About us データのじかんとは?
まいどどうも、みなさん、こんにちは。
わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。週ごとの連載ですので、今週もタリラリラーンと登場させていただきます。今週も宮崎空港で不発弾が爆発したニュースや緊迫する中東情勢、そして同時進行していく米大統領戦の行方など気になるニュースがいくつもありました。キャラが豹変したようにも感じる石橋、いえ、石破総理率いる石破内閣の記念写真に関する話題も「だらしなんちゃら」とか「みっともなんちゃら」とかちょっとだけ上手いこと言われていてそれも話題になっておりました。
特に、不発弾のニュースは空港で爆発したということで非常に話題になっておりましたが、第二次世界大戦中に日本に投下された爆弾の総量は約37万トンと言われており、そのうちの5%から8%が不発となり、今もなお7000トン以上の不発弾が日本の地中には埋まっている、という衝撃的な数字も今回のニュースとともに日本列島を駆け抜けました。不発弾がそれほど珍しくない、ということで二度驚く、まさに不発弾そのもののような仕掛けになっていたのですが、ネタがネタだけに笑うわけにもいかないので、話題にした人も聞いた人もリアクションに困る、というなかなか1粒で2度おいしい、ならぬ、1粒で2度苦いようなお話でした。
さて、今週取り上げてみたいのは、ずばり「フィンランドの教育」についてです。
今から20年くらい前になりますが、2000年代半ばにOECDのPISAと呼ばれる学力テストでフィンランドが世界1位に輝いたことがあり、世界の教育関係者がこぞってフィンランドの教育に関心を寄せた時期がありました。わたくしもウサギながら、人間社会で経営者という立場を取らせていただいておりますので、必然的に人間の教育というのものに並々ならぬ関心を常日頃から寄せており、当然このフィンランドの教育制度についても興味を持って書籍などを読み漁っていた時期があったものです。私立の学校を廃止し、誰でも無料で通える公立の学校のレベルを一律に底上げした話、宿題を出さず詰め込み教育はしない方針、子供の権利を優先する考え方、教員のレベルの高さ、そして教員になるための競争率の高さなどが大きく取り上げられ、教育においてはフィンランドが世界一である、と一時期はそれはそれは褒め称えられていました。
しかし、「教育の難しさ」と「青春の日々」というのはとても簡単にはかたり尽くせませんが、子供の教育について語らうのであれば、時には傷つき、時には喜んだとしても「結果が出揃うまで時間がかかる」という側面を無視することはできません。PISAは15歳の生徒を対象にテストを行うのですが、まぁ、だいたい5歳から6歳くらいから本格的な教育が始まるとしても10年近くの時差が生じるわけですので、今この瞬間に行われている教育をチラッと見学したところで、今この瞬間の教育に期待していたような効果があったのかどうか、というとそれは、あれからどれくらいたったのだろう、と懐かしく思い出すくらいは時間が経ってみないとわからない、神のみぞ知る領域となるわけです乾杯。そして、フィンランドブランドの教育が素晴らしい!ともてはされていた2000年代の頃の教育はなんと「どちらかといえば失敗だった」と綴った内容のレポートをフィンランド教育文化省が自ら2023年1月に発表してしまっているのです。なんということでしょう!
フィンランド教育がやんややんやの喝采を浴びている期間にその現場をつぶさに観察し、これは素晴らしい!と鼻息を荒げ、それぞれの母国語で感嘆の言葉を惜しげもなく口にし、その素晴らしさをできるだけ新鮮な状態で自国に持ち帰り、母国の土壌でそれが育まれるように必死で今日まで頑張ってきた教育者の立場たるや、なかなかのものだろうと想像しますし、宝物だと思って土深く埋めて大切に保管していたらそれは実は不発弾だったみたいな話なんじゃないかと思うわけです。今週日本列島を騒がせた不発弾爆発のニュースさながらのちょっと笑うに笑えないアイロニーあるいはトラジディーだったのも知れません。
そして、1ヶ月ほど前にアップされ、かなりSNS上で話題になっていた下記の「フィンランド教育の失敗:日本の詰め込み教育はそこまで悪いのか?」の動画が非常に素晴らしく、ぜひともみなさまにも閲覧していていただきたいと思い、今回はこのトピックを選択させていただくに至ったわけです。ちょっと長めではありますが、かなり幅広くまとまっており、かつ日本の教育をそれなりに客観的に肯定する内容となっているため、その視点もまた新鮮でありつつ、主張内容はそれでいてしごくまともな気がしますので教育について関心がある方は再生してみてくださいませ。
フィンランド教育の「失敗」と言ってしまうとややショッキングすぎるのですが、もちろん、フィンランドの教育の全てが悪かったわけではなく、結果として期待されていた数値が出揃わなかった、というだけの部分も多くあるかと思いますし、そもそも完璧な教育、というのものは、まだ発明されておらず、どこの国の教育もトライアンドエラーの真っ最中であり、どの国の教育も一長一短ですし、何かを改善してみたところでその結果が出るのはおそらくまた二十年くらい先になる、という大胆な改革を行うには非常にリスキーな分野でもあります。しかも、最近はタブレットが学校から支給されるというところも多く、タブレットで子供が何をしているのかが保護者には非常にわかりづらいため、それが親たちを苦しめている、という話もわたくしのこの長い耳には届いていたりもします。動画やインタラクティブなアプリなど教育コンテンツも増え続け、人類の教育レベルが底上げされていることは少なくとも事実ではあるかと思います。
また、「バカとブスこそ東大へ行け」という衝撃的なセリフで有名なドラゴン桜のドラマをこの記事を書くに当たりわたくしの方で見返してみたのですが、暗記というのはどんな社会的地位にある人でもどんなにお金をたくさん持っている人でも、あるいは持っていない人でも自分でやるしかないことであり、それはある意味この世界に残された数少ない平等である、というのも、知識のないところに創造もなし、というのも真実のように感じる今日この頃です。
さて、そんなわけで、今週は一世を風靡したフィンランド教育のその後について、そして日本の教育についてほんの少しですが、取り上げてみました。それでは、また来週までごきげんよう。ちなみに、ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!アデュー、エブリワン。
(ウサギ社長)
・フィンランド教育の失敗:日本の詰め込み教育はそこまで悪いのか?|YouTube ・フィンランドが「学力世界一」から陥落しても詰め込み教育をしない理由|集英社オンライン ・”フィンランド教育は失敗だった”、とフィンランド政府が公式に認めました|note ・OECD生徒の学習到達度調査(PISA)|国立教育政策研究所 ・The bildung review describes the development of Finland’s education and culture sector over the past decades up to the present moment | Ministry of Education and Culture ・「フィンランドの教育から考えること」| 専修大学 ・フィンランド教育の特徴とは?世界一といわれる理由からデメリットまで解説 | マナリンク ・テストが無いフィンランド教育法!勉強時間が少ないのに世界1位なのはなぜ?|保育プラス ・フィンランドの教育はなぜ世界一なのか (新潮新書) | 岩竹美加子
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