若者のキャリア形成を促進する取り組みとして、キャリア支援やキャリア教育と呼ばれる活動があります。キャリア支援とは、主に就職や転職に関するサポートを行うことを指します。
大学や専門学校、就職支援の企業などで行われる活動であり、専門の部門が設けられていることが多いです。卒業生の進路や企業に関する多くのデータを保有しており、それらを分析することによって相談者にアドバイスなどを行います。キャリア教育とは、職業的な自立を目指そうとする意識を育てる教育です。
主な実施場所は学校などの教育機関で、若い頃からキャリアについて主体的に検討する姿勢を持たせるために行います。そのための土台となるスキルや考え方を身に付けさせ、現実感を持ってキャリアを形成していくことを促します。
少子高齢化などの影響により、若者の生き方に大きな変化が生じました。大学全入時代と呼ばれるほど進学率が上がり、就学や就業の状況も以前とは異なっています。
IT技術の進歩や経済のグローバル化など、日本のビジネスシーンでも数多くの変革が見られ、従来のキャリア形成の考え方では通用しなくなりました。そのような社会環境の変化は、若者の成長や教育環境にも多大な影響を及ぼしています。将来の自分をイメージして、キャリアのロードマップを思い描くことが難しくなっているのです。このような状況下で、目的意識がないまま大学に進学したり、自己肯定感を持てなかったりする若者が増えているとの指摘もあります。そのため職業観や勤労観についての教育を行い、自立した社会人として活躍できるように支援することが求められるようになりました。
キャリア支援やキャリア教育の重要性は世間に広まりつつあります。
それらを受けた若者が順調にキャリア形成を行うケースも増えました。しかし依然として、そのようなサポートを行わず、従来通りの教育で構わないと考える声も少なくありません。また就業前に職業体験をさせることが、キャリア支援やキャリア教育であると誤解しているケースも見受けられます。このように実施する側に認識不足があることや、実施内容の基準にばらつきが見られることが大きな問題といえます。現代の社会環境は変化が盛んであり、キャリアについての概念もずっと同じではありません。
キャリア支援やキャリア教育を実施する側にも、変化への柔軟な対応力が求められます。そのための課題として、最新のデータを活用し社会環境の動向を分析できる技術や設備を充実させる必要があります。
(データのじかん編集部)
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