客観的には幸せなのに主観的には幸せじゃない?世界幸福度ランキングが明らかにした日本の今

幸福度という単語をニュースやSNSなどで目にする機会が増えてきたように感じます。

世界経済が底上げされ、多くの国で経済的な問題が解決する中で、幸福度は人々の生活の質を図る重要な指標の一つとなっています。

しかし、幸福度、と一口に言ってもそれを数値として測定して判断を下すのはなかなか難しそうに思えます。

そこで今回は、世界各国の幸福度をデータでみていきたいと思います!

国連関連組織が算出する「世界幸福度レポート」

今回、参考にするデータは、国際連合の機関の1つ、持続可能開発ソリューションネットワークが2012年から毎年公開している「世界幸福度レポート」の2019年度版です。

客観的に数値化できない項目については、各国の個々人にとったアンケート(回答は0-10点で答える)の回答の平均値を使用しているということです。

幸福度を算出するために使うのは以下の6項目です。


  1. 一人当たりのGDP
  2. 社会的支援
    困った時に助けてくれる身近な存在(家族、友人)の有無の回答の平均値
  3. 平均健康寿命
  4. 人生における選択の自由度
    人生の選択について自由を感じ、満足しているかの回答の平均値
  5. 個々人の寛容度
    過去1か月の間に慈善団体に寄付したか?という質問の平均値と一人当たりのGDPを比較し推計した値
  6. 社会の腐敗の認識
    「汚職は政府全体に広がっているのか」と「汚職は企業内に広がっているのか」という2つの質問に対する回答の平均値

この6項目の値と全項目が最低の値をとる架空の国、「ディストピア(ユートピアの反対の意)」との差分を合計した値を、幸福度の指標としています。

幸福度の高い国、低い国は?

世界幸福度レポート2019」で提示された「幸福度ランキング」世界上位10カ国と下位10カ国は以下のようになりました。

順位

上位10カ国

幸福度

順位

下位10カ国

幸福度

1

フィンランド

7.769

1

南スーダン

2.853

2

デンマーク

7.6

2

中央アフリカ共和国

3.083

3

ノルウェー

7.554

3

ルワンダ

3.334

4

アイスランド

7.494

4

マラウイ

3.41

5

オランダ

7.488

5

ボツワナ

3.488

6

スイス

7.48

6

ハイチ

3.597

7

スウェーデン

7.343

7

タンザニア

3.231

8

ニュージーランド

7.307

8

シリア

3.462

9

カナダ

7.278

9

イエメン

3.38

10

オーストリア

7.246

10

アフガニスタン

3.203

上位10か国には、社会福祉が手厚く、ジェンダーギャップも小さいことで知られる北欧諸国がランクインしています。一方、下位10か国はアフリカの根強い貧困が残る地域や紛争地域がほとんど、という結果になりました。 

日本の幸福度を諸外国と比較すると…?

それでは、「幸福度ランキング2019」における日本の順位をみてみましょう。

日本の幸福度は5.886、順位は58位でした。

では、日本の幸福度を諸外国と比較してみたらどうなるでしょうか?
まずはG7諸国と比較してみたグラフが以下になります。

出典:World Happiness Report 2019

幸福度について、G7のなかで日本は最下位でした。そこで、さらに、経済協力開発機構(OECD)の中でみてみることにしました。

出典:World Happiness Report 2019

OECDに所属する36カ国中、日本は32位でした。また、GDPと幸福度の関係を見てみると、以下のように、同じような経済状況の中でも幸福度が低いことがわかります。

客観的には幸福な国、日本の幸福度はなぜ低い?

日本の幸福度の内訳をみてみると一人当たりGDPが1.327で25位、社会的支援が1.41で51位、平均健康寿命が1.088で3位、人生における選択の自由度が0.445で65位、個々人の寛容度が0.069で144位、社会の腐敗の認識が0.14で41位という結果になりました。

一人当たりGDPや平均健康寿命といった客観的な指標では高い順位を保っていますが、人生の選択の自由度や寛容度といった主観的な指標では、低い順位となっています。

実際、身近な例を考えてみても慈善団体への寄付やチャリティといった行為は日本においてまだまだ一般的にはなっていませんし、ジェンダーギャップ指数も高く、属性で判断されがちな日本では個々人の人生の選択の自由はなかなか難しいのかもしれません。

こうした現状の中で、この数年、日本国内での幸福度はどのように推移してきたのでしょうか?

まず、2012年以降の幸福度ランキング順位を見てみると徐々に順位が落ちていっています。

出典:World Happiness Report 2019

続いて各項目の数値の経年変化を見ていきましょう。

一人当たりGDPや平均健康寿命といった客観的な幸福度はほぼ横ばいで、わずかですが年々増加しています。

出典:World Happiness Report 2019

一方で主観的な幸福度についてもほぼ横ばいと言えるでしょう。

出典:World Happiness Report 2019

つまり、この数年で日本の幸福度は大きく変わっていませんが、世界的な幸福度が底上げされたことで、相対的に順位が下がっている可能性が高いと考えられます。

まとめ

今回は持続可能開発ソリューションネットが提供する「世界幸福度ランキング」をもとに、世界的にみた幸福度や日本の幸福度の今を調べていきました。

今回紹介したことをまとめると以下になります。

この調査結果はある特定の基準によって幸福度を測るものでしたが、もちろん幸福の基準は一人一人でによって違いますし、時と場合によって幸福かどうかも変わってきます。

一方で、今回の指標の項目にもあった「人生の選択に自由があること」や「多くの人が積極的にチャリティーに参加すること」は社会にとっても個々人にとっても良い効果を生むことだと思います。

明日をより楽しく生きるために自分にとっての幸福や社会にとっての幸福を今一度考えてみるというのはどうでしょうか?

【参考URL】
・World Happiness Report - https://worldhappiness.report/

(大藤ヨシヲ)

客観的には幸せなのに主観的には幸せじゃない?世界幸福度ランキングが明らかにした日本の今
https://data.wingarc.com/objective-happiness-20654
カテゴリー: 社会