エッジコンピューティングのもう一つのメリットは、「持続可能性の担保」です。災害が起こった際、ネットワークの障害が問題となります。特に会社の業務をすべてクラウドに依存している場合、業務を持続させることが不可能になってしまいます。そこで、ビル内(もしくは工場内)にエッジコンピューティング環境を構築しておくことで、BCP(事業持続計画)を運用できるのです。通常時には情報の遅延対策、非常時にはBCP対策を取れるという意味で、エッジコンピューティングは受けられる恩恵の大きいシステムなのです。
ところで、IoTの実現と同様、エッジコンピューティングの実現にも様々な企業や団体の協力が必要です。現在エッジコンピューティングを取り巻く環境は、システム構成や管理方式などの標準化や、普及に向けた業界団体での取り組みが始まっている段階にあります。IoTの導入に関しても、まだまだ普及しているとは言い難く、仮に導入している企業でも、モノからデータへの変換はリアルタイムに把握できるというところが大半だと思います。そのため、エッジコンピューティングの導入に関しては、まだまだ先の話のように思える人も多いのではないでしょうか?
しかし、昨今の技術の進歩の速さを考えると、エッジコンピューティングの導入が必要になる状況も、近いうちに訪れると思われます。IoTの急速な発展によって対策が後手に回らないようにするためにも、今のうちから準備しておくことが必要だと思います。
(安齋慎平)
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