IT初心者の事務員がノーコードで業務の自動化に挑戦したら、会社公認の社内サークル活動に発展して組織文化が変わった話 | データで越境者に寄り添うメディア データのじかん
会員ページへmember
カテゴリー
キーワード

IT初心者の事務員がノーコードで業務の自動化に挑戦したら、会社公認の社内サークル活動に発展して組織文化が変わった話

特集「プロトタイピング・プロトピア」は、DX・イノベーションなどでも注目が高まる良質な試行錯誤を引き出すプロトタイピングを活用し、昨日よりも今日よりも、ほんの少しだけでもより良い状態を目指し活動される方々を特集で追って参ります。

         

特集「プロトタイピング・プロトピア」の第一弾は、プロトアウトスタジオ 菅原のびすけさんがアナログ業界や現場の方々をお招きしてデジタルやテクノロジーを活用している話などを伺っていく‎Podcast「プロトアウトラジオ」から。

食品検査会社で働くIT初心者の事務員の方が、業務の自動化に挑戦していたら、会社公認の社内サークル活動に発展し、社員が自発的にデジタルツールを用いて業務改善を実践する組織文化が醸成されたという素敵なお話です。


のびすけ:この番組では、アナログ業界や現場で働く人たちがデジタルやテクノロジーを活用して試行錯誤している話を聞いていきます。今日はむらかにさんにお越しいただきました。よろしくお願いします

むらかに:よろしくお願いします

のびすけ:はい。ということでむらかにさん、軽く自己紹介をお願いいたします

むらかに:はい。むらかにです。私は某小売グループの品質管理支援を行う会社に勤めておりまして、その会社の食品検査を行う部門で、検査品の受け付けや報告書の作成などの事務の仕事を担当しています

のびすけ:なるほど。某小売ですね笑

むらかに:はい、某小売です。

のびすけ:むらかにさんは、僕が運営しているスクールの卒業生の一人で、スクールの卒業制作前の宿題などでもいろいろな取り組みをされていました。そして卒業後もnoteなどでその後の取り組みについても発信されています。その辺りのお話などを今日は聞いていきたいと思っております。まずはざっくりと、受講するタイミングでのモチベーションやきっかけ、会社の中で声がかかったと思うんですけど、とはいえそこで多分、ご自身で手を挙げられたと思うんですが、その理由はなんだったんですか? その辺りの経緯とか、どういった感じでスクールに入ったのかとか、もともと課題意識があったのかとか、その辺りのことを最初にお聞きできればと思います

むらかに:最初は自分自身ではあまり課題意識はないような感じだったんです

のびすけ:はい。

むらかに:それで、上司が「これ受けてみたらどう?」といった感じで勧めてくれたというのがきっかけです。当時は、エクセルのVBAをちょっと覚えたところでした。それで、事務作業をちょこちょこと自動化している私を見て上司が「こういう研修があるからやってみたらどう?」といった感じで言ってくれて。それがなかったら多分申し込まなかったなと思うので、今は上司にはすごく感謝しています

のびすけ:面白いですね。先ほど事務を担当しているというお話があったんですけど、むらかにさんのいる部署ではVBAとかそういったものはもともと触るようなことが必要とされていたんですか?

むらかに:いいえ、全くそういったものに触るような部署ではなくて。ある時、ちょっと仕事をごっそり丸ごと他ほかからうちの部署に移しますといったことがありまして。その際に印刷された数字をエクセルに打ち込まなくてはいけないということになり

のびすけ:なるほど

むらかに:印刷された数字はもともとデータがあったんですけど、そのデータと打ち込む順番が違うのでもう、人が手入力するしかありませんでした

のびすけ:なるほど

むらかに:ですので、「え? これやるの?」というのが最初のモチベーションです

のびすけ:ああ、じゃあ面倒くさいと思ったわけですね?

むらかに:もうこれ耐えられないと思いました。1行1行定規を下げながら「はは2」とか「3」とか数字を入力していかなくてはいけなくて、「いや、これはないな」と思ったんです

のびすけ:へえ。でも、それでVBAを。自主的にということですか?

むらかに:そうです

のびすけ:いや、それすごいな。そこでその面倒くさいと思う人と根性運用でなんとかするタイプがいると思いますが、周りの人はどうだったんですか?

むらかに:周りの人は黙々と入力されていました

のびすけ:じゃあ、その中でむらかにさんは面倒くさっと思って?

むらかに:もうこれは駄目だと思って

のびすけ:なるほど。では、上司がその適正を見抜いていたのかもしれないですね

むらかに:そうですね。もう面倒くさいのは本当に駄目なタイプなんです、私は

のびすけ:なるほど。それまでは、そういうITツールというのか、テクノロジーとかデジタルみたいな、そういう領域ってどれくらい触られていたんですか? プログラミングとかは初めて?

むらかに:そうですね、はい。もうそうした領域とは、全く関係ない仕事で。私、転職して今の会社に入ったんですけど、今の会社が2社目なんです。新卒で入った会社も、プログラミングと全く関係なくて。食品の異物分析というのをやっていました。結構マイナーな仕事なんですけど、食品の中に、例えばハンバーグの中に硬い物が入っていてクレームになりましたといった時に

※写真はデータのじかん編集部のあくまでイメージです。

のびすけ:はい。

むらかに:その硬い物が何かというのを特定する「科捜研の女」のような、そういう感じの仕事だったんです

のびすけ:へえ、すごいマイナーというか、周りで聞いたことがない仕事ですね

むらかに:そうそう、聞いたことないような、そうなんです。それで、今の会社に入ってからの事務の仕事でも全くITに触れる機会もなく、エクセルもSUM(関数)しか使えないというようなレベルだったんですけども、面倒くさいのだけはもう勘弁してくれということで

のびすけ:そのちょっと前職、興味本位なんですけど、前職のその異物分析というのは、特にテクノロジーを駆使するわけではなかった?

むらかに:テクノロジーは駆使しているんですけど、ITではないという感じです

のびすけ:ITではない、テクノロジーだったんですね

むらかに:入れると元素が測れる機械があって、骨だったらリンとカルシウムが出ますといったような

のびすけ:なるほど

むらかに:感じなので、全くITではないですよね

のびすけ:それまでだとその機械を使うという感じのテクノロジーだけ?

むらかに:そうですね

のびすけ:はい。じゃあ、その機械でITがどうこうという話はあまりなかったんですか?

むらかに:そうですね、はい

のびすけ:分析結果を見てさらに分析をするみたいなことですね

むらかに:はい

のびすけ:なるほど、面白いな。そういう流れで今、小売りの所に転職を

むらかに:はい。そうですね、はい

のびすけ:面白いな、それって。これはまたちょっと関係ない話かもしれないですけど、それはどういった経緯でなんですか?

むらかに:その異物の分析という仕事を7年半もやって、もう正直、やりたくないなというのがあって、もう飽きたみたいな感じに

のびすけ:単調な感じがということですかね?

むらかに:そうですね。意外ともう、ずっと同じような内容と手順でやるといった感じで。これ以上、成長できないのかなみたいに思って。そこで、たまたま今の会社が事務の仕事で募集していたので入れてもらったという感じです

のびすけ:ああ、じゃ、その辺りからいい意味で飽き性だったのかなって

むらかに:そうですね。もうだいぶ飽き性です。ちょっと単調な業務だけだと続けられないみたいなところがあります

のびすけ:ああ、でもそういう領域で何か作ったりとかやっている人って結構飽き性とか、単調なことが苦手とか多いんですよ。だからいろいろと自動化させたいという人が結構いるので

むらかに:そうですね

のびすけ:いや、すごい適正を持ってますね。それは

むらかに:はい。「やったー!」みたいな

のびすけ:みたいな。じゃあ、上司からの話があって受講してみたといったところで、課題意識は特になかったってことだけど、どうですか? 実際にプロトアウトスタジオを受講してみて、その後、会社の中の課題を見つけていろいろと実装していったと思うんですけど、その辺でのちょっと印象に残っている出来事とか、「大変だったな」とかがあれば、ざっくりとでいいので教えてください

むらかに:そうですね。やっぱり課題を見つけるということ自体がめっちゃ大変だなってというのは思いました。ですので、私、他力本願なのでもう、みんなに声をかけて「課題ください」と言って。それで、集めたという感じです

のびすけ:へえ。で、チームメンバーは何人ぐらい?

むらかに:チームメンバーはうちのグループだけだったら私も入れて6人なんですけど

のびすけ:ほかのグループも含めると?

むらかに:もっと、大きい部という単位だと結構多くて、何人ぐらいかな? 2、30人いるという感じです。もうみんなにメールを打って、〈こういう研修に出てるのですみませんが、課題を教えてください〉って。〈自動化できそうだなって思うやつを教えてください〉みたいな感じでやってましたね

のびすけ:すごい。じゃあ、2、30人ぐらいの人たちを

むらかに:はい

のびすけ:こう、巻き込んだという感じですね

むらかに:そうです。ちょっと巻き込んだというか、もう本当に助けてくださいみたいな感じで

のびすけ:ううん、すごいな。それだけの人数を巻き込もうとするとなかなか大変ですよね。課題が行ったり来たりしませんか? 行ったり来たりというのかな。人によってはめちゃめちゃでかいことを言ってくるとか、そういうのはありませんでしたか?

むらかに:そうですね。「あ、それはちょっとできないですね」みたいな時もありましたけど、いろいろ出してもらうとその中でこう、選り分けられるのでもう、先入観なくいっぱい出してもらったほうがいいのかなと思います

のびすけ:なるほど。学んだ事象、その技術、テクノロジーも学んだとは思うんですけど

むらかに:はい

のびすけ:それ以外のところも含めて学んだところで印象に残っていることはありますか?

むらかに:やっぱり印象に残っているのが、プロトアウトの研修に参加する前は本当に、一番大事なのは技術だと思っていたので「私、全然ついていけなかったらどうしよう」みたいなことでした。そういう不安、不安不安でたまらなかったんですけど

のびすけ:はい。

むらかに:参加して思ったのは、そうした技術そのものよりも身の回りの課題を発見して、周りを巻き込んで試行錯誤していくということのほうが、現場を改善していくためには重要度がめちゃめちゃ高いなというのに気づいたというのがあります。何かの本で読んだんですけど、AIにできないことっていうのが「リーダーシップを執ること」というのと、「問いを立てること」というのがありまして

のびすけ:ああ、問いを立てるってことですね

むらかに:うん。答えを出すのはできるんですけど。ですので、「あ、これまさにこれなんじゃないかな」というのをちょっと思いました

のびすけ:確かに、本当にしつこいくらいに「何がやりたいんだ」という問いが飛んで来ますからね

むらかに:そうですね。課題が出てこないみたいな感じで

のびすけ:そうですね。では、そろそろ作ったものの話をちょっと聞いていきしょうか。その当時のお話で、ちょっと僕の手元で今、noteの記事を開いてるんですけど

むらかに:はい

のびすけ:やっぱりあれですよね、押印の?

むらかに:そうです。押印は駄目と言われて

のびすけ:押印のお話し、その辺りをちょっと紹介していただけますか?

むらかに:講座の最終制作でPower Automate DesktopのRPA機能を使って社内システムを操作し、報告書を発行するという業務の一部を自動化しました。そのプロセスの中に報告書に会社のはんこを押すという作業、工程があったんですけれども、それが社内規定に引っかかるので「駄目です」と言われまして。で、「ええ!」となって。で、そこは「駄目です」と言われてもう、一連の流れをこう全部自動化したかったんですけど、真ん中の辺りをブツっと切られてしまったというのがありました

のびすけ:そうあれ、ここのね。技術的にはできるのに社内の人間のフロー的なことでできないみたいな話はめちゃめちゃ面白いなと思って。いろいろなところであるんだろうなと思いつつ

むらかに:はい

のびすけ:「あ、ここで出てきたか」みたいな感じでしたね

むらかに:はい

のびすけ:でも、この時点では世の中的にというか、会社の制度的に追いついていないから、いったんしゃあない。でもほかの分析したプロセスの中で、「ここは自動化できそうだからここはやる」みたいな感じで、むらかにさんがまとめていったような気がしていて。考え方としてその業務の細分化みたいなところがちゃんと考えられていないと、そこの途中のフローがNGだから全部駄目みたい感じで終わってしまいがちではないですか?

※写真はデータのじかん編集部のあくまでイメージです。

むらかに:そうですね

のびすけ:そこがむらかにさん、すごかったなというのはその時思いました

むらかに:ありがとうございます

のびすけ:いや、そしてそういったことをやりつつ、プロトアウトの受講時のタイミングだったと思うんですけど、その後ですよね。いや、ちょっとね、僕も本当にその後の話めっちゃ聞きたくて結構、Twitterとか、noteとか、こっそりと拝見しています

むらかに:ありがとうございます。ちょっと書かなきゃと思っているところです

のびすけ:どうやらカリキュラムが終わった後に会社の中でそういう業務効率化などを行うようなサークルみたいなものを立ち上げて、会社の中で活動しているみたいな感じの話のnoteを見て、その辺りのお話をちょっとお聞きしたいなと思うんですけど、どんな感じのことを今やられてるんですか?

むらかに:はい、「私がプロトアウトの研修で習ったようなことを社内に還元したいな」というふうに思いまして、社内でデジタルを活用した業務改善のための勉強会を立ち上げたんです。弊社は300人規模の会社なんですけれども、メンバーは今17名です。それで、社内で小集団活動といって、こう自発的に

のびすけ:小集団活動?

むらかに:あ、そう。小集団活動というのがあって、自発的にグループを作ってこう何かしらの業務改善を行う活動が推奨されているので、その流れに乗っかって始めたという感じになります

のびすけ:へえ。あ、じゃあそういう少人数でちっちゃなサークルを核に活動しましょうというのは、もともと推奨されている雰囲気の中で?

むらかに:そうです、はい

のびすけ:いや、それはすごくいい。会社としてめっちゃいいですよね

むらかに:はい

のびすけ:その中で今17名というお話でしたが、その17名は自発的に手を挙げて来た感じなんですね?

むらかに:そうですね。〈ちょっとやりませんか〉というのを、人事のほうから社内全名板に流してもらって。それで、言ってきてくれた人たちです

のびすけ:すごいな。その17名はみんな、むらかにさんとは別の業務をされているんですか?

むらかに:そうです、はい。違う業務です

のびすけ:どんな業務があるか、言える範囲で教えてもらえますか?

むらかに:それはですね、本当にうち、食品検査をやっている部門分なんで、微生物検査やっていますとか

のびすけ:微生物検査

むらかに:理化学検査やっていますとか、本社で食品開発の仕事やっていますとか、結構本当に幅ひろというか

のびすけ:食品開発の支援もあるんですね?

むらかに: そうですね。そのグループ内で取り扱っている物というので。私も本社の仕事のことをあまり知らないというのもありますが。はい、ですね。それで勉強会と言ってるんいってるいんですけど、誰かが教えるみたいな感じの会ではなくて、基本的にはメンバーが自由に自分が作りたいものを作って、月1回集まってその進捗を共有したりとか、「ここ止まっちゃうんですけど、分かる人いませんか?」みたいな、困っていることを相談するような会なので、毎回積極的に参加してくれる人もいるし、1回も参加しないみたいな感じの人もいて。Teamsだけは見ているのかな、みたいな感じの人もいるので、メンバー間の力量差も結構ありまして。すごくバリバリできる人は本当、プログラムを書いて何かAPIからデータを取ってみたいな話を言っていて。そんなでもないという人は「これまでは電卓で、手計算でやっていました」というような方もいらっしゃって

のびすけ:はい。

むらかに:それを「エクセルに関数を入れて計算するようにしました」という感じです

のびすけ:それでも大変なことですごい!

むらかに:それでも本当にいいと思っています、はい。本当にそういう人たちが集まっているというのが私の中で「すごい、それいいな」と思っていて

のびすけ:いや、ほんとですよね

むらかに:それで、プロトアウトの研修に行った時に、ライトニングトークのセミナーを聞くというような機会があって

のびすけ:LTですよね

むらかに:はい。そこで、「できる人もできない人も集まって学びを共有するのが大事です」というお話があって、「ああ、これはいいな」と。その時「あ! できてるじゃん、私」と思って

のびすけ:社内LT会みたいなことができているということですね?

むらかに:そうです

のびすけ:すごい

むらかに:それでちょっと自分の中で感動してしまったみたいなことがありました

のびすけ:いや、それはすごいな。それすごいですね。いや、すごいな。だって別にね? だからそれってプロトアウトと関係ない人が入っているということになるので、もともとそういうのをやりたいという人たちが実はいたということにつながりますね?

むらかに:そうですね。結構そういったことがもともと好きな人たちがいて、私はちょっとだけPower Automateの話をしただけなんですけど、この会がきっかけで「Power Apps触ってみました」みたいな人とか、「マイクロソフトのAccess使って自動化することもできました」とかという人も中にはいらっしゃいます。私も全然知らないような話を教えてもらえるので、すごく自分の勉強にもなっています

のびすけ:それめっちゃいいですね

むらかに:はい

のびすけ:実はそういう人たちがいたというのがめちゃめちゃいいですね

むらかに:そうですね、はい

のびすけ:会社の上層部の人たちがよく「うちの社内にはいないから」と言って社外の人とよく分からないことをされるようなことがありがちですけど、いいですね。社内にもやっぱりいるんだな

むらかに:その人たちとのつながりが持てたというのがすごく良かったなと思っています。誰が何に詳しいのかが分かって、「じゃあこの話は○○さんに聞けばいいんだな」というのが分かったというのは大きかったなと思います

のびすけ:なるほど。それ、めちゃめちゃでかいな。すごいな。そうした活動を始めて今、どれくらいになるんですか? 何ヶ月ぐらい?

※写真はデータのじかん編集部のあくまでイメージです。

むらかに: 9月ぐらいから始めたから

のびすけ:半年とか?

むらかに:9、11、12、1。5ヶ月ぐらいです

のびすけ:今は来る人来ない人がいて、たまに集まりがあるかもしれないという、そういう感じです?

むらかに:そうですね。来年度の4月からは、月1回は集まりたいなと思っていて、細々とですが続けていこうと思ってます

のびすけ:すごいな。いや、どこの会社でもこれをやりたくなるぐらいの成功例っぽい

むらかに:本当ですか。いや、でも私はミーティングの日程調整くらいしかしていないので

のびすけ:最高じゃないですか

むらかに:それで、集まって教えてもらおうみたいな感じの勉強会です

のびすけ:すごいな、それ。めちゃめちゃナレッジがあ上がりそうな。どういうふうに募集文言を書いているんですか? いろいろ聞きたい人はいっぱい聞きたいだろうな。すごいな。いや、やっていて何か大変というか、苦労したとか、そういう話はある? あんまりない?

むらかに:勉強会についてはもう、苦労するほどやらないというのを自分の中で決めていて

のびすけ:ああ、いいですね

むらかに:長く続けるために

のびすけ:はい。

むらかに:レベル差も結構あるので、あんまりこう「みんなでこのレベルまでやりましょう」となったら多分、参加する人もしんどいと思うんです。だからもう参加するのも何をやるのも自由、それで緩くつながっていって。困ったら助け合いましょうといった感じで、がんばらない。「がんばらないことをがんばる」みたいな感じにしようかなと思っています

のびすけ:なるほど、へえ。会社の風土がそういう感じなのかなとちょっと聞いてて思ったんですけど。やっぱり上の方たち、例えば社長とか取締役とか、その辺の人たちも結構そういう風土を大切にしていたりする感じなんですよね?

むらかに:そうです。会社としてはもう本当にデジタルに変革していかなければいけないという具合で、もう押し押しなんです!ですから今、参加してくれているメンバーも何かしら自分もデジタルに関わらなければいけないというような気持ちはみんな持っていて。ですので、割とこう、主体的に参加してくれているのかなと思っています

のびすけ:それってめちゃめちゃ僕らの思想に合っていていいですね。デジタルを使っていこうみたいな話をすると、どこかのITコンサルを入れたりだとか、どこかの開発会社に投げるだけで「デジタルやっています」とか言う上の人って世の中見ていると結構多いので、そこがいいですね。御社の風土めっちゃイケてます

むらかに:良かったです!というか、うち多分、お金がないからコンサルを入れられないんじゃないかなと思ってるんですよ

のびすけ:それはでも意外と大事なことだと思いますけどね。世の中の人たち、お金があるからそれで投げるっていうだけでは、いいものはなかなかできてこない。時間もかかるので、お金だけかかってしまうみたいなことになって。それで、結局何も変わらないみたいな話をよく聞くから、むしろ御社のやり方のほうがいい気がしますけどね

むらかに:良かったです。コンサル入れるにしても自分の業務の話は、結局自分たちでしか分からないこともあるので。結局そのITの会社に任せるとしても、何をやるかは私たちが決めなければいけないというのはあると思うし、そこが自分たちでできるようになったらいいなというのはあります

のびすけ:へえ、面白いな。いや、会社がすごくイケてる感じの印象ですね、それは

むらかに:いや、だったらいいなー、本当に。でもそんなにすごく進んでいるわけではなくて、本当に今ある既存業務をなんとかRPAを使って自動化するという程度ならなんとかいけそうというぐらいのレベルなので。DXの本質が、「今ここにいる所からあっちの島まで泳いで行くぞ」みたいな話だったら、今は「ちょっと波打ち際でちゃぷちゃぷしています」という感じです。一応、「海には入った」という感じですかね

のびすけ:DXって言葉もいろいろいろなところで、いろいろな文脈で使われているので

むらかに:はい

のびすけ:ちょっと何とも言えないですけど、僕はそれが本質じゃないかなと思ったりはします。「ITベンダーを入れてデジタル化しました」では、今までの流れと何も変わらない。何も変わっていないので、やっぱり自分たちが変わるというのがすごく大事なんじゃないかなとは思いますけどね。でも、そのお話を聞いていると、むらかにさんは卒業後もめちゃめちゃいい感じに進んでいるというか。それで、今もコミュニティ的に社内でできていていい感じだなと思うんですけど、逆に終わってから今に至るまでやってみて見えてきたさらなる課題感とか、もっとこうしたいみたいな展望とかはあったりしますか?

むらかに:そうですね、課題感としては、個人で今作っている自動化なんとかを、もうやめたいというのがあるんです。そもそもこの自動化ほにゃららを作らなくてもよいというように業務フローをもう大きくガッツリ変えたら、もっと楽になるのにというふうに考えています

のびすけ:確かに自動化の、そうですよね。RPAとかをやれるようになったらなおさら思いますよね

むらかに:そうですね

のびすけ:そもそもの業務フローがこうでなかったら必要ないものですもんね

むらかに:そうなんです

のびすけ:確かに。じゃあそういうのが、「面倒くさいよね」と思う範疇がより広がったということですよね?

むらかに:そうなんです。より大きく面倒くさくなってきたようです

のびすけ:そうですよね。これはでも本当に大事なことですよね。やっぱり手段を知らないと面倒くさいとすら思わないですから

むらかに:そうですね、はい

のびすけ:そっか。手段を知ることによって面倒くさいと思う範疇を広げてしまった責任が僕らにはあります

むらかに:そうです。やりたくなくなってきています

のびすけ:そうですよね。そう、これね、本当にいろんな人に言われますけど、こういう世界を見せてしまった責任は当事者として取らないといけないんじゃないかといったようなことですよね。「あなたたちがやっている業務は面倒くさいんですよ」というのを知らせてしまったので

むらかに:そうですね

のびすけ:そうなんですよね

むらかに:本当、責任を取ってもらわないと笑

のびすけ:積極的に責任を取っていかないといけませんね笑。どういう形かでよりも、今のお話だとやっぱり業務フローが丸ごと変わるように全体で変わっていってとか

むらかに:そうですね、うん、うん

のびすけ:もっと上のほうから変わるように何か働きかけるとか。そういう動きが今後できていくといいのかなという話ですよね

むらかに:そうですよね

のびすけ:むらかにさんたちの少人数での活動は、そうしたことのきっかけ作りにもなるのかもしれません

むらかに:少人数ですけど続けていけば、はい。やっぱり今までどおりをずっと繰り返しているとそこにも気づけないので、気づくためのいいきっかけになったなというのは思います

のびすけ:そうですよね。ここからもしかしたらオフレコになるかもしれませんが、ちょっと聞いてみたいことがあるんですけど

むらかに:はい

のびすけ:ちょっと風の噂で聞いたんですけど

むらかに:風の噂?

のびすけ:そういった取り組みが会社で認められて、昇進か昇給につながるんじゃないかという話題が出ているというのを、風の噂で聞いたんですけど

むらかに:あ、私ですか?

のびすけ:はい

むらかに:いやいや、それは噂ですし

のびすけ:やっぱりオフレコですか?

むらかに:いえ、それはないです

のびすけ:それは、そういう噂を聞いたんですね? 違いますか?

むらかに:上がったらいいなとは思うんですけど

のびすけ:そっか。じゃあこれはオフレコのままだな

むらかに:でもちょっと、ボーナスの査定は良かったです

のびすけ:おおおおお、すごい

むらかに:そこは嬉しかったです

のびすけ:はい、それはあれですか? 感覚的にはこういった活動が認められたからですか?

むらかに:そうですね。おそらく

のびすけ:めっちゃいい

むらかに:「あ、やったあ」と思って

のびすけ:めっちゃいいな

むらかに:はい

のびすけ:いや、もしこのラジオのこの項目を聞いている偉い方がいたら、こういうところまでやっていただけると

むらかに:そうですね、やっぱりそういうのは大事ですから

のびすけ:大事ですよね

むらかに:大事だと思います、本当に

のびすけ:大事ですよね。いや、今こういうプロトアウトとか、まあプロトアウトじゃなくてもそうかもしれないですけれど、本業ではないところの人がデジタル領域でがんばって業務を効率化するというのが、個人の活動としてちょっとがんばっていますみたいな人がめっちゃ多いじゃないですか

むらかに:うん、うん、うん

のびすけ:でもそれが会社の活動として認められて評価されるスケール、給料も上がるみたいなところまでいかないと

むらかに:それは大事ですね

のびすけ:回らないですよね、やっぱり

むらかに:そうですね、うん、うん

のびすけ:がんばったけど認められないというのがずっとになってしまうから

むらかに:そうですね

のびすけ:ちょっともし、聞いてる上の方がいたらですけど、そういうところまでやらないと途中まではみんながんばるんだけど、評価されないなとなってやめてしまうんですよという話ですね

むらかに:そうですね

のびすけ:でも、すごいな。ボーナス査定良かったって

むらかに:良かったです。いまだかつてない感じだったので、「やった!」ってなりました

のびすけ:すごい

むらかに:はい

のびすけ:すごいな。いや、ちょっとそのうちもしかしたら、そういった活動をきっかけに昇進・昇給みたいな

むらかに:そうなったらうれしいですね

のびすけ:ボーナス査定が良かったというのはいい兆しですよね

むらかに:はい、いいですね

のびすけ:すごいな。いやあ、これはいろんな会社にまねしてほしいなと思って

むらかに:そうです、確かに。うん、うん。モチベーションが上がりますから、もっとがんばろうみたいな感じで、はい

のびすけ:結構あれですか? 本業の仕事の業務時間に取り組んでいる感じですか?

むらかに:はい

のびすけ:業務時間をそういうのに使っていいとか、そういうのもあるんですか?

むらかに:そうですね。業務時間にやっています、はい

のびすけ:ううん

むらかに:自動化するほにゃららみたいなのは、はい。

のびすけ:じゃあ、例えば、それを業務中にやっても全然問題ない?

むらかに:はい。それはもう全然。だって業務ですから

のびすけ:こう、むらかにさんのお話を聞いていると、どうしても厳しいという人も

むらかに:そうなんですね

のびすけ:たまに見るので

むらかに:はい

のびすけ:そこ、そこはだいぶ違いますね

むらかに:そうですね。多分持ち帰り仕事になると逆に「家でやらないでください」と言われるタイプのお話じゃないかなと思います

のびすけ:すごいな。いや、こんなに綺麗過ぎる事例を聞いているという。すごいなあ。そういう新しい部署みたいな感じで、そういうふうにできていくのが理想なのか、今、会社の中の全部署がそういうふうになるのが理想なのかというと、どうなんですか? 会社とかむらかにさん的にはどういう働き方、どういう形を目指しているんですか?

むらかに:会社的には多分、今いるその部署でそれぞれが自分の現在の仕事をどう変えたらより効率的で、よりお客さんのためになるかというのを個人個人で考えて、どんどん変革の力をボトムアップでやっていってほしいというのが社長の願いだと思うんです

のびすけ:素晴らしいですね。いま僕、あえて二つの聞き方をしたんですけど

むらかに:はい

のびすけ:よくあるのが全社でDX推進ガイドラインみたいなものを作るでしょ

むらかに:はい

のびすけ:いやいや、それってもうそこに丸投げしようとしているというのが見え見えじゃないですかという。「DX推進」とか「デジタル推進何ちゃら」とか言った時点で責任逃れ。ほかの人たちは俺らの範疇じゃないよねっていうふうにしているというようにも見えるから。いや、そう、だから本来はそうですよね

むらかに:うちも一応、DXほにゃにゃら部というのはあるんですよ

のびすけ:あ、はい

むらかに:ただそこがやっているのがこう、新規事業的な話でして

のびすけ:はい。

むらかに:なので既存業務の新しいフローみたいなのはやっぱり、今いる私たちがやりましょうといった感じです

のびすけ:やっぱね、僕らのメッセージ的にも本当に全ての人がデジタル的な何かを活用して、自分の身の回りで手が届く範囲の何かは自分で作るとか、そういうふうになるといいなと思っているので。いいですね、そういう社長いいですね

むらかに:ありがとうございます。社長いいと思います、はい

のびすけ:はい、いいってそこでなっているな。それ、本当にむらかにさんすごいや。いや、いい。今めちゃめちゃ噛みあっている采配ですね、それは

むらかに:ああ、良かったです、はい

のびすけ:ざっくりと今後の展望、個人の展望みたいなものを聞きつつ、あとプロトアウトをこれから受講する人とか、こういった領域にこれから入る人とかにアドバイスみたいなものをいただけるといいなと思うんですけど、何かメッセージというかありませんか?

むらかに:いやあ

のびすけ:ざっくりと、どんな人が来るといいかなとか、がんばれとか。個人の展望と

むらかに:はい

のびすけ:後から続いてくる人への激励みたいなものを頂けるとうれしいなと

むらかに:個人の展望としては、このプロトアウトでちょっとですが、デジタルのことを教えてもらって私はすごく面白いなと思ったので、今の仕事にプラスでデジタルやITの技術を身に付けられたらいいなというふうに思っています。それでこう、大きく会社を変えていったりとか、私はほんと面倒くさがりなので、もっと仕事を楽にしたいとかというのがもう本当にありますので、楽に仕事をして、楽に勉強をして、毎日きらきらとした生活をするというのが夢です

のびすけ:いいですね。面倒くさがりってめっちゃ才能です。今お話していただいたこととか

むらかに:どう言えばいいですかね。やっぱりどういう人にいいかというと、面倒くさがりの人には本当にお勧めですというのはあります

のびすけ:事務職でも分かれますよね

むらかに:そうですね

のびすけ:面倒くさがらない事務職の方もいっぱいいますもんね

むらかに:本当にきっちりしている方はきっちりしているので、ちょっともう面倒くさいとなってしまいます

のびすけ:じゃあ、メッセージ的にはどうですか?

むらかに:あ、本当に私、この研修を受けさせてもらって割とこう大きく、人生に影響を受けたみたいなところがあるので

のびすけ:めちゃめちゃ、うれしい

むらかに:やっぱり他社の人とも知り合えたし、こういう活動をずっと続けていられるという研修というのもそれまでほぼなかったので、本当に受けて良かったなと思っているんです。ですので、今の仕事つまらないなとか、自分の殻を一回破りたいとかという人にはぜひぜひお勧めしたいと思っています

のびすけ:ありがとうございます。そしてむらかにさんには特に、そういうモチベーションがあったわけでもないんですよね?

むらかに:私には全然なかったです。いや、でも「ちょっとプログラムとかやるんでしょ」みたいなノリで、「絶対にできないわ」みたいな感じでしたよ

のびすけ:でも、そういったことをモチベーションにできる人にもということですよね?

むらかに:はい、そうですね。いや、本当にそうです

のびすけ:なるほど、それにしても、むらかにさんのその入り方を聞くと少し意外というか

むらかに:いや、もう「本当?」というような感じで入っていきました

のびすけ:僕は受講中のむらかにさんしかやっぱり知らないので、その頃の様子は知りませんでした。僕の印象だと最初からもうめちゃめちゃノリノリというか、そういう印象だったんですけど、別に主体的に参加したわけでもなかったんですね

むらかに:そうですね。主体的ではなくて。ただ各社1名ずつみたいな縛りがあったので、なんとなく私は社の代表なんだみたいな感じで

のびすけ:ああ、なるほど

むらかに:そういう気持ちを常に持っていました。ですので、初めてうちの会社から行くから、恥ずかしくないようにしようみたいな感じで。期待されているわけでもないのに、勝手に自分で社の代表として来たみたいに思っていました

のびすけ:ああ、なるほど。ということは、僕らのライブでどういう募集がかかっているかというのは、詳細までは分かっていなかった?

むらかに:はい

のびすけ:結構新鮮ですね、そういう感じだったんだなというのは

むらかに:そうなんです、はい

のびすけ:なるほど。でも、ということは、むらかにさんにとってテクノロジーどうこうというのは、そんなに主体的に変えようと思っていない人でも始めてみたら意外といろいろと変わるかもしれないという感じですか?

むらかに:そうですね。意外と合っているかもみたいなところはあると思います

のびすけ:それいいですね。やってみないと分かんないということもやっぱりやる前というか、特にこのカリキュラムだとプログラムをがっつり書くかとおいうとそういうわけでもないじゃないですか

むらかに:そうですね

のびすけ:いろいろなツールを使いこなして何かをやろう、何かを作ろうということなので。だから苦手意識があっても意外とやってみたらというのがあるんですよね

むらかに:そうですね

のびすけ:むしろそういった人のほうが面白いかもしれないですね。大きく変わったりすると

むらかに:そうですね。ギャップがすごいと思います、はい

のびすけ:なるほど。自分は向いていないかもと思っている人も、意外と変わるかもしれないということですね?

むらかに:そうですね、はい

のびすけ:はい。ということで、むらかにさんの今後の活動を楽しみに皆さん、まだ疑問

むらかに:ちょっともっと書かなきゃ

のびすけ:活動を開始して5ヶ月ぐらいということですが、周りからお話を聞いている感じだと、むらかにさんの周りの人たちがめちゃめちゃイケていますというような噂を聞いているんですが

むらかに:うん、イケています。いや、私はちょっとそれでも、本当に日程調整しているだけの人です、はい

のびすけ:それってコミュニティのオーガナイザー的には結構最強だなと思いますけどね。会社とかでもそうじゃないですか?

むらかに:はい

のびすけ:社長とかが暇なほうがいいとかというのも結構言いますし、コミュニティをオーガナイズしている人がちょっとしかやっていないけど、周りが動いているというのは理想的だと思うんです。ですから、ここはもっとどうやって運営しているのか、お話を聞きしたいという人が多いと思います

むらかに:はい

のびすけ:お問い合わせとか結構来るんじゃないかな。このラジオを聞いて気になった方はむらかにさんのTwitter、概要欄にあると思うので、DMとか、スパムはやめていただいて送っていただけるといいかなと思います。むらかにさんのその卒業時の記事とか、あとその後の記事とかも概要欄に貼っておきたいなと思いますので、ぜひ読んでいただけたらなと思います。じゃあ、ぼちぼちいい時間になってきたので、いったんこれくらいで締めたいなと思います。本当にいろいろ、いや、本当にイケてるなというのと、いろいろ噛み合ってて素晴らしいなというのと。本当にお手本になる話がめっちゃあるなと思って、めちゃめちゃ楽しくお話を聞かせていただきました。むらかにさん、ありがとうございました

むらかに:ありがとうございました!


本記事は「プロトアウトラジオ」に掲載されたコンテンツを許可を得て掲載しています。(配信日2023年2月19日)

 
×

メルマガ登録をしていただくと、記事やイベントなどの最新情報をお届けいたします。


データ活用 Data utilization テクノロジー technology 社会 society ビジネス business ライフ life 特集 Special feature

関連記事Related article

書評記事Book-review

データのじかん公式InstagramInstagram

データのじかん公式Instagram

30秒で理解!インフォグラフィックや動画で解説!フォローして『1日1記事』インプットしよう!

おすすめ記事Recommended articles

データのじかん会員なら、
全てのコンテンツが
見放題・ダウンロードし放題
 

 データのじかんメール会員でできること

  • 会員限定資料がすべてダウンロードできる
  • セミナー開催を優先告知
  • 厳選情報をメルマガで確認
 
データのじかん会員について詳しく知りたい方
close close