カテゴリー
キーワード

グーグル流の働き方を実践してきた3人が語る、幸せな企業の創り方!【後編】

         

吉田:森下さんは、経営者の側から見てどうですか?

森下:難しいですね。我々のところには社員と同じようなことを業務委託でやっている人もいます。契約形態が違うだけですけど、なんとなく正社員の方がコアメンバーに近いという感覚を持ってしまいがちです。最近はかなり区別がなくなってきましたが。
あと、業務の一部を副業としてやってくれている人は20人くらいいますね。そういう人たちとは、ノウハウをお互いに共有できるので、すごくいいと思います。

吉田:自分の経験では、社員を性悪説で捉えるか性善説で捉えるかで、人事の仕事は全然変わるんですよ。性善説でいくと、柵をできるだけ広げて自由にやってもらうことに腐心できるけど、わけがわからないメンバーがいると、問題を防ぐために柵が狭く高くなっていく。それは会社の歴史とか文化とか、組織的な民度によっても変わるんだと思いますが。

森下:こういう会社をやっていると、いつも「Everforthは性善説ですよね」と言われるんですけど、どちらでもないんですよ。ほとんどの人は善悪どちらにもなり得るので、カルチャーとか環境が大事なんです。情報の透明性とかコミュニケーションの仕方とか、そういうことに気をつけて、メンバーが自然と善の方へ向かって行く環境をつくることが大事なんだという考え方でやっています。「民度」というのは正にそういうことですよね。

5年後、10年後、日本の働き方はどうなっている?

一般社団法人at Will Work 代表理事 藤本あゆみ氏

藤本:副業ができるようになると、採用面接はなくなっていくんじゃないかと思うんです。副業でもプロボノでもいいんですけど、インターンみたいな感じでパラレルで働きながら、会社との相性を見ていくような形がいいんじゃないかと。というのも、最近は「組織のカルチャーが大事だ」とすごく言われるようになってきているけれど、そういうものは入ってみないとわからないじゃないですか。

森下:Everforthはすでにそうなってます。副業で2〜3ヶ月トライアルしてからお互い「どう?」というのが多いですね。

吉田:なるほどね。ほかに、この5年から10年の間に、日本の働き方にどんな変化が起きると思いますか? 最後はこの話題で締めましょう。

藤本:正直わからないですが、at Will Workを始めた時にイメージしていたのよりも早く変化している気はするんです。ちょうど今、会社も個人も「自分たちは何をするべきなんだっけ」ということを問い直しているところなので、その結果ある程度淘汰されていくのかな、とは思います。データを見るのが得意な会社はそうするし、感覚でやって行きます、というところもあるだろうし……。

吉田:今はあたふたしている会社も、それなりに自分たちのスペースを見つけて、その組織なりの最適解を持っている、というイメージですかね。そうなると、世の中はかなり良くなりますね。

藤本:はい。ならざるを得ないでしょうね。

森下:私はこの1〜2年で、我々のような働き方に憧れる人たちが増えていることを明確に実感しているんです。なので、制度や会社がどうなるかということよりも先に、労働者側の圧力で世の中が変わらざるを得ないんだろうと思います。

藤本:そうそう。人の方から変わってきていますね。

森下:その背景には、資本主義の行き詰まりがあるんでしょうね。モノの価値が減って精神の価値が増え、お金を稼ぐより気持ちよく働きたいよね、という人が明らかに増えているんです。そういう流れと相まって法整備も進んでいくんでしょうけど、大企業の人たちが我々がやっているようなことを本気でできるかというと、難しいでしょうね。

藤本:そうですね。だから個人としては、大企業にいながらEverforthで働く、みたいなことが増えていきそうです。

吉田:なるほどね。僕も、パートタイム人事みたいな、そういうビジネスモデルを考えようかな。人事ができる人たちをプールしてスタートアップに紹介するような。

藤本:それ、めちゃくちゃ需要がありますよ。

森下:いいですね。人のネットワークで人材を紹介し合うようなビジネス、いくらでもできると思いますよ。

吉田:ちょっと考えてみます(笑)。おふたりとも、今日はありがとうございました。

 

左からEverforth 森下将憲氏、at Will Work 藤本あゆみ氏、ウイングアーク1st 吉田善幸氏

(テキスト:やつづかえり PHOTO:Inoue Syuhei)

 
人は環境で善悪どちらにもなり得る。性善説が可能な文化の醸成が必要

1 2 3

メルマガ登録をしていただくと、記事やイベントなどの最新情報をお届けいたします。


データ活用 Data utilization テクノロジー technology 社会 society ビジネス business ライフ life 特集 Special feature

関連記事Related article

書評記事Book-review

データのじかん公式InstagramInstagram

データのじかん公式Instagram

30秒で理解!インフォグラフィックや動画で解説!フォローして『1日1記事』インプットしよう!

おすすめ記事Recommended articles

掲載特集

デジタル・DX・データにまつわる4コマ劇場『タイムくん』 データのじかんをもっと詳しく データのじかんフィーチャーズ 「47都道府県47色のDXの在り方」を訪ねる『Local DX Lab』 DXの1次情報をを世界から 『World DX Journal』 データで越境するあなたへおすすめの 『ブックレビュー』 BIツールユーザーによる、BIツールユーザーのための、BIツールのトリセツ CIOの履歴書 by 一般社団法人CIOシェアリング協議会 なぜ、日本企業のIT化が進まないのか――日本のSI構造から考える 日本ビジネスの血流である帳票のトレンドを徹底解説 データを武器にした課題解決家「柏木吉基」のあなたの組織がデータを活かせていないワケ BI(ビジネスインテリジェンス)のトリセツ 入社1年目に知っておきたい 差が付くKPIマネジメント CIOLounge矢島氏が紐解く トップランナーたちのDXの“ホンネ” データのじかん Resources 越境者のためのお役立ち資料集 AI実装の現在地点-トップITベンダーの捉え方 データでビジネス、ライフを変える、 面白くするDATA LOVERS データマネジメント・ラジオ by データ横丁 データのじかんNews データ・情報は生もの! 『DX Namamono information』 ちょびっとラビット耳よりラピッドニュース AI事務員宮西さん(データ組織立ち上げ編) 藤谷先生と一緒に学ぶ、DXリーダーのための危機管理入門 生情報取材班AI時代に逆行?ヒトが体感した「生情報」のみをお届け! データはともだち 〜怖くないよ!by UpdataTV Original データ飯店〜データに携わるモノたちの2.5thプレイス by UpdataTV〜 インサイトーク〜データで世界を覗いてみたら〜by WingArc1st + IDEATECH
モバイルバージョンを終了