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令和2年度の男性の育児休業取得者の割合は、12.65%となり、前回調査の令和元年度 7.48%より5.17ポイントと大幅に上昇した。(令和2年度雇用均等基本調査|厚生労働省)
制度としては存在するもののなかなか使いづらいものの一つが男性の育休です。
最近では、育休を取った男性社員が企業側から不当に転勤や配置転換を言い渡される「パタニティ(父性)・ハラスメント(パタハラ)」に関するSNS上での告発も頻発。
そうした現状を前に、最近では、男性の育休の義務化の声も広がっています。一方で、先日ユニセフが発表した「先進国における家族にやさしい政策ランキング」で男性が6ヶ月以上育休を取得できる唯一の国として日本の名前が挙げられました。
充実した制度と非対称的に「男性は育休が取りにくい」という認識はなかなか変化しないのは何故なのでしょうか?
そこで、今回は、男性の育休に関する様々なデータで観察することで男性の育休のイマと今後に向けた課題について考えていきます!
まず、日本の育児休業制度がどのようなものなのか、解説していきます。
日本では、法律上の親子関係があるまたは、それに準ずる関係にある場合、子どもが1歳になるまでの1年間、育児休業を取得できます。その期間、会社員で社会保険に加入している場合は、育児休業給付金が支給されます。金額は、休業6ヶ月までは賃金月額の67%が、以降は50%が支払われます。また、この時の賃金月額の上限は44万9700円となり、育児給付金の上限は30万1299円(6ヶ月以降は22万4850円)となります。
2010年には、「パパ・ママ育休プラス」という制度が生まれ、以下の条件を満たした場合、育休期間を最大2ヶ月(子供が1歳2ヶ月になるまで)引き延ばすことができます。
また、子ども一人当たりの育児休業は原則一回ですが、以下の条件を満たして父親が育児休業を取得した場合には、特別な事情がなくても、再度、育児休業が取得できる「パパ休暇」という制度もあります。
さらに、子どもが認可保育園に入所できなかった場合や、子どもを養育する予定だった人が病気や怪我など様々な理由で養育できなくなってしまった場合は、半年ごと、最大2年まで育児休業期間を延長できます。
では、他国と日本の育児休暇制度を比較してみましょう。
ユニセフが先進国31カ国に調査を行った「先進国における家族にやさしい政策ランキング」によると、最大限の育児給付金が給付される父親の育児休業期間は、日本が30週間でトップでした。
さらに、育児給付金を受給できる父親の育児休業期間についても、日本は最大1年(52週間)と韓国に次いで二番目に長くなっています。
ちなみに、「国際比較から見る日本の育児休業制度の特徴と課題」という資料(2014年)によると、この最大限の育児給付金額の水準は日本とドイツが67%、ノルウェーとポルトガルが共に100%、スウェーデンが77.6%となっています。
一方で、日本、ドイツ、スウェーデン、ノルウェーの男性育休取得率は以下のようになっています。
出典:「国際比較から見る日本の育児休業制度の特徴と課題」、「男性の育児休業取得促進事業(イクメンプロジェクト)」、「父親の育児休業取得率、34.2%:労働政策研究・研修機構」、「Why Swedish men take so much paternity leave:The Economist」
こうしてデータで見てみると、日本の育休取得率の圧倒的な低さがわかります。
また、育休の期間をむやみに伸ばすよりも、育児給付金の金額をあげた方が取得率は高くなるように感じられます。
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