先行きの見えない昨今。投資に関心を持ち始めたという方も多いのではないでしょうか?
そうした中で、少額から手軽に始められる投資手段が求められています。その中でも注目されているのが「NISA(少額投資非課税制度)」です。
2024年には新NISAが控える中、今回は、NISAが一般の人々にどれくらい浸透しているのか、その実態を解き明かすべく、口座数や平均投資額に焦点を当てて調査を行いました。
日本の金融投資環境において、NISA(少額投資非課税制度)は注目の存在となっています。NISAはその名の通り、個人が少額から手軽に投資を行い、その収益を非課税で享受できる仕組みです。
2014年からスタートした制度で、NISA口座内で毎年一定金額の範囲内で購入した株式や投資信託などの金融商品から得られる利益が非課税になります。また、確定申告なども不要で、初心者でもチャレンジしやすくなっています。主な対象となる金融商品は、株式、投資信託、REITなど多岐にわたります。
さらに、2024年からは非課税保有期間の無期限化や年間投資枠が拡大し、さらに活用のメリットが大きくなります。
具体的な新NISAのポイントは以下になります。
もちろん、投資ですので、元本割れなどのリスクはありますが、NISAは、これまでにない形で個人投資家に投資の機会を提供すると同時に、資産形成を支援し、金融市場を健全に発展させるための仕組みなんです。
それでは、日本の投資環境において、NISAの普及度合いはどのくらいなのでしょうか?その中でも、「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」は、それぞれ異なる投資対象や特徴を持ち、口座数も異なります。
今回は金融庁が発表しているNISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果を参考にデータをまとめました。
この調査ではそれぞれのNISAの取扱い全金融機関から統計をとっています。
一般NISA取扱い全金融機関 | 695法人 | |
つみたてNISA取扱い全金融機関 | 595法人 | |
ジュニアNISA取扱い全金融機関 | 312法人 |
まずは一般NISA、つみたてNISAの口座数です。2022年いっぱいまでに開設された口座は18,007,257口座です。
一般NISA、つみたてNISAに分け、年代別に見ると以下のようになります。
投資の性質上、年代が上になるにつれて、1年あたりの投資額が多く、短期間で上限まで使える一般NISAが多いのがわかります。
続いてジュニアNISAを見ていきましょう。ジュニアNISAの2022年いっぱいまでに開設された口座総数は 1,010,298。
年齢別に見ると以下のようになります。
それでは、気になる最新版、2022年の投資額について、口座数の比率を見ていきましょう。
一般NISAでは、口座の約半数の2022年の投資額が0円となっており、この後に出てくるつみたてNISA、ジュニアNISAと比較しても非常に多くなっています。
これは、10年前から制度が始まったこともあり、一般NISAの投資期間を終えている口座も多いことからこのようになっていると考えられます。
一方でつみたてNISAでも25%強が0円となっています。
そのため、一定数、口座は持っているけど入金しない、という層がいることがわかります。
また、ジュニアNISAでも30%程度が入金していないということがわかります。
続いて年代別の投資額はそれぞれ以下のようになっています。
0円を除くと、どの世代でも100-120万円の層と0-20万円の層が多いことがわかります。
どの世代でも0-20万円の層が少なくなっています。
一般NISAと同様の傾向が見られます。こうしたことから、入金可能額ギリギリまで入金する人と少しだけ投資をする人、にわかれやすいことがわかります。
社会の先行きの見通しの不透明感が高まるなか、多くの方が投資に興味を抱いています。その中で、手軽に始められる投資手段として注目されているNISA。
投資はリスクを伴うものであり、慎重な計画と知識が必要ですが、NISAを活用することで、手軽に資産形成を始めることができます。将来のために、自分に合った投資スタイルを見つける一助となることでしょう。
(大藤ヨシヲ)
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