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同じデータを見ているはずなのになぜっ!?天気予報士によって明日の天気予報が違うのには理由があった!

         

梅雨の季節真っ只中ですが、いかがお過ごしでしょうか?

傘を持っていくべきかどうか迷ったのでテレビの天気予報を確認すると、番組によって雨だったり、曇りだったり。結局、傘を持っていくべきかわからずじまい。あげく、持っていくと降らないし、持っていかないと降る、なんてことになったり。。。

でも、気象予報士は皆同じ資格を持ち、同じデータを見ているはずなのに、なぜ予報が異なるの?と不思議に思ったことはありませんか?ということで今回は、この謎に迫ってみます。六月のテーマ「雨」の記事第二弾になります。

番組によって天気予報が異なる理由

実は昔は、どのテレビチャンネルも同じ予報を発表していました。

1993年に「気象業務法」が改正されるまでは、天気予報を作成するのは気象庁のみで、民間の気象事業者には許可されていなかったのです。気象庁が発表した情報を提供するのも、財団法人日本気象協会が独占していたため、放送局ごとに内容が異なるということはありませんでした。

しかし気象業務法が改正され、「天気予報の自由化」が行われて以降、気象庁長官の許可を得れば気象庁以外の人や会社でも一般利用者向けの天気予報を独自に発表することができるようになりました。そのため、テレビ局ごとに予報を決める会社や気象予報士が異なり、それぞれ独自の予報を発表するようになったというわけです。この許可を受けた人・会社を「予報業務許可事業者」と言います。

ニーズに基づいた天気予報

気象庁は都道府県をいくつかに分割したエリアに対する天気予報を発表しています。それに対し、予報業務許可事業者は様々なニーズに合わせた天気予報を発表しています。例えば、
ピンポイント予報などはその例です。気象庁の情報では得られない、生活に密着した情報を提供することができるようになりました。最近ではインターネットでも気象庁発表以外の天気予報を見ることが多くなりましたね。

天気の表現が違うことも

気象会社によっては、天気の表現が異なる場合もあります。例えば0.5ミリの雨が降った場合、それを「雨」とするか「曇り」とするかは気象会社によって異なります。データとしては同じ結果になったとしても、表現の仕方が違うこともあるのです。このように、天気の表現によって予報に差が出るということもあります。

天気予報をうまく使い分けるには?

テレビに限らず、メディアによって誤差が表れてしまう予報。どのように天気予報と付き合えばいいのでしょうか? 気象予報士の増田雅昭さんのコメントがNEWSポストセブンに載っていましたので引用します。


「複数見ることです。2つ3つチェックすることで、カブった予報は確度が上がりますし、もし晴れ、曇り、雨と3つの予報に分かれてしまったら、どちらにも対応できるように準備して出かけるといいですね」

天気予報 気象庁とウェザーニュース、微妙に違うのはなぜ?│NEWSポストセブン


例えば、テレビや新聞だけではなく、スマホなどで随時天気予報をチェックし、もし1つでも雨の予報が出ていたら折り畳み傘を持って行く、という形で準備しておくと良さそうです。

まとめ

気象庁の天気予報を各局が放送しているだけだと、そこに競争が生まれないので天気予報に革新が生まれません。1993年の気象業務法改正以来25年が経過し、気象会社はそれぞれ工夫を凝らして面白くためになる情報を提供してきました。「ポイント予報」や「雨雲レーダー」などは革新的でしたね。今後も、天気予報に起こるイノベーションが楽しみです。

急な土砂崩れや竜巻など、天気予報でも予測しにくい異常気象が増えています。こういった災害を近い将来予想できるようになれば、さらに天気予報への信頼度が高まるものと思われます。単に明日雨が降るかどうかだけではなく、防災・減災のできる天気予報の実現に期待です。

雨関連の記事をもっと読みたい方はこちらからどうぞ。

参考URL:
番組によって天気予報が違うのは何故_ - お天気教室 _ お天気.com
気象庁広報誌 _ こんにちは!気象庁です! 平成25年12月号
天気予報、見るところによって違うのはなぜ?(増田雅昭) - 個人 - Yahoo!ニュース
天気予報 気象庁とウェザーニュース、微妙に違うのはなぜ?│NEWSポストセブン

(安齋慎平)

 

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