教育系産業に身を投じていると、昨今の就職活動の事情にも敏感になってきます。
特に近年は、インターンや海外経験というワードが、10年前よりも学生の間で流行っているように感じます。先日、学歴と就活をテーマにした「学歴フィルター」の著者である福島直樹氏にインタビューを行いましたが、今回は、私が就職活動の時期だった時期とのデータを比較し、別の側面から現在の就職事情を見ていきたいと思います。
今でこそ、インターンという言葉が当然のように使われるようになりましたが、個人的な感覚では、私が就職活動を行っていた頃は、インターン経験者のほうが少ないイメージでした。これをデータで見てみると、図1のようになります。
私が就職活動をしていたのは2011年でしたので、インターン経験者は10%から15%程度だったのではないでしょうか。インターン経験者の割合は、今後も増加すると考えられます。
インターンへ経験者の割合が増加することで、就職活動におけるインターン参加の優位性も少なくなってくることが予想されます。
今後は、インターンに参加することよりも、インターンでどのような経験をしたかという質が問われることになってきます。そこで近年注目されているのが、海外でのインターンや、留学といった海外経験を積むことです。
では、こちらもデータを見てみましょう。
人数だけをみると6年間でほぼ倍増しています。
もちろん、就職活動に優位性があるという理由だけで海外経験するわけではないかもしれませんが、ライバルに差をつけようと考えて、海外経験を積む人もいるのではないでしょうか。
企業側は海外経験を行っている学生についてどう考えているのでしょうか。
実はここにも、単に海外経験をするだけではなく、その質を問う動きが見て取れます。図3は、企業が理想とする学生の海外留学の期間についてのデータです。
これによると、8割以上の企業が、少なくとも半年以上の海外経験を求めていることがわかります。図2からも分かる通り、海外経験を積む学生は増えているのですが、実は増加しているうちのほとんどは半年以下の海外経験を積む学生の数です。ここに、企業が求める海外経験と、学生が行っている海外経験とのギャップが存在しています。
これまで見てきた通り、就活を有利に進めたいという気持ちで海外経験を行うのであれば、半年以上の海外経験が必要です。また、今後は新卒一括採用ではなく、通年採用をとる企業も増えていくと思いますし、現に大手でも通年採用を実施している企業もあります。
通年採用が一般化すると、ライバルは周りの新卒学生だけではなく、既卒・中途の人たちも含まれてきます。それら社会人経験のある人たちに勝つために、有意義なインターンや海外経験を行ってください。
とは言っても、海外留学は情報が大切です。海外のインターンは日本のインターンとは異なり、無償である場合が多く、滞在費もかかるため、補助金を調べることは必須です。また、いざ海外の企業にインターンが決まっても、資本は日本の企業で、日本人ばかりが働いていたり、企業インターンを想定していたらボランティアであったり、自分の理想の海外経験とのミスマッチも起こりえます。
海外インターンをはじめとする、長期の海外経験をお考えの方は、海外インターンのアレンジを行うエージェントを頼ることも一つの賢明な選択肢ではないでしょうか?
著者:岸田 英(キシダ ヒデ)
【経歴】
2011 年 東京大学工学部卒
2011 年 インフラ企業に就職
2015 年 同社退社
2015 年 エスカルチャー株式会社設立 代表取締役兼学習塾 ESCA 塾長
【概要】
東京大学卒業後、サラリーマン経験を経て、2015 年にエスカルチャー株式会社を設立。「受験勉強では終わらない、社会で生きる力を養う」という理念で、学習塾の運営と、海外インターン/海外留学コンサルティング事業、就活支援事業を展開している。 学習塾の運営においては、自らも教壇に立ち、サラリーマン時代の経験を活かして、「学問の体系化」「理論と現実」「回答の見せ方」「問題文を読む意味」「学習における知識と思考のマネジメント」など、勉強が社会にどのようにつながっているのかを教えている。
【ウェブサイト】
http://www.esculture.com/
https://www.eduforglobal.com/
(著者:岸田 英)
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