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製造業向け、生産現場カイゼンを実現する情報見せる化とは?(後編)

         

製造業の「見える化」は、経営層や管理者層から工場やフィールドサポートといった現場担当者へ今後広がっていくという話(前編)をしました。

今回は、その剛体的な展開手法についてご紹介いたします。

製造業の「見える化」を、工場現場へ広げるポイントはKPIツリーの導入!

工場やフィールドサポートの現場では、多くの場合Excelを使った報告書作成や情報管理が一般的となっています。

その理由は、5年10年といった過去の膨大なデータがExcelや紙で蓄積されていることによります。Excelは便利なツールですが、PCツールとして使われていて組織で共有するデータとしては作成したバージョンの新旧がわからないため、齟齬が生じやすいのが欠点です。

つまり、個人の使いやすさはExcelのままで、組織やグループでデータ共有する部分はBIツールが使えれば良いと言えます。 こうした考え方は、古くからあってExcelと連携するBIツールも多数あります。しかし、これまではBIツールの価格も高く、過去データのExcelをデータ移行するコストや手間の問題があってあまり普及していません。

工場のデータは週次や月次などサマリーして報告するのが一般的で、その報告書を作成する手間が掛かっていました。

これまで製造業の業績管理は、QCD(品質:Quality、コスト:Cost、納期:Delivery)というのが常識でしたが、最近ではここにEE(環境:Environment、為替:Exchange)を追加して“QCDEE”を主要な業績管理指標として考えるようになってきています。QCDEEは重要な管理指標(KPIs)ですが、経営層/管理者層/現場担当者層で評価指標として管理レベルと相関性にズレがあります。これが、市場変化の激しい現在の大きな問題となっています。為替の変動は、1日で5%、1週間で10%にもなることがあります。経営層としては、可能な限り迅速に情報収集した対処したいのですが、工場から上がってくる情報はExcelベースで週次月次の遅れがあります。

図:製造業の業績を左右する重要要素

QCDEE また、Excelデータのサマリーや平均値なのでデータの精度が低くなります。

それならば、「現場のExcelデータをBIツールで直接吸いあげて集計すれば良い」と思いますが、現場のデータをそのまま集計しても経営層や管理者層に必要なデータが得られません。 Excelと連携性が高いBIツールが工場など現場で普及しなかった理由は、Excelとつながるだけではこの現場データのレベルと経営層が欲しいデータの相関性のズレが解消できなかったからです。

経営層が欲しいデータを得るためには、工場の現場データを集めてから経営者向けのKPIへ変換する変換処理が必要なのです。その変換の鍵となるのがKPIですが、経営層のKPIと管理者層のKPIと現場担当者層のKPIの相関図(マッピング)がありませんでした。つまり、その相関図(マッピング)を作ることができれば問題は解決できます。

KPIツリーを工場現場に導入して、経営層/管理者層につなぐことができれば、この問題は解決することができます。

企業の業績管理は、計画(Plan)→実行(Do)→チェック(Check)→評価・見直し(Action)PDCAサイクルを廻しますが、このPDCAサイクルは時間軸で考えているため上下の連携にズレが生じていることが多いようです。

図表:管理指標を使った経営管理システムのイメージ

経営層は、市場の変化や顧客のニーズにあわせて『企業業績QCDEE』を良くしようと考えてPDCAサイクルを見直します。(財務指標メイン)工場の現場担当者層は、業務カイゼンを積み重ねて『工場現場QCDEE』を良くしようと考えています。(非財務指標メイン)

経営層と工場の現場担当者のズレは、『企業業績』と『工場現場QCDEE』のレベルの違いに起因しています。管理者層はこの間に居て『事業のQCDEE』を良くすることを考えているのですが、ここで経営層が見ている財務指標メインの『企業業績QCDEE』と非財務指標メインの『工場現場QCDEE』に齟齬が生じていると思われます。 その理由は、工場の現場データが事業部門に報告として上がるのが、報告書作成単位の週次/月次となりそのタイムラグにもズレの原因があると思われます。つまり、この問題を解決するためには齟齬を生じている上下のKPIを洗い出して、その相関図を見直す必要があります。

KPIツリー導入のポイントは、財務指標と非財務指標の相関図を作成して、上下をつなぐKPIをマッピングしてみてこの数値データのズレを見直せば良いのです。その取り組み方は、前述した経営層/管理者層/現場担当者層それぞれのQCDEEで管理すべき評価指標KPIのギャップを解消することです。そのツールとして、MotionBoardのようなExcelと連携性のあるBIツールを利用します。 図:KPI手法導入のポイント

製造業の業績管理をKPIを使って管理する手法について、以下の記事でもご覧頂くことができます。よろしければ、こちらも御覧ください。 


合わせて前編の記事もぜひご覧ください。

[著]Wingarc1st Official The BLOG編集部
本記事はウイングアーク1st株式会社の運営するThe BLOGに掲載された記事を許可を得て掲載しています。

 

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