徳島県は四国の東部に位置し、剣山や高山など1,000メートルを越える山が多く、山地が全面積のおよそ8割を占めている地域です。
400年の歴史を持ち、世界にもその名が知られている「阿波おどり」、鳴門市と兵庫県の淡路島を結ぶ大鳴門橋から見える「鳴門海峡のうず潮」が有名で、発光ダイオードの生産世界一などから「LED王国」とも呼ばれています。
そんな徳島県は、デジタルへの取組みは古く、2004年に策定した「e-とくしま推進プラン」で10年間、官民協働で地域情報化を推進することで、「県民誰もがICTの利便性を享受できる徳島」の実現に取り組んできました。
2014年に策定した「ICT(愛して)とくしま創造戦略」と2018年に策定した「とくしま新未来データ活用推進戦略」を統合した「デジタルとくしま推進プラン」を2020年に策定し、現在は、「Society5.0」を通じて安全安心で豊かさが実感できる地域を創造するための施策に取り組んでいます。
【引用元】デジタルとくしま推進プランについて
四国地区に本社を置く981社を対象に実施された帝国データバンクの「四国地区 DX推進に関する企業の意識調査」を基に、企業のDXの実態を読み解いてみましょう。
まず、DXに取り組んでいる企業の割合ですが、これは全体の14.2%で全国平均の15.7%を若干下回っています。
また「言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる」、「言葉の意味を理解し、取り組 みたいと思っている」の回答の合計は35.6%で、“DXへの前向きさ”といった観点でも、全国平均である41.4%を5.8%下回っています。
No | 回答 | 結果 |
1 | 言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる | 14.2% |
2 | 言葉の意味を理解し、取り組みたいと思っている | 21.4% |
3 | 言葉の意味を理解しているが、取り組んでいない | 34.4% |
4 | 言葉は知っているが意味を理解できない | 13.9% |
5 | 言葉も知らない | 7.5% |
6 | 分からない | 8.7% |
さらに「言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を企業規模別で見比べると、
といずれも全国平均を下回っており、企業規模を問わず、地域全体のDXへの消極さがこの地域の課題と言えます。
次に「言葉の意味を理解し、DXを理解し取り組んでいる」と回答した企業の割合を業界別で見比べると、
といった結果を示しており、サービス(情報サービス含む)、建設、卸売業界は全国平均を上回る一方、小売、製造、不動産、運輸・倉庫が全国平均を5~7.3%下回っており、業界によってDXへの関心に開きがある、といった状況を示しています。
【引用元】四国地区 DX推進に関する企業の意識調査 | 帝国データバンク[TDB]
人口 | 708,818人(2022年2月時点) | |
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面積 | 4,147 km² | |
自治体数 | 24 | |
県内総生産 | 3兆985億円(2018年実費) | |
産業 | 農業 | 2019年の農業産出額は全国33位の961億円。内訳は野菜が349億円、米が133億円、果実が88億円で野菜の栽培が盛ん。主な農畜産物の生産量は、スダチ、しろうり、ユコウ(かんきつ類)が全国1位、ユズ(柚)、洋ラン類(切り花類)が全国2位、にんじん、れんこんが全国3位、カリフラワーが全国4位、ブロッコリー、ふき、かんしょが全国5位、ブロイラー(鶏)が全国6位。農業は、春夏にんじんをはじめ吉野川流域を中心にした野菜作や那賀川等の下流域での土地利用型農業が盛ん。美馬市、美波町、 海陽町では、県が開発してブランド化した地鶏「阿波尾鶏」(あわおどり)を飼養。県は新たな海外市場開拓や輸出型園地の育成等を進め、アジア、EU等へ「なると金時」、「阿波尾鶏」、「ハラール牛」、「ユズ」、「スダチ」など農林水産物の輸出拡大に取り組んでいる。 |
林業 | 2019年の林業産出額は全国11位の109.7億円。菌床栽培を主体とした生しいたけの生産量が16年連続全国第1位である他、高い人工林率(60%、全国10位)を背景に、徳島すぎを中心とした素材生産業や製材・加工業が盛ん。その他、たけのこ、わさび(葉柄)の生産量は全国8位。徳島県では、全国に先駆け2005年度から実施してきた「林業プロジェクト」により、川上では、高性能林業機械の導入が飛躍的に進んだことで、素材が増産できる体制が整備されると共に、林業従事者も「林業アカデミー」の開講に伴い若者を中心に増加。林業従事者数を546人から800人とする目標を定めた「スマート林業プロジェクト」取り組んでいる。 | |
水産業 | 2019年の海面漁業・養殖業産出額は全国32位の105億円。生産量は海面漁業では、伊勢海老が全国5位、太刀魚が全国7位、しらすが全国8位、海面養殖業では、わかめが全国3位、ぶりが全国9位、あわび類が全国10位、内水面漁業では、あゆが全国15位、内水面養殖業ではうなぎが全国6位。漁業者等による水産加工の年間販売金額は全国12位の40億2,300万円と食品加工業も盛ん。徳島県では,令和元年度から漁業者をはじめとする全ての関係者の共通目標となる「とくしま水産創生ビジョン(第2期)」に取り組んでいる。 | |
製造業 | 2019年の製造品出荷額等は全国39位の1兆9,081億円。産業別製造品出荷額等の構成比は、化学33.0%、電子部品23.0%、食料7.5%でこの3業種で全体の6割を占めている。大塚製薬グループや富田製薬などの医薬品、日亜化学工業のLED、リチウムイオン電池などの工場を中心に、企業が集積しており、また機械製品、家具、仏壇などの木工業も代表的な地場産業として形成。綿・スフ・麻織物精錬・漂白・染色、足袋類(類似品、半製品を 含む)、発光ダイオードなどが主な出荷品目。また徳島県は世界一のLED製造会社があることから、県は「LED王国」として、光(照明)産業を集める施策に取り組んでいる。 | |
商業 | 2016年の卸売・小売業の年間商品販売額は全国44位の1兆5,842億円。2014年の卸売業は、飲食料品卸売業が 37.0%で最も高く,次いで建築材料、鉱物・金属材料等卸売業(22.1%)、家具・建具・じゅう器、医薬品、化粧品などの商品を仕入卸売するその他の卸売業(20.7%)の順。飲食料品卸売業の割合の高さは、徳島県が各種商品卸売業や機械器具卸売業が相対的に少ないことと農水産物の移出県であるため。小売業は、家具・建具・じゅう器、医薬品、化粧品などの他に分類されない商品を小売するその他の小売業が33.3%で最も高く、次いで飲食料品小売業(32.6%)、機械器具小売業(18.5%)の順。 | |
エネルギー | 2016年の電力消費量は全国44位の58億kWh。徳島県は2012年3月に策定した「自然エネルギー立県とくしま推進戦略」における2020年度の目標値である「自然エネルギーによる電力自給率25%」を前倒しで達成するなど、他県より再生可能エネルギーを導入する取組み進んでいる。2019年からは「自然エネルギー立県とくしま推進戦略~脱炭素社会の実現へ!~」で、これまで進めてきた地域資源を活かした「エネルギーの地産地消」や「災害に強いまちづくり」に加え、「環境とビジネスの両立」や「水素エネルギーの社会実装の加速」など、脱炭素社会の実現に向け、時代を先導する意欲的な施策に取り組んでいる。 | |
企業 | 上場企業 | 7社 |
事業所 | 40,356事業所(2019年) |
農業、水産業、製造業の場合、スマート化といった大規模な設備投資を必要とするケースが多く、また個人・中小企業の単独でのDX推進は困難です。
DXの実践ノウハウ、人材育成、経営相談といった立ち上げ、実証実験や補助金といった導入を支援する地域の自治体・団体、またDX戦略・技術支援を提供している地域の企業を紹介します。
運営者名 | 徳島県 |
プロジェクト・サービス名 | とくしまDXフォーラム |
活動・事業概要 | 先端技術を活用しデジタル化を図るノウハウや最新のDX情報を得る機会の創出を目的に、徳島県が毎年開催している公開討論会 |
支援・取り組み内容 | 「デジタルとくしま大賞」表彰式、デジタル・DXの専門家による基調講演、特別講演の開催 |
設立・運営開始日 | 2022年2月 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 政策創造部 地方創生局デジタルとくしま推進課 DX推進担当 |
公式サイト | とくしまDXフォーラムの開催について |
運営者名 | 公益財団法人とくしま産業振興機構 |
プロジェクト・サービス名 | とくしまDX推進センター |
活動・事業概要 | 県内中小企業の方々が時代の変化に的確に対応し、活力ある多様な事業活動が展開していけるよう「新事業創出」「経営革新」「技術開発支援」「販路開拓」等の事業を総合的、一元的に支援 |
支援・取り組み内容 |
〇人材育成・確保 ・人材育成に役立つ研修やセミナーの開催 ・とくしま経営塾「平成長久館」 ・徳島県プロフェッショナル人材戦略拠点 ・デジタルクリエイター人材発掘セミナー ・デジタルクリエイター養成塾 〇資金助成・融資 ・とくしま産業振興機構による各種補助金制度の実施(新商品・技術の開発費用の一部を助成) ・県や県内金融機関で実施している融資制度の紹介 〇経営相談 ・経営戦略の策定や新商品開発、マーケティング、取引先とのトラブルなど、経営の「困りごと」の解決の支援 ・特許や商標の取得に関する相談や、外国出願に関する支援 〇販路開拓 ・リアル及びオンラインでの展示会や商談会の開催 ・海外での商品販売を目指す企業のテストマーケティングや商談会を通じた支援 ・県内のクリエイターとマッチング ・徳島県内の主な中小企業について、会社情報や主要な製品の紹介 〇創業支援 ・店舗や機器類等の、開業に係る費用の一部の助成 ・創業者が低価格で賃貸できるオフィススペースの紹介 ・先輩起業家やほかの創業者と交流(とくしまスタートアッププラットフォーム) ・起業にあたっての心構えから事業計画の作成、手続きや税制面など、起業に役立つ情報の提供 〇改善活動・品質 ・「経営品質」の向上を実現するための「改善活動」の普及・促進 〇新商品・技術開発 ・新商品の開発費用を助成する「とくしま経済飛躍ファンド」事業 ・企業や大学との連携・研究開発の促進 〇デジタル化・DX ・県内ものづくり企業のDXを推進し、付加価値の高い製品の開発やイノベーションの創出につなげる支援 〇その他 ・とくしま産業振興機構賛助会の運営 ・機関誌「企業情報とくしま」の発行 ・オーディオビジュアルライブラリ(DVD貸出) ・「徳島産業情報の森」メールニュースの配信 ・とくしま経営塾「平成長久館」メールマガジンの配信 |
設立・運営開始日 | ‐ |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 成長戦略推進部 産学連携・技術支援担当 |
公式サイト | 公益財団法人 とくしま産業振興機構 とくしまDX推進センター |
運営者名 | 徳島県 |
プロジェクト・サービス名 | デジタルとくしま推進プラン |
活動・事業概要 |
以下を基本目標とした、デジタルで全てがつながる社会への転換と「Society5.0」を通じて安全安心で豊かさを実感できる地域の創造 ・安全安心な暮らしをしなやかに守り抜く社会 ・全ての人に優しく、スマートで持続可能な社会 ・新たな価値が創造され、豊かさを実感できる社会 ・人材を育み、誰もが輝く自己実現可能な社会 |
支援・取り組み内容 |
〇防災力の向上・着実なインフラ整備 ・災害時情報共有システム等の活用 ・防災拠点への公衆無線LANアクセスポイントの設置 ・ICT建設機械の導入や作業の自動制御などi-Constructionの推進、高所・危険箇所へのドローン活用をはじめとする高度なインフラ管理 〇医療・福祉体制の充実 ・5Gを活用した遠隔医療の推進 ・地域医療情報連携ネットワーク「阿波あいネット」の普及促進 〇利便性の高い行政サービスの実施 ・デジタル技術を活用した行政システムの変革、マイナンバーカードの利活用 ・行政データのオープン化、EBPMの推進 ・ローカル5Gの環境整備 ・テレワーク・ウェブ会議の活用 〇環境に優しい循環型社会の実現 ・柔軟なエネルギーシステムの導入 〇モビリティの向上 ・MaaS(マース)の構築 〇人と企業が集まる地域づくり ・デジタル技術を活用した若者が夢を持てる地域づくり ・サテライトオフィスの誘致・定着 〇魅力ある農林水産業の実現 ・スマート化技術を活用した超省力・高品質化 〇観光誘客による地域経済の活性化 ・VRなどを用いた効果的な情報発信 ・先駆的な「eスポーツ」イベントによるにぎわい創出 〇教育・人材育成 ・「児童生徒1人1台端末」の実現など「GIGAスクール構想」の推進 ・統合型校務支援システムの導入 ・幅広い世代が参加できる、イベントやセミナーの開催 〇デジタルインクルージョン ・誰もがデジタル技術について学べる環境の整備 ・ヒューマンインターフェースに配慮したデジタルデバイド対策 |
設立・運営開始日 | 2020年 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | 政策創造部 地方創生局デジタルとくしま推進課 DX推進担当 |
公式サイト | デジタルとくしま推進プランについて |
運営者名 | 徳島市 |
プロジェクト・サービス名 | 徳島市デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画 |
活動・事業概要 |
デジタル化に関する市民アンケートで浮き彫りになった3つの課題解決に主眼を置いた取組の実施 ・高齢者等を対象としたデジタルデバイド(情報格差)への対策 ・行政手続のオンライン化、電子申請サービスの拡充 ・情報セキュリティ対策の徹底 |
支援・取り組み内容 |
〇地域課題の解決と新たな価値の創造 ・オープンデータの推進 ・GIS(地理情報システム)の効率的運用 ・デジタルデバイド(情報格差)への対策 ・認知症高齢者見守りネットワークシステムの運用 ・遠隔通信機器を利用した鳥獣被害対策の推進 ・防災拠点での情報収集・伝達手段の確保(Wi-Fi環境の整備) ・災害時オペレーションシステムの整備 ・小中学校におけるICT環境の整備 〇行政サービスの更なる拡充による市民の利便性の向上 ・ホームページ及びSNSを活用した広報の充実 ・SNSを活用した外国語での情報発信 ・行政サービスにおけるLINE活用 ・行政手続のオンライン化 ・マイナンバーカードの普及及び利用促進 ・キャッシュレス決済の推進 ・スマートフォン等を活用したごみの適正排出・分別の啓発促進 ・子育て支援アプリの導入 ・観光ポータルサイト活用によるインバウンド対策 ・徳島市公衆無線LANサービスのエリア拡張 ・路線バスのデジタル化・バスロケーションシステムの普及 ・市史編さん収集史料のデジタル化 〇行政運営の簡素化及び効率化の推進 ・文書管理システム及び電子決裁システムの導入 ・電子契約システムの導入 ・電子請求書システムの導入 ・基幹系情報システムの安定稼働及び標準化・共通化対応 ・AIの活用推進 ・RPAの活用推進 ・ウェブ会議の利用推進 ・庁内無線LANの導入 ・ペーパーレス会議システムの導入 ・テレワークの推進 ・庶務事務システムの稼働 ・人流測定システムの活用 ・消防統計システムの導入 ・農地情報公開システムへの完全移行 〇DX推進体制の整備 ・情報セキュリティ対策の徹底 ・ICT部門の業務継続計画(ICT-BCP)の運用 ・デジタル人材の確保・育成 |
設立・運営開始日 | 2022年 |
運営状況 | 運営中 |
窓口 | デジタル推進課 |
公式サイト | 徳島市デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進 |
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