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世界、日本で目下進んでいる都市や地域のスマートシティ化。
政府はICT技術の活用により過疎化や高齢化といった課題を解決し、また国民の生活の利便性や可能性が高められる社会──Society5.0の構築を目標に掲げ、それにリードする取り組みとしてスマートシティの実験を進めています。
皆さんも自分の住む地域周辺でスマートシティの取り組みが始まった、スマートシティビジネスに関わりはじめたなど、スマートシティを身近に感じる機会が増えたのではないでしょうか。
スマートシティとは何か、本記事でおさらいし、どのように関わるべきかを考えましょう!
スマートシティについて、“デジタル技術で新しいことに取り組む先進的な地域”くらいのイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
内閣府・総務省・経済産業省・国土交通省が合同で取りまとめた『スマートシティ・ガイドブック(令和3年1月29日公開、4月9日更新)』にて、スマートシティは、以下の「コンセプト」「手段」「動作」「状態」の4要素を満たした都市や地域であると定義されています。
コンセプト | <3つの基本理念> 「市民(利用者)中心主義」「ビジョン・課題フォーカス」「分野間・都市間連携の重視」 <5つの基本原則> 「公平性、包摂性の確保」「プライバシーの確保」「相互運用性・オープン性・透明性の確保」「セキュリティ・レジリエンシーの確保」「運営面、資金面での持続可能性の確保」 |
手段 | 新技術やデータ(官民問わず)を活用した、サービス提供・マネジメント高度化など |
動作 | 都市や地域の課題解決あるいは価値創造を行う |
状態 | 持続可能かつ、Society5.0へ接続される |
参考:スマートシティガイドブック、9枚目、13枚目、14枚目のスライド┃内閣府・総務省・経済産業省・国土交通省 スマートシティ官民連携プラットフォーム事務局
スマートシティは「シティ」と称されてはいますが、都会だけを指すのではなく、自家用車がないと移動な困難な地域で、AIによる自動配車やドローン配達などを利用して住民の生活の利便性を守るといった「スマート・ローカル」な取り組みにも大きな期待が持たれています。そのため地域の人々のリアルな思いに応えることを中心に据える「市民(利用者)中心主義」やデジタルに不慣れな人でも等しく利益が享受できるようにする「公平性、包摂性の確保」はかかせません。
ここでお伝えしたいのは、スマートシティは必ずしもSFで描かれるような都市を目指すわけではなく、「ビジョン・課題フォーカス」で実態を伴った施策を行うことを目的としているということです。ICTやデータはあくまでそのための道具に過ぎないのです。
現代において、世界中で人口増加などに伴う将来に向けての課題に大きく悩まされています。その問題の内容は様々で、環境問題や交通渋滞、高齢化社会や多くのエネルギー消費などが挙げられるでしょう。
そんな中スマートシティは、急速に変化する多くの社会問題や住民のニーズに合わせて、都市が抱える悩みを解決するために変化をし、問題を解決していくのです。従来の都市計画では、住民が変化した都市に合わせて生活や価値観を変えることが求められましたが、スマートシティは都市側が住民に合わせて変化します。
中でも、ICTを活用したスマートシティ計画は、世界での問題や、国内の社会問題の急激な流れにも対応しやすく、注目を浴びています。日本では特に、高齢化や過疎化、交通問題や利便性の向上などを実現できる方法として、スマートシティが大きな注目を浴びており、様々なプロジェクトが進められています。
よりスマートシティのイメージを深めるため、国内の事例をご紹介します。
令和元年8月に各省庁、経済財団体、企業、大学、公共機関などを会員に構築された『スマートシティ官民連携プラットフォーム』には、「交通・モビリティ」「エネルギー」「防災」「インフラ維持管理」「観光・地域活性化」「健康・医療」「農林水産業」「環境」「セキュリティ・見守り」「物流」「都市計画・整備」「その他」の12課題で分けられた全国のスマートシティプロジェクトが284事例(2023年11月30日時点)掲載されています。
今回は、以下の10種の計画を紹介します。
それでは、一つずつ詳しく紹介します。
一つ目は、福島県会津若松市のSamurai MaaSプロジェクトです。
豊かな観光資源を持ち、時期ごとの人の流入に大きな差異がある福島県会津若松市。城下町ならではの複雑な街並みもあり、交通不便性やマイカー依存の多さも課題として指摘されていました。
そこですすめられたのが交通インフラをサービスとするMaaS(詳しくはコチラ)を実現するプロジェクト。鉄道+バス、バス+タクシーなど移動手段を一体的に使える定期券アプリや一日乗車券アプリを開発し、そこから得られるデータを活用しながら会津内の移動をスマホ一つで済ませられる状況がイメージされています。
二つ目は、群馬県嬬恋村の、嬬恋スマートシティです。
令和元年に発生した台風19号の被害を受けた群馬県嬬恋村。災害データを職員で共有するにあたって、ホワイトボードや紙といった従来のツールが足かせとなりました。
そこで、IoTセンサー、職員のスマホ、気象庁など多数のソースから受け取ったデータを集約し、災害時に災害本部・被害所が用いるダッシュボード、住民が利用する安否確認サービスなど一元的に利用できる防災データベース開発の計画を掲げています。
三つ目は、大阪府の、うめきた2期地区等スマートシティ形成協議会です。
JR大阪駅北の市街地区うめきた2期地区と、2025年大阪万博の開催地である人工島、夢洲地区。うめきた2期地区には広大な都市公園があり、夢洲地区では国際集客拠点を目指しています。
そんな両地域を対象に、10分野にわたる課題の解決、新規価値創造につながる情報プラットフォームを開発し、そのうえでAIによる建物のスマート管理やヒューマンデータの利活用など先端的な都市づくりを進めます。具体的には、事業創出や住民のQOLの向上、マネジメント高度化をスマートシティ計画の目標として取り組んでいます。
四つ目は、北海道札幌市の、DATA-SMART CITY SAPPOROです。
冬になると一年間で平均5メートル近くの雪が降る札幌市。そんな札幌市では、健康長寿社会の実現に向けて、ICTを活用し、健康データをもとにした健康促進のまちづくりが行われています。
具体的には、「健幸ポイント」を使った市民の歩数計測や移動データを取得し、市民の健康状態が可視化できるとともに、交通環境や公共・商業施設の整備に関する情報を取得できるでしょう。冬季になると、交通面も健康面も不安定になりがちな札幌市ならではの施策です。
五つ目は、兵庫県加古川市の加古川スマートシティプロジェクトです。
加古川市では、少子高齢化や犯罪件数に悩まされていました。加古川市は、プロジェクト開始前、犯罪件数は県の平均を上回っており、認知症の方の俳諧も問題として挙がっていました。
そのような状況の中で、加古川市は高齢者や障がいのある方にも優しい、市民に向き合った安心・安全な街づくりによってスマートシティを目指しています。具体的には、見守りカメラや見守りサービスといった、高齢者や子どもの安全を確保するための施策や、高齢者や障がいのある方がいつでも交通手段に関する情報を確保できる環境づくりを、市民とともに行っています。
市民を中心として、安全安心な街づくりに向けて、加古川市は取り組んでいます。
六つ目は、香川県高松市の、スマートシティたかまつです。
高松市では、災害の対策や観光などの地域活性化に向けてスマートシティ計画に取り組んでいます。防災に関しては、IoT技術などを活用した市民全員が確認できるプラットフォームを作り、データを収集して避難所情報や水位などを発信できるようにしました。
それにより、市民全員が迅速な情報確認と行動ができ、災害被害を減少できています。地域活性化に関しては、市街地の通行料をデータ化し、オープンデータとしての公開や、キャッシュレスでの購買情報を事業者が確認して新商品やサービスの参考にできるようになっています。
高松市では、市民全員がデータの活用によって、デジタル社会の恩恵を享受できることをめざした取り組みをしています。
七つ目は、長野県伊那市のスマートローカルです。
伊那市では、高齢化に悩まされており、生活インフラの確保が難しい状態にありました。そこで、最新技術を駆使した生活インフラの確保が高齢者でもできるような施策をとりました。
具体的には、テレビのリモコンで食料品などを注文し、ドローンが当日配送してくれる「ゆうあいマーケット」という制度を導入しました。さらには、自動配車が可能なタクシーや移動診療車の導入により、山に囲まれた伊那市でも、高齢者が生活インフラを確保できるようになりました。
伊那市では、最先端技術を駆使した、高齢者も生活しやすい「スマートローカル」を目指しています。
八つ目は、福岡県福岡市のFUKUOKA Smart EASTです。
福岡市では、少子高齢化などのまちづくりに関する課題に悩まされていました。そこで、市民のニーズをもとにした最先端技術の導入によるスマートシティ計画に取り組みました。
具体的には、生活水準の向上のために自動配送や自動運転バスの導入や、開国人居住者のための災害情報を自動翻訳して提供するシステムを導入しています。さらに、九州大学と連携したプロジェクトでもあり、世界レベルの教育拠点を想像するとともに跡地には多様な都市機能の誘導を図っています。
福岡市では、市民のニーズをもとにした社会貢献の実現を目指しています。
九つ目は、埼玉県さいたま市の、スマートシティさいたまモデルです。
さいたま市では、市民生活の向上を目指してスマートシティ計画に取り組んでいます。具体的には、データ、モビリティ、エネルギー、健康、コミュニティの5分野を中心とした取り組みが行われており、AIやIoTを活用した社会問題の解決や生活向上につながるサービスを提供しています。
さらには、人とのコミュニティの形成と先端技術の活用によって、快適な都市生活の提供を目指しています。さいたま市では、先端技術の活用による市民の生活向上やコミュニティの形成、地域活性化を実現しているでしょう。
最後は、千葉県柏市の、柏の葉スマートシティです。
柏市では、少子高齢化や経済、エネルギー問題などの世界中が抱えている問題を解決するために、スマートシティ計画に取り組んでいます。具体的には、ライフサイエンス、モビリティ、エネルギーの3カテゴリに注力した施策。
大きな取り組みとして、民間と企業が連携してプラットフォームを活用し、まち全体がオープンイノベーションの場となるための様々な施策が行われています。柏市では、公・民・学の連携によるスマートシティ計画を進めています。
スマートシティ化は「行政主導型」と「エリアマネジメント型」の2類型にわけられ、前者は市民生活の向上をミッションとする地方公共団体などにより牽引されるスマート化を、後者は地区の価値向上を目的に民間の地域まちづくり団体が参入するスマート化を対象とします。
スマートシティ計画が実施されているのは、日本だけではありません。
海外でも様々な国で施策がされているのです。
そこで、今回は以下の5か国のスマートシティ事例を紹介します。
それでは、一つずつ詳しく紹介します。
一つ目は、シンガポールのSmart Nation Singaporeです。
シンガポールは、世界に先駆けて「スマートシティ国家」を目指している国として広く知られています。そんなシンガポールは、99%の政府サービスをデジタル化してデジタル革命を先取りし、国民の生活、仕事、遊び方を効率的で便利に変革しています。
具体的には、電子決済の浸透や政府のe-サービスへのアクセス許可、交通や防災情報を確認できるシステムの提供などが行われています。人材育成の環境が整っているシンガポールは、イノベーションをはじめとしたスマートシティ計画の先陣をこれからも切っていくでしょう。
二つ目は、アメリカ・ニューヨークのLinkNYCです。
ニューヨークでは、既存の公衆電話を現代の通信ネットワーク「LinkNYC」に置き換え、ネットワークのホットスポットにする取り組みがされています。公衆電話を、ギガビット通信を提供するキオスクへと置き換えることで、人々はいつでもネットワークが利用可能となり、加えてスマートバンキングなど様々な機能も利用可能になります。
インターネットアクセスの確保によって先進的なアプローチをし、市民の生活だけでなく観光客の旅も豊かにしているといえるでしょう。
三つめは、中国・杭州のET City Brain。
杭州では、主に交通問題の解決に向けたスマートシティ計画が実施されています。道路にAIを活用したカメラを設置することで交通量を把握し、信号の制御や渋滞、事故の検出が可能となります。
それによって、交通事故の減少や、緊急車両の到着が平均して15分以上早くなるといった事例が出ており、効果が発揮できています。人口が多い中国ならではの、公共サービスの効率化を目指した取り組みがされているといえるでしょう。
四つ目は、スペイン・バルセロナのBarcelona Digital Cityです。
バルセロナでは、データ駆動型テクノロジーを活用したサービスを展開し、都市の効率と市民の生活向上を目指しています。具体的には、5G技術の活用やWi-Fiの整備、スマートパーキングなどの渋滞緩和、イノベーション促進に向けた取り組みが行われています。
加えて、バルセロナでは、市民が意思決定に参加できるデジタル参加のプラットフォームを用いており、市民が望む街づくりにも力を入れているといえるでしょう。
五つ目は、台湾の、Smart City Taiwanです。
台湾では、地方自治体と市民の課題の解決や、業務連携の促進を目指したスマートシティ計画が行われています。
具体的には、交通や建築、医療などの分野での取り組みが行われており、スマートパーキングや一人暮らしの老人のオンラインケアが施策されています。加えて、2025年までには全体の2割を再生可能エネルギーにする目標を掲げており、将来を見越したインフラ計画の設計も行っています。
ここまで、スマートシティの成功事例を紹介してきましたが、次は失敗事例を紹介します。
スマートシティの計画は世界中で取り組まれていますが、すべてが成功しているわけではありません。
今回は上記の二つの失敗事例を紹介します。
一つ目は、カナダ・トロントのIDEAです。
トロントのIDEAでは、Googleの技術を利用したスマートシティ計画が構築されていました。具体的には、市民のデータを収集することで、快適な都市を創造、効率的に運営することを目的としている計画でした。
しかし、市民からプライバシー侵害に関する声が多く上がったことや、コロナによる経済状況の悪化によって中止せざるを得なくなりました。スマートシティを実現させるためには、市民との信頼関係を築かなければなりません。
IDEAの失敗事例や、他の成功事例からもわかるように、スマートシティを成功させるためには住民の理解や協力がとても重要といえるでしょう。
二つ目は、ポルトガルのPlanIT Valleyです。
この施策は、ICT技術を活用して都市インフラをリアルタイムで制御し、「ポルトガルのシリコンバレー」を目指して計画していました。しかし、計画を進めるにつれて自分たちの計画ばかりに目を向けるようになり、市民の生活の質向上にはあまり目を向けていませんでした。
その結果、市民から賛同者が集まらなかったため、計画は失敗に終わってしまいました。PlanIT Valleyの失敗事例や他の成功事例からもわかるように、市民のニーズに合わせたスマートシティ計画を立てなければなりません。
スマートシティとのかかわりで覚えておいていただきたいデータ関連用語が「都市OS」です。
都市OSは実際に行政職員や都市住民が利用するアプリケーションや、ほかの都市OSへデータを提供することができるデータの蓄積・分析プラットフォームのことです。コンピュータの機能とユーザをつなぐWindowsやMac、LinuxといったOSのように、都市のデータとそのユーザーをつなぐのが都市OSです。
さらにAPI連携により都市間を容易につないだり機能を応用できるようにしたりすることで、スマートシティの先にあるSociety5.0の構築を見据えています。先の例で挙げた会津若松市で導入されている都市OSが「会津若松+」です。
キャッシュレス決済や電子レシートの取得、ワクチン接種記録確認などを提供しながら購買記録データを取得できるアプリ「会津財布」も、会津若松+のIDを活用しています。さらに会津若松市では、会津若松駅からのタクシー移動における“あい乗り”をマッチングする実証実験に「会津財布」が使われており、都市OSという基盤の上にアプリケーションが生まれ、アプリケーションが新たなサービスを可能にする好例となっています。
スマートシティの計画を実現させるためには、様々な課題を乗り越える必要があります。これらを考慮できなければ、失敗事例のようにスマートシティの実現ができません。
スマートシティ実現への課題として、以下のことが考えられます。
それぞれ詳しく解説します。
一つ目は、住民参画に関する課題です。スマートシティの実現には、住民が関わる場面が多く存在するため、理解や参画が欠かせません。
先ほど述べたポルトガルのPlanIT Valleyは、実際に住民の理解が得られずに失敗している事例として紹介しました。技術が進展していくにつれてデジタル化が進み、多くの層からの理解を得ることは難しくなりますが、誰もが参画できる計画を構築しなければなりません。
二つ目は、コストに関する課題です。
スマートシティ計画を進めるには、最先端技術の導入やインフラの整備などが必要となるため、多くのコストがかかってしまいます。加えて、導入する際だけでなく、維持するためにもコストがかかるため、長期的なコスト対策が必要です。
コストは、自分たちだけでなんとかできる訳ではなく、関わる企業や公共施設などの承認も必要となります。そのため、コストをかけすぎないようにスマートシティ化のビジョンを明確にし、コストを考えることが求められます。
三つ目は、プライバシーに関する課題です。
スマートシティの実現には多くのデータが必要であり、そこには住民のデータも多く含まれます。しかし、収集されたデータの中には、行動の履歴などの知られたくないと感じる情報も多く含まれているでしょう。
そんなデータの収集に対して不安があれば、住民からの理解は得られません。紹介した失敗事例のうち、トロントのIDEAもプライバシーの観点から計画が中断されています。プライバシーの確保ができなければスマートシティ化は実現できないため、厳重なセキュリティやデータ管理が必要となります。
四つ目は、都市機能の停止に関する課題です。
スマートシティの計画は、ほとんどがデジタル技術を介したオンラインやネットワーク上で行われます。そのため、サイバー攻撃やシステムトラブルによって、都市機能が停止してしまう可能性があります。
都市機能が停止してしまうと、交通や経済など、都市の基盤に大きな影響を与えてしまうことに加え、情報の流出なども起こってしまうかもしれません。そのため、都市機能が停止しないように予防メンテナンスやセキュリティの強化をあらかじめし、万が一機能が停止してしまった場合は、迅速な対応が求められます。
スマートシティの計画を失敗で終わらせないために、実現させるためにはどのようなことを意識するべきなのでしょうか。
ここでは、スマートシティを実現させるためのポイントを4つ紹介します。
一つずつ詳しく紹介します。
一つ目のポイントは、住民の参画です。
住民の参画やコミュニケーションはスマートシティの課題でも取り上げましたが、スマートシティ化を進める際に必要不可欠であり、とても重要なポイントとなります。積極的な住民の参画によって、長期的なスマートシティの構築が可能となるでしょう。
そのために、オンラインイベントやオープンハウス等の目に見える活動から住民の理解を得るとともに、住民の声も反映することが求められます。
二つ目は、AIの活用です。
現代では、日常生活でも多くの場面でAIが活用されていますが、スマートシティ化においても重要なポイントとなります。AIを利用することで、人間の代わりに瞬時の判断や物事の認識など、今まで力の及ばなかったことが可能になります。
さらに、交通や教育、医療などの様々な分野において活躍できるため、スマートシティの計画で必要となってくるでしょう。
三つめは、通信ネットワーク技術の活用です。
スマートシティ化において、情報伝達の基盤となるのが、通信ネットワーク技術です。システム連携やデータ収集などの様々な場面において必要であり、Wi-Fi環境だけでなく、今では5G環境の整備も求められるようになっています。
人々の暮らしを快適にし、都市機能を高めるためにも、通信ネットワーク技術は重要なポイントといえるでしょう。
四つ目は、センシング技術の活用です。
センシング技術とは、センサーを用いて多くの情報を収集し、処理することで情報が手に入るシステムです。スマートシティ化では、交通や防災問題など、目に見えない情報が多く必要となります。
そんな中、センシング技術によって目に見えないものを数値化し、都市運営やサービス提供が効果的に行えるでしょう。センシング技術を導入すれば生活の質が上がるだけでなく、安全性や安心性も高まるため、スマートシティの実現において重要なポイントとなっています。
スマートシティとは何かについて、政府資料や具体例を用いながらご紹介してまいりました。
2022年3月にはスーパーシティ型国家戦略特区につくば市及び大阪市が、デジタル田園健康特区(仮称)に吉備中央町、茅野市、加賀市が指定され、より大胆なスマートシティの実験が進められようとしています(スーパーシティについて詳しくはコチラ)。
スマートシティの実験結果が整えば、都市OSの相互連携を利用して、全国で一気に変化が加速するでしょう。だからこそ、今先行する取り組みを知っておくことに意味があるのです。
(宮田文机)
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