competitive agriculture

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攻めの農業とは?

攻めの農業とは、2020年までに農林水産物の輸出額を1兆円規模へと拡大するという計画です。日本は海外諸国に比べると食料自給率が低く、農林水産物の貿易も主要国の中でも最大の赤字国として知られています。また日本の農業における現状・問題点として、農業者の高齢化や耕作放棄地の増加なども挙げられており、農業分野における改革の必要性が国をあげて叫ばれています。そんな折、2015年に大筋合意されたTPP(環太平洋パートナーシップ)では、対象11か国で全2,594品目ある農林水産物のうち約82%の関税が撤廃されることが決定しました。またコメや麦、乳製品、牛肉・豚肉、砂糖といったいわゆる重要5品目でも一部の品目で関税撤廃となり、日本国内の農業はいっそうの競争にさらされるようになります。このような現状・問題点を踏まえ、日本の農業の発展を目指すのが攻めの農業となっています。農林水産省(農水省)のパンフレットによると、この政策の目標は「農林水産業の成長産業化を通した地域経済の活性化」を実現することにあり、「需要フロンティアの拡大」「バリューチェーンの構築」「生産現場の強化」「多面的機能の維持・発揮」という4つの軸をもとに、具体的な施策が展開されることになります。 

攻めの農業の代表的な事例

農水省のパンフレットには、攻めの農業に関する具体的な施策や代表事例も多く掲載されています。攻めの農業の具体的施策としては、
(1)国内外の需要拡大
(2)農林水産物の付加価値向上
(3)⽣産現場の強化
(4)多面的機能の維持・発揮
などが主要なものとして挙げられています。(1)では日本の食文化を海外で普及させるため、世界各国の料理業界における和食材の活用や、輸出促進のための規制緩和などが推進されています。また和食のユネスコ無形文化遺産への登録、増加する高齢者単独世帯や共働き世帯に向けた加工品野菜や機能性食品の開拓・開発なども(1)にかかわる代表事例です。また(2)では、農産物の生産・流通・加工を一体化させた6次産業化の推進が目玉になっており、日本各地のサブファンドへの出資が決定しています。また地理的表示と結びついた農産物のブランド化も進められており、付加価値向上のための多面的な取り組みが始まっています。(3)では、農地の集積・集約化が促進されており、農地中間管理機構 、いわゆる「農地集積バンク」を通した体制強化が目指されています。そして(4)では、農業振興と地域振興を結びつけるべく、若者の雇用や女性・高齢者の活躍の場を創出したり、市民農園や体験学習の場を作ることで地域の魅力を創出したりといった活動が中心です。 このように各施策に関連した、攻めの農業の事例が徐々に増えつつあります。