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よく買い物をする外資系の衣料品店で、先日、いつものようにお会計をしたところ袋が有料になっていて驚きました。
ヨーロッパなどでは当たり前になりつつある、このようなレジ袋の削減の取り組み。その背景にはプラスチックによる環境汚染の問題があります。日本ではあまり意識されていませんが、実はこの問題は私たちの日常に深く関わってくるのです。
そして、こうしたプラスチックに対する問題意識がきっかけとなり、企業や国を挙げた取り組みも増えており、プラスチック削減は、ビジネスシーンでも、大きく取り上げられる課題となりつつあります。
そこで今回は、プラスチック汚染における生物濃縮の危険性やプラスチック削減の具体的な取り組みについて改めて調べていきたいと思います。
クジラやウミガメ、魚などの海棲生物が、ビニール袋やペットボトルなど飲み込んで死んでしまう、こんなニュースを見聞きしたことがある人は多いかと思います。
一方、人間の私たちがビニール袋やペットボトルを飲み込んでしまう、なんてことはそうそう起こることではありません。しかし、実際は、私たちも海洋生物と同様に日常的にプラスチックを摂取しているのです。私たちが普段摂取しているプラスチック、というのが直径5ミリ以下の「マイクロプラスチック」と呼ばれるもの。
マイクロプラスチックは、私たちが普段から口にする魚や貝、水道水、さらには空気中にも含まれています。最新の調査によると人間1人が1週間で摂取するプラスチックの量はおよそ5グラム。つまり、私たちは、たった1週間でクレジットカード1枚相当のプラスチックを飲み込んでいることになるのです。
そして、問題はプラスチックを飲み込むことだけではありません。私たちの体内に入るプラスチックは様々な物質によって汚染されている可能性があるのです。
例えば、プラスチックの透明度を上げてくれるビスフェノールA(BPA)という物質は、私たちのホルモン系を阻害する可能性が挙げられています。またフタル酸ビス(DEHP)というプラスチックの可塑性を向上させる性質は、ラットにおける実験で発がん性が確認されています。
また、プラスチック粒子は、その表層で有機有害物質を吸着し、濃縮してしまうことが知られています。こうした有害物質は残留有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants:POPs)と呼ばれ、難分解性、高蓄積性、長距離移動性、有害性が指摘されています。
さらに、こうした有害物質の危険性を高めるのが、生物濃縮です。化学物質が、生態系での食物連鎖を経て、生物の体内に汚染物質が濃縮されてしまうというこの現象。例えば、カキを食べると、食中毒を起こすことがありますが、こうした現象の生物濃縮が原因になっています。生物濃縮による汚染は、食物連鎖の上部にいる人間にとって、かなり大きな影響があるのです。
私たち人間にとっても深刻なプラスチック汚染。少しでも解消するためにはどのような取り組みをしたら良いのでしょうか?
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