新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、世界各国で授業や業務がオンライン化し、在宅から行われるようになりました。
インターネットで趣味や生活に必要な情報の収集、学習から仕事までを行えるのが当たり前になる中で、データ量にも大きな変化が起きています。
そこで今回は世界のデータ総量や流通量の変動や最新の予測についてご紹介いたします!!
データ量の話題になると、データ流通量やデータ総量といったキーワードやゼタバイト、エクサバイトなどの単位が出てきますが、実際この言葉の意味はどういうことなのか、まとめてみました。
用語 |
意味 |
データ流通量(IPトラフィック) |
一定時間内に通信回線を経由してやりとりされるデータ量 |
データ総量 |
世界中で生成、取得、複製、消費されるデータ量 |
エクサバイト |
データの量やコンピュータの記憶装置の大きさを表す単位。1エクサバイト=10^18(百京)バイト |
ゼタバイト |
データの量やコンピュータの記憶装置の大きさを表す単位。1ゼタバイト=10^21(十垓)バイト |
改めて見てみるとエクサバイト、ゼタバイトの単位が表す莫大な通信量に驚かされます。
アメリカの市場調査会社、International Data Corporation(IDC)が2020年5月に行った発表によると、2020年の全世界の生成、消費されるデジタルデータの総量はおよそ59ゼタバイトにのぼるということです。
2010年時点でのデータ総量は988エクサバイトで単純計算で10年間で約60倍に増加しています。なお、2000年時点でのデータ総量は現在の約1万分の1の6.2エクサバイトでした。
データ総量は以前から増加傾向にあったものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、人々が在宅でインターネットに接続する時間が増えたり、在宅勤務や教育に伴うビデオ会議が一般的になったりしたことがさらなるデータ量の加算につながったということです。
さらに今回の調査結果では、今後3年間に作成されるデータ総量が、過去30年間に作成されるデータ総量よりも多くなり、今後5年間で、世界中で過去の5年間のデータの3倍以上のデータが生成される、という予測も打ち出されました。
また、データ総量の生成されたデータ(キャプチャなどのデータも含む)と複製されたデータ(消費されたデータも含む)の比率は現在、約1:9ですが、2024年までに、この比率が1:10になるとも予想されています。
データ総量の増加とともに、データ流通量(IPトラフィック)もどんどん増加しています。
アメリカのコンピュータネットワーク機器開発会社Ciscoが2017年に行った調査では、1984年には毎月17ギガバイトだった世界のデータ流通量は、2017年に約70億倍の122エクサバイト(1220億ギガバイト)にまで増加したということです。さらにこの調査では、2021年には、2017年の2.3倍の月間278エクサバイトまで増加すると予測されています。特にリアルタイムで処理されるリアルタイムデータの量は今後も増大することが予想されており、IDCの予測では2025年にはやりとりされるデータの約30%がリアルタイムデータになるだろう、と言われています。
通信技術の改善、向上に伴い、国境を越えて移動するデータの量も増えており、国際電気通信連合(ITU)が発表する「使用された越境インターネット帯域幅」によると、世界の越境データ流通量は、2001年には毎秒1600ギガバイトだったのが、2016年にはその165倍の26.5万ギガバイトに増加したそう。
IPトラフィックの中でも特に伸びているのがモバイルデータトラフィックです。Ciscoの調査ではスマートフォンの流通拡大に伴い、6エクサバイト/月だった2016年から2021年にかけて約7倍の41エクサバイト/月になることが見込まれています。
また、通信の利用目的としては、ビデオ通話やビデオ配信を含むインターネットビデオの分野の比率が増加していくことが予想され、2021年にはIPトラフィックの六割にあたる159エクサバイト/月がインターネットビデオ通信の目的で利用されると考えられています。
2020年には5Gの導入も開始し、IoT関連商品が一般的に使われるようになる中で、大きな課題となるのは制度面の環境整備やICTへの深い理解を持つ人材の育成です。データが社会の基盤となる中で、総務省の情報通信審議会でも、データ流通におけるルールの明確化等、データ取引市場に関わるルール整備、分野横断的なデータ連携環境の整備が取り組むべき項目として挙げられています。
あらゆることがインターネットを介して行えるようになる中で、まさに人知を超えた、莫大なデータをどのように管理し、整備していくのか、というのは今後、世界的に大きな課題になっていくと予想されます。
デジタルデバイスに触れ合うのが当たり前になり、息をするようにデータを生成・複製している私たち。ついつい無意識でデータを生み出してしまっていますがそのデータをどう扱っていくのかを一人一人がしっかり考えるべきなのかもしれません。
【参考引用サイト】 ・ エクサバイト - Wikipedia ・ ゼタバイト - Wikipedia ・ IDC's Global DataSphere Forecast Shows Continued Steady Growth in the Creation and Consumption of Data ・ 急増する世界の「データ」流通量 ・ Cisco Visual Networking Index:予測と方法論、2016 ~ 2021 年 ・ 総務省|平成29年版 情報通信白書|データ流通量の爆発的拡大
(大藤ヨシヲ)
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