日本では「若者のビール離れ」などと言われ、ビール消費量が減っているイメ―ジがあります。キリンが調査したデータによると、2016年の世界の国別一人当たりビール消費量では、日本はなんと54位。しかもこれはビールだけではなく、発泡酒や新ジャンルを含めての消費量であり、ビールだけに限るとさらに順位が下がるのではないかと思われます。
そんなビール離れが進む日本ではありますが、世界の国々の生産量・消費量はどうなっているのでしょうか? 今回は、ビールの国別生産量・消費量ランキングを見てみることにしましょう。
ドイツといえばドイツビール。「レーベンブロイ」「プレミアムピルス」「ケルシュビール」なんかはよく目にすると思います。ミュンヘンのビール祭り「オクトーバーフェスト」は、日本各地で開催されるようになりましたね。
メキシコといえば、やはり「コロナビール」ですね。スーパー等に置いてありますので、目にしたことのある人も多いと思います。楽天市場の輸入ビールランキングで1位(2018年6月30日現在)を獲得するほど、日本で馴染みのあるビールです。
なかなか知られていないですが、ブラジルはビール生産量第3位。「スコール」「オリジナル」といったビールが有名ですね。しばしば「ブラジルのビールはキンキンに冷やす」と言われますが、ブラジルではビールを冷蔵庫ではなく、冷凍庫に入れ、凍る寸前まで冷やすそうです。
アメリカのビールといえば、「バドワイザー」「ブルームーン」あたりでしょうか? ハワイの「コナ」もありますね。アメリカはピルスナーが主流で、軽い喉越しのものが多いため、日本人の口に合いやすいです。
中国は世界最大のビール生産量を誇ります。「青島ビール」を飲んだことのある人も多いのではないでしょうか。中国もピルスナーが主流で、日本人好みのビールが楽しめます。中国三大ビールに選ばれているのは、「青島ビール」のほか「燕京ビール」と「珠江ビール」です。
実はロシアでは、2012年にビールの広告が禁止されました。さらに増税の影響もあり、ロシアにおけるビールの消費量は落ち込んでしまいます。しかし2014年にロシア下院が、スタジアムおよびスポーツ中継でビールを宣伝することを許可し、ビールの広告が解禁されました。この背景には、2018年FIFAワールドカップ・ロシア大会があるものと見られます。
ドイツでは国民のビール離れが進んでいます。その要因としては、ワインを飲む習慣が広がっていること、仲間同士でビールを飲むことが少なくなったことなど、国民のビールに対する意識の変化があるようです。とはいえ、ビールに関する祭りは国民生活に根付いており、それゆえビール消費量4位という結果になっているものと思われます。
ブラジルは消費量3位。これに対して、2016年の国別一人当たりビール消費量を見てみると、実は31位。これは同国の景気後退によるものであると、サンパウロ新聞は報じています。しかし、クラウトビールのブームによって、ブラジルのビール醸造所は2015年から2018年までの3年で2倍になりました。今後、ブラジルのクラフトビールに注目です。
かつて、世界で最もビールを消費していたアメリカでしたが、今は中国に抜かれて2位。しかしながら、3位のブラジルにダブルスコアで勝っているところを見ると、まだまだビール大国なのだと感じます。アメリカでは個性的な味を好む若年層を中心に、プレミアムビールやクラフトビールの人気が高まり、輸入ビールの販売量が伸長しているそうです。
中国は2003年から14年連続で1位。市場の成熟や中国ほぼ全域での夏場の天候不順、中高級レストランでのビール消費低下などの影響で3年連続のマイナスとなりました。一方、若者のお酒への関心の高まりや、インターネットでお酒の販売が普及したことで、ビールの飲用率自体は増加しています。
この順位を見てみると、中国がいかにビールを生産・消費しているのかわかります。2位のアメリカと比較すると、その差は歴然ですね。
ぜひお酒の席のネタとして、この記事のランキングを使ってみてはいかがでしょうか?
(安齋慎平)
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