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第9話|集中討議開始 by AI事務員宮西さん–データ組織立ち上げ編

「AI事務員宮西さん」とは?

AI事務員なだけにAI生成画像を使って作っていて、AIデータについて書いた漫画です。保険会社で事務員として働く宮西さん。勤めている保険会社もこれからはAIの時代だとデータ部門の新設を行うことになりました。なぜか事務員の宮西さんが配属されることになり、データ組織を立ち上げるまでの話です。同じようにデータ組織を立ち上げる事を考えている人に入門書として書いてます。それでは本編をご覧ください。

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登場人物

宮西 京華(みやにし けいか)
保険会社で事務職をやっているデータマネジメント担当。歌い手動画を見るのが好き。

松田 紗友里(まつだ さゆり)
マーケティングが専門でSQLが得意。データ分析担当。ゲームやアニメが好き。

吉田 剛士(よしだ たけし)
専門はシステムだけどジェネラリストデータ基盤の構築担当。新しい技術を試してみるのが好き。

今林 健介(いまばやし けんすけ)
新設のデータ活用推進部署の部長。おいていかれないように勉強中。ゴルフや登山が好き。



作者|西宮さんより解説

データマネジメント解説、連載の第九回が始まりました。
今回の話はキックオフも終わり、いよいよ組織として活動を開始します。
組織としての軸を決めるために集中討議をおこなったときの話です。

・・・・・

会議室に入ると、すでに吉田さんと松田先輩が作業を進めていた。机の上には分厚い資料やホワイトボードが準備されている。
ホワイトボードには「MVV策定集中討議準備」とだけ書かれ、まだ空白のスペースが大部分を占めていた。

少し緊張しながら椅子に座り、「おはようございます」と控えめに声をかけたが、二人とも忙しそうに手を動かしている。
吉田さんはホワイトボードに向かいながら、スケジュール案を練っているようだった。
手元のメモに視線を落としながら軽く挨拶を返してくれたが、すぐに作業に戻っていく。松田先輩は資料の束を手際よく整理し、その内容を確認している。

私は何をやればいいのかわからず、ただ座っているしかなかった。この場で自分がどんな役に立てるのか想像もつかず、気持ちばかりが焦る。
それでも、立ち上がって何かを探そうとする勇気も出ないまま、二人の手元をぼんやりと見つめていた。

そんな私に気づいたのか、松田先輩が手を止めて、ホワイトボード用のカラフルなマーカーを差し出してきた。
使いやすいように色ごとに並べておいてほしいということだった。これなら私にもできる。
そう思うと、少しだけホッとした。慌ててマーカーを受け取り、机の端に場所を確保して手を動かし始めた。

インクの残量を一本ずつ確認し、使えないものを取り除いて、色別に整えていく。単純な作業ではあるけれど、自分にも貢献できることがあるという事実が少し嬉しかった。
これで準備が少しでもスムーズになるなら、それだけで十分だと思えた。

作業を終えてマーカーを戻すと、松田先輩がにっこり微笑みながら「助かったわ」と言ってくれた。
その一言が胸に染みるように響いた。この部署で自分に何ができるのかはまだ分からないけれど、小さなことから役に立てるのだと思えるだけで心が軽くなった。

初めての集中討議の準備は、まだ慣れないことばかりだった。でも、小さなことでも役に立てたという実感が得られたのは大きかった。
きっとこれからもっと忙しくなるだろう。それでも、今の自分を少しだけ褒めて、前を向くことにした。

・・・・・

どの組織も、活動を進める上で「MVV」が重要な意味を持ちます。それは、MVVが組織の「核」を定める作業だからです。
MVVとは、Mission, Vision, Valuesの頭文字を取ったもので、Missionは「何のために存在するのか」、Visionは「どこを目指すのか」、Valuesは「どんな価値観で行動するのか」を表します。

MVVを明確にすることで、組織として進むべき方向を定めるだけでなく、メンバー間の意識を統一することが可能になります。
プロジェクトや組織が動き出す最初期に、この作業を行うことが重要とされるのです。

MVVがしっかりと定められることで、メンバー一人ひとりが自分は組織のために何をすべきかを理解しやすくなり、それがモチベーションの向上にもつながります。

MVVを策定する作業を日常業務の中で少しずつ進めるのは、現実的には難しい場合が多いでしょう。
なぜなら、MVVの策定には、メンバー全員が同じ時間と空間を共有し、集中して議論する必要があるからです。

MVVを集中的に策定するというプロセスを通じて、組織にとって本当に必要な要素を絞り込むことができます。
さらに、全員がこの議論に参加することで、チームとしての一体感が生まれ、方向性に対する共通理解が深まるのです。

宮西さんたちが取り組む集中討議も、このような意義を持っています。こうしたプロセスを経ることで、MVVは単なる形式的な文言ではなく、実際に組織の未来を形作る基盤となるものになります。
だからこそ、MVVの策定は慎重かつ真剣に行われるべきです。それは、組織全体の成功に向けた第一歩と言えるでしょう。

よしむら@データマネジメント担当
IT業界、金融業界、エンタメ業界でデータマネジメントを担当した経験を持ち、現在もデータマネジメント担当している。データマネジメント業界を盛り上げるために、経験を通して得た知識の発信活動を行っている。


本記事は「よしむら@データマネジメント担当」さんのデータマネジメントを学べることをコンセプトの4コマ漫画「AI事務員宮西さん–データ組織立ち上げ編」のコンテンツを許可を得て掲載しています。

 
 

特集|AI事務員宮西さん(データ組織立ち上げ編)

保険会社で事務員として働く宮西さんは、会社がAI時代に対応するために新設したデータ部門に突然配属されました。事務員からデータマネジメントのリーダーへと成長していく宮西さんの奮闘記を描いた物語。

本シリーズ「データ組織立ち上げ編」では、宮西さんがデータ利活用組織を立ち上げるまでの挑戦を描きます。IT業界、金融業界、エンタメ業界でデータマネジメントを担当した経験を持つ著者「よしむら@データマネジメント担当」さんが豊富な経験を基に執筆しています。データ組織の一員の皆様には、ぜひご一読ください。

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