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画像を使った記事やSNSコンテンツを作成する必要にかられることは今や誰にでもありえます。自分でアイキャッチをつくる必要があるけれどスキルや予算が不十分……といったケースも増えているでしょう。

そこで頼りになるのがAIが自動で画像の切り抜きや高解像度化、着色といった作業を行ってくれる無料・低価格のサービスです。

本記事ではそれらのサービスを目的別に紹介し、その背景にある画像認識技術の発展についても少し解説いたします。

画像を一瞬で切り抜き【remove.bg、Makaron】

「被写体だけを切り抜きたい」「余分な背景を取り除きたい」というのは画像編集を行う上でよくある望みのひとつです。しかし、ペイントやプレビューなどPCに標準装備の画像編集ソフトではなかなか詳細な切り抜きに対応できず、有料ソフトとの壁となっている部分でもありました。

しかし、AIの発展により無料・安価なソフトで簡単かつ高精度でトリミングを行える例が増えています。

例えばremove.bg画像をドラッグ&ドロップすれば一瞬で被写体を切り出してくれます。もし切り抜き具合が気に入らない場合は「Edit」ボタンを押せば、細かくブラシで調整することも可能。背景をぼかしたり指定の色に塗りつぶしたりできる機能も用意されています。
2018年から存在するサービスですが、二次元画像の切り抜きにも対応してくれるなどより高精度化されたことで昨年末に話題になりました。

切り抜き例(remove.bg)

筆者の写真。ポケットの財布まで切り抜かれてしまっているのが一点残念だが(修正可能)、おおむね高精度で対応してくれている

写真加工アプリMakaron(iOSAndroid)もAIが画像を切り抜いてくれるアプリ。こちらには選択した被写体を取り除いて周りと馴染むよう背景を調整してくれる機能もあります。正直なところ切り抜いた後の背景にはまだまだ違和感が残りますが、今後の発展が期待されます。(こちらのサービスには課金オプションがあり、一度購入したら終わりではなく月額課金のサービスとなっているので課金して使用する際には注意が必要です。)

切り抜き例(Makaron)

サイトのサンプル。自動車を消した部分に痕跡が残ってしまっており、まだ精度は低い

画像を自動で高解像度化・レタッチ【remimi、Luminar4……】

写真の構図はベストだけれど画質が低い、肌をもっとキレイに見せたい……このような悩みも画像づくりではつきものです。

いわゆるレタッチ作業は熟練の経験が必要とされる作業であり、プロのフォトグラファーとその他の人々を大きく隔てる部分でした。しかし、AIを活用することで場合によっては自身で高精度な補正を実現出来る場合もあるようです。

画像の高解像度化で今年話題を呼んだのがスマホアプリのremimi(iOS/Android)。解像度の低い写真を上塗り補正するような感覚で高解像度化することができます。トライアルモードでは一日3枚まで広告なしで高画質することができ、4枚目以降は広告付きで画像処理に時間がかかります。

上から画を描くように高解像度化されるため修正後の写真に違和感が生じるケースみられるため完璧なアプリとはいえませんが、遠目の写真などピンポイントで使うならかなり効果を発揮するでしょう。

高解像度化例(remimi)

筆者の写真。中央のBefore/Afterをみると違いがわかりやすい

AIによる自動レタッチソフトは実はたくさん登場してきており、有料のものではLuminar4Photolemur3THETA 360.bizなどが挙げられます。自動で露出補正を行う、曇り空を晴天に変える、美肌補正を施すなど、有料なだけあり機能は充実しています。

画像を着色・〇〇風に加工【Petalica Paint、GoArt】

イラストに適切な着色を施したり、〇〇(例えばゴッホの絵画)風に加工したり、一般的なビジネスというより趣味的な用途に使われやすい加工AIもどんどん発展しています。

pixivが運営するPetalica PaintイラストをAIが自動で着色してくれるソフト。淡いものや色のはっきり出たものなど、イメージに合わせて着色スタイルを変更することもできます。「イラストを使いたいけれど着色に自信がない……」といった場合は有用なのではないでしょうか。有料イラストソフトのClipStudioPaintやお絵描きアプリのアイビスペイントX(iOS/Android)にも同様の自動彩色機能が搭載されています。

加工例(Petalica paint)

サイトのサンプル(PaintsChainer1周年記念イラストコンテスト」最優秀賞作品)。アニメのような躍動感のある彩色が施された

より趣味性が強いのが、画像を絵画のように変換してくれるアプリGoArt(iOS/Android)。印象派、ポップアート、ゴッホ風など好みの作風に画像を加工することができます。顔を若返らせたり老けさせたりできる「FaceApp」(iOS/Android)などAIの処理により画像の印象を大きく変えるアプリは最近よく話題に上ります。

加工例(GoArt)

筆者の写真。ゴッホ風の加工を施した

ディープラーニングが画像認識の可能性を大いに広げた

ご紹介したような画像編集AIが登場し始めたのはここ10年ほどのこと。

そのきっかけのひとつは、2010年から続く画像認識コンテスト「ILSVR(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge) 2012」にてディープラーニングを活用したAIが圧勝したことです。

また同年、Google開発のAIが同じくディープラーニングによって「猫の画像を識別できるようになった」と発表されました。

写真や動画、文章といった非構造化データはそれまでAIの苦手とする分野でしたが、ディープラーニングの発展により紹介したような高度な画像編集を自動で行えるようにまでなりました。同時にディープフェイクなど高度なAIの画像・動画編集技術が人をだます意図で使われる例も現れています。

終わりに

クリエイティブを加速する現代のAI×画像編集ツールをご紹介しました。

ディープフェイクにより大きく可能性を広げたAI。とはいえ、どのような画像を用いてどのようなコンテンツを作成するのかの決定権は依然として人間に与えられています。

AIをうまく使いこなせるビジョンと知識を持った人が、これからのクリエイティブを引っ張っていく存在となるでしょう。

参考資料
・大和 哲「第714回:ディープラーニングとは」┃ケータイwatch
最先端の画像認識AI技術をフリー(無料)で使ってみよう!┃AISmiley

宮田文机

Eye Catch Design by Go Uchida

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