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名人を破った将棋プログラムポナンザ開発者山本一成氏から見るAIの今と未来:「わかるって傲慢かもしれません。 だって、わかるわけないじゃないですか!」

         

2017年5月が将棋界にとって大きな転換点だったことは間違いないだろう。人工知能(AI)の将棋プログラム「Ponanza」(ポナンザ)が、棋界最高位のひとつ「名人位」をもつ佐藤天彦名人に勝ったからだ。Ponanzaは日本におけるAI技術の進化をわかりやすく広める伝道師でもあった。この結果を受けて、コンピュータVSプロ棋士の棋戦は終了、その役割を終えた。開発したのは若きコンピュータサイエンティスト・山本一成さん。将棋プログラムを通して見るAIの今と未来を語っていただいた。

Ponanzaはいったいどのくらい強いのか?

Ponanzaがどのくらい強いのか、それを正しく説明するのはちょっと難しいですね。たとえば、10年ほど前にプロ棋士たちはこういっていました。「とうとうコンピュータはここまできましたか。でも、トッププロのレベルまで50年はかかるでしょうね」。当時の将棋プログラムはせいぜいトップアマ、プロ棋士に届くか届かないかというレベルでした。

やや乱暴ですが、棋力を人間の身長に例えてみます。当時のPonanzaは1mくらいでしょうか。子どもですね。皆さん、子どもの身長が1mから10cm伸びたら大きくなったと感じますよね。コンピュータの世界は違います。何ごとも成長が指数的なのです。

5年前にPonanzaが初めてプロ棋士を破りました。そのときの身長は2mでしょうか。かなり大きいですね。5年で2倍に伸びました。さらに5年たったいま、身長は4m。もう同じ人間とは思えません。この数字とスピード感は、プロ棋士の間では実感に近いと思います。将棋はとくに、自分と強さが近い相手だと、その実力がよくわかります。2017年に佐藤天彦名人と戦いましたが、プロ棋士もすごい勢いで抜かれたことを強く感じたのではないでしょうか。

将棋プログラムの身長はいま、順調に8mになろうとしています。普通であれば、人間に負けることはもうないでしょう。これは人間の物理的な制約のせいで、仕方ないことです。後ろの遠くにようやく見えて「あっやばい!」と思った次の瞬間にすごいことになっている。これが、将棋プログラムを例にしたコンピュータの世界なのです。

 

プログラミングとの出会いは大学時代

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