすすめです。
また、具体的にどのようなツールを活用するのかを検討しましょう。
例えば、「1年以内に観光客を1万人から2万人に増やす」という目標であれば、SNSを活用した広報戦略や、地域クーポン発行が具体例として挙げられます。
以上のように、4つのステップを踏まえながら目標設定するのがベーシック法です。
三点セット法
三点セット法は「テーマ」「達成レベル」「達成手段」の3つの項目を踏まえて目標設定するフレームワークです。
まずテーマについては、「安正早楽」「自己否定」「プロセスチェック」の3つの方法を活用して決定することが推奨されています。
「安正早楽」は「より安く、より正しく、より早く、より楽に」業務を遂行すべきという指針のことです。
「自己否定」は、あらかじめ問題が発生する可能性を想定することで改善策を見つけるアプローチのことを指します。
そして「プロセスチェック」は、日々のルーティンワークから課題を見つけてテーマを設定する方法です。
次に達成レベルは、具体的な目標のことを指します。同じ目標でも具体的な数字を用いているかどうかで、目標の具体性が大きく変わってくるでしょう。
そして達成手段では、目標達成のための手段を検討します。先に設定した達成レベルを実現させるための行動を模索し、それを実行しなければなりません。
従来のやり方とは違うことや、今だからできることにチャレンジする必要があります。
ベンチマーキング法
ベンチマーキング法は、ある対象をベンチマークとして目標を設定する方法です。具体的には以下の流れで実施されます。
例えば観光業を盛り上げたいのであれば、実際に観光業の盛り上げに成功した地域をベンチマークに設定します。
次に、その地域がどのように観光業を盛り上げたのかを情報収集し、自らの地域とどのような違いがあるのかを議論するのです。
その後、この違いを埋めるための目標を設定します。例えばベンチマークが観光客を増やすためにSNSに力を入れているのであれば、「SNSのフォロワー数10万人を目指す」と設定するようなイメージです。
そして実践してみたら、定期的に振り返るようにして、ベンチマークに近づけているかどうかを検証します。
また、ベンチマーク設定のやり直しも検討すべきでしょう。このようにベンチマークの取り組みを参考にして目標設定するのが、ベンチマーキング法です。
ランクアップ法
ランクアップ法は組織を成長させるための目標設定フレームワークで、以下の6つの切り口から目標を設定していきます。
以上の6つの項目を考慮しながら目標を設定することで、希少価値の高い人材・組織になれるというのがランクアップ法の特徴です。
OKR(Objective, Key Results)
OKRはObjective(目標)&Key Results(主要な成果)の略称です。ここでのObjectiveは定性目標(数字を用いない目標)、Key Resultsは定量目標(数字を用いる目標)となります。
そして1つのObjectiveに対して、3つ〜5つのKey Resultsを設定するのがポイントです。
具体例としては以下のようになります。
OKRで大切なのが、Objectiveを可能な限り高く設定することです
現実性のある目標はKey Resultsで設定します。
こうすることで面白みのある目標が設定できるので、従業員のパフォーマンス向上が期待できるのです。
それでは本記事をまとめていきます。
もし、目標設定の経験がないのであれば、まずはフレームワークを活用してみるのがいいでしょう。目標設定の効率が良くなる上に、失敗する可能性が小さくなります。ぜひ参考にしてみてください。
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