2019年11月22日、プリンス パークタワー東京にてウイングアーク1st主催のカンファレンスWAF 2019|WingArc Forum 2019(以下、「WAF 2019」)が開催されました。今回のテーマは「UPDATA!」。データで組織やヒトをアップデートする示唆に富んだセッションや展示が行われました。
ウイングアーク1stのユーザーコミュニティ「nest」は、発足から1年半が経ち、データ活用を推進するユーザーの輪はますます広がりを見せています。
活動の中では貴重な情報交換の他、成功事例・失敗事例から得た経験・知恵が共有され、各企業での成果向上を促す場に成長していることを実感しています。そんなnestのワーキンググループの「MotionBoard(以下、MB)マイスターになろう!」の中心メンバーを招き、nestへの参加経緯、そして日頃の活動の成果についてお話を伺いました。
三谷:そもそもお2人がnestと関わるようになったきっかけは?
六信:かねてからコミュニティ活動に興味があり、関連書籍を読んだり、人の話を聞いたり、イベントに参加したりしていました。しかし「コミュニティって何ぞや?」という問いに対する明確な解答がなかなか得られずにいました。ならば自分が実際のコミュニティに参加し、その答えを探してみようと思ったのがきっかけです。また、当社でMBの社内運用を進めていく中で、社内的な教育を施していくのにもnestを活用できると考えました。
吉原:何らかの製品・サービスを社内導入したのはいいけれど、「いまひとつ使い方が分からない」「運用が広がらない」などの理由から「化石化」してしまうというのは、企業の「失敗あるある」だと思います。かつて営業職だった私が、システム部門に異動して初めて導入したのがMBで、ウイングアークのトレーニングプログラムに参加していました。そこでMBの使い方をある程度まで習得できたので、今度は定着のさせ方などの情報を得たくInfothon U34(34歳以下の若手が5人1組になり、MBを活用しながら課題解決を目指すワークショップ)に参加。その後nestが発足したため、継続して関わることによる情報の取得を期待して引き続き参加しています。
三谷:吉原さんにとってnestはどんなコミュニティですか?
吉原:会社主導のコミュニティに参加するとインプットすることが多くなりますが、nestはユーザー主導なので、体験談・失敗談・悩み事・成功談などを気軽にアウトプットすることができるコミュニティだと思います。Facebookのなかにもnestのコミュニティページ WingArc User Group & Community NEST ★メンバー限定★ があるのですが、そこではデータに関するメンバー各人の悩み事などが投稿・発信され、それに対するアンサーもウイングアークの社員ではなく、nestメンバーが出しています。質問も回答も気軽にユーザー同士で発信し合っているんですよ。
三谷:オフライン活動でもユーザーが実際に集まって学び合う活動が継続されていますよね。
吉原:はい。「MBマイスターになろう!」東京コミュニティの例でいえば、オフラインのイベント開催に当たって、参加者のアンケートを基にコアメンバーが企画を練っています。会社主導だと企画は一方通行になりがちですが、それがありません。参加者側・運営側が双方向であることが大きな特徴です。
三谷:(イベント中の写真を示しながら)イベントでの登壇というマイルストーンができたことで、定着せずにほったらかしになっていたMB活用が再び動き出した、というメンバーもいました。六信さんはいかがでしょうか?
六信:常々感じているのは、nestには共通の価値観があるということです。ウイングアークの製品を使いこなすこと自体がゴールではなく「データ活用によって、何かしら世の中をよくしていきたい」という共通の価値観がゴールとして共有されています。
また、社外にこうした修練の場を持つことで、データリテラシー向上を果たせると私は考えています。つくづく思うのは、人というのは無意識に前提にとらわれてしまう生き物だということです。MBのようなシステムの社内導入などに関しても、自社事業におけるデータ活用だけに視野を狭めがちだということ。しかしnestのコミュニティには業種・職種も実に多様なメンバーが集まりますから、自社の事業の枠組みにとらわれられない、自由発想での活用方法を考えていけると思います。
三谷:六信さんの考えるデータリテラシーとは?
六信:単に「知識」ということではありません。知識ならウイングアークのカスタマーサポートで十分かもしれない。私が考えるデータリテラシーは、ユーザー同士が刺激を与え合い、枠組みを取っ払いながら考えることで得られる「発想と知恵」のことでしょうか。ここで得た発想と知恵は、会社に戻って活用していけるもの。そうした意味でも大事なのは「価値観」なのではないでしょうか。
三谷:コミュニティと関わって得られた気づきや変化はありますか?
吉原:nestは「データで世界を笑顔にする」というビジョンを掲げています。参加メンバーは共通してその想いを持っていますが、想いがあってもどういう行動をすればよいのか分からないものです。しかしnestには、そんな迷いに対して「こういうアクションをしてみては?」と支援するメンバーがかなり大勢いらっしゃいます。とにかく「ギブ」(与える)の精神が強くて、私もnestに入ることで大きな刺激を受けました。
三谷:例えばご自身にどんな行動変容がありましたか?
吉原:自分のできることを考えた末、極力アウトプット(情報や考え方の提供)をし続けて、コミュニティに貢献していきたいと考えるようになりました。アウトプットを意識すると何かのイベント参加の時も、登壇者のプレゼン内容・手法に注目するようにもなり、それが貴重なインプット(情報や考え方の吸収)にもなった。プレゼンのスキルがかなり磨かれたと感じますし、会社での「見られ方」もかなり変わったと思います。コミュニティ参加が自分のブランディングにつながったかもしれません。
三谷:データ活用という主たる目的だけでなく、ご自身の変化もあった……。これはなかなか興味深い視点ですね。六信さんはいかがですか?
六信:いわゆるビジネスセミナーは基本的にインプットだけ。他方でコミュニティはインプットとアウトプットが混ざり合う場です。MBのような素晴らしいサービスを学習することも大事ですが、決まりきった枠組みを打破するバウンダリレス(境界がない状態のこと)の体験はかなり貴重です。特に1つの会社に帰属する人が多い日本の慣習では、こうしたコミュニティの存在は稀少だと思います。
三谷:六信さんにはどんな変化がありましたか? 例えば先ほどの話にもありましたが、nestではFacebookコミュニティがあり、六信さんはかなりの頻度でデータ活用に関する投稿をされています。もともとこういった情報発信はされる方でした?
六信:決してそんなことはないですね。私自身も「データ活用で世の中をよくしていける!」と考える1人であり、「データがもたらす可能性」をとことん追究していきたい。同じ価値観を持つ者同士だからこそ、自分の考えや気付きを発信することで、ポジティブな反応が返ってきて、より考えを深められる。どこでも発信するわけではなく、ここだからこそ積極的に発信するようになりました。
三谷:最後の質問です。nestを今後どうしていきたいですか?
吉原:気軽に誰でも参加できるコミュニティにしていく、まずはそれが第一歩でしょうか。そしてその次の一歩が、アウトプットをすること。もっともっとアウトプットをしやすい環境をつくっていきたいと考えています。さらに先の展望としては、nestの参加者が各々で情報交換会のような局所のコミュニティが自走してくれるといいなと思っています。すでにそのための活動も始まっていますが、他のコミュニティとも情報交換を行い、その架け橋にもしていきたいです。
六信:世界観を共有するような機会を増やしていきたいです。ヤフーCSOの安宅和人さんは「AIや機械に負けない、人間だけが持つ唯一の能力は妄想力」であると発言しています。その妄想力が、日本が世界を舞台に勝負するときのキーポイントになるとも……。そういう意味では、人の妄想力を育みながら世界観も共有して広げていく、そんなコミュニティにしていきたいですね。
三谷:「妄想コミュニティ!」 いいですね(笑)。本セッションでnestコミュニティのメリットをお分かりいただけたと思います。もしこの価値観にご共感いただけたならば、nestはいつでもウェルカムの状態。新たな参加者をお待ちしています。本日はどうもありがとうございました。
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