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トップ営業パーソンがウィズコロナ時代の営業テクを共有! 「SalesNo.1GrandPrixONLINE」リポート

         

コロナのピンチは、営業にとってチャンスになり得るのか

前半のパネルディスカッションの主なテーマは「コロナによって迎えたこのピンチは、営業にとってチャンスになり得るか」「これからの新しい営業のかたちを考える」など。各者はこれらの設問にそれぞれ次のように語った。

■パネリスト■
株式会社morich 代表取締役 森本千賀子氏
ソフトブレーン・サービス株式会社 代表取締役社長 野部剛氏
ウイングアーク1st株式会社 マーケティング本部 執行役員 本部長 久我温紀氏

「リモートでの営業を始めて1週間で『これは大きなチャンスになる』と私は思いました。なによりもまずは移動時間がなくなった。さらに、これまで決裁者との商談はだいたい2週間毎とかが常でしたが、オンラインだとアポイントも取りやすい。本日の橋口さんのプレゼンにもあったように、オンラインではノンバーバルのコミュニケーションが行いにくい。でも録音した商談を聴き直して自己分析するなどすれば、自分のオンライン営業のスタイルを見直す機会を得られ、解決の糸口も見つけられるはずです。もうコロナ前には戻れない、戻りたくないとすら感じています(笑)」(森本氏)

「大前提として『ピンチがチャンスになる』という言葉の捉え方がとても大事であると私は考えます。今日のプレゼンターのようなトップの営業パーソンは、物事をポジティブに捉える『イノベーター気質』の方が多いのではないでしょうか。ある意味、新しいゲームを始めたときのような感覚でオンライン営業と向き合いながら、多大な興味・関心を持って挑まれています。そういう方の営業はおのずとパフォーマンスが高くなります。また、マネジメントの観点において、オンラインという手法には大きなメリットがあります。それは、オフラインの営業は同行しない限り、部下の営業をリアルタイムで見てアドバイスすることができませんでした。オンラインでは、それが可能となり、人材育成・指導がしやすくなりました」(野部氏)

「営業における成果につなげていくための手段を考えるとき、『こうすれば勝てる!』というパターンはないと思います。これまでは営業パーソンそれぞれが持つ個性やアイデアが、自身だけが使える勝ちパターンになっていました。そのため、営業はフィジカル(身体的)な面に頼る部分も大きかった。しかしこれからの営業はフィジカルだけでなく、デジタルも必要になっていきます。長らく『暗黙知』の中で行われ、検証が難しいとされてきた営業ですが、それが今、データやファクトをベースに分析・改善するによって勝ちパターンを得られるものに、そしてスキルやノウハウを共有できるものになっているのです」(久我氏)

これからのトップ営業に必要なスキルとは

後半のパネルディスカッションで最も議論が活発だったテーマは「これからのトップ営業には、どんな人がなれるか」。パネリストはこの設問に次のように答えた。 

■パネリスト■
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長 横山信弘氏
株式会社セレブリックス 営業企画本部 本部長 今井晶也氏
営業部女子課 代表理事ファウンダー ベレファクト代表 コナカ社外取締役 太田彩子氏

「オンラインやリアルに関係なく、これからはお客様が欲しがるものを提供するだけではトップセールスにはなれません。お客様の課題を解決するのはもちろんのこと、お客様がまだ気付いていない潜在的な課題を気付かせるテクニックが必要になるでしょう。例えば、先方がオンラインをやりたがらないのだとしたら『やらなければだめですよ』『私と一緒に勉強しましょう!』と啓蒙・誘発することを、営業がしなくてはなりません。『お客様が対応してくれないから難しい』と尻込みするようでは、成績は上がらないでしょう」(横山氏)

「これからは『コンテンツ・ファースト』の時代が到来します。すなわちコンテンツをつくれる人が勝てます。特に先行きが不透明な今のような状況下では、消費が鈍り、なるべくなら『今は買いたくない』し『買うならもっと先』。となれば、新規営業も苦戦し、やるだけ無駄になってしまいがちです。そんな状況下では、相手側から『指名』されるような人間(営業)になることが大切。自分をコンテンツ化し、有益な情報を提供し続けることで、『この人に相談したい』『この人に勧められたい』と思っていただくことができ、それが『指名』につながります」(今井氏)

「今井さんの『コンテンツ・ファースト』は私も大賛成。なぜならリモートになって移動時間を削減できた分、費やすべきなのは『事前準備』だから。リモート営業では今までの『会議にいけばなんとかなる!』がまったく通用しなくなってしまいました。私自身はリモート会議が始まる前段階でお客様の心理的期待値を上げておくようにしています。このとき効果的なのが、自社や自分自身のセルフブランディング。一風変わった方を紹介するテレビのバラエティー番組などが参考になりますが、例えば『シイタケだけを10年間栽培し続けた人』みたいなテロップが出ると興味を惹かれますよね? そうしたキャッチコピーが付けられるような自己プロデュース力が必要になっています」(太田氏) 

約3時間にわたって開催された「Sales No.1 Grand Prix ONLINE 」。ウィズコロナ時代、そしてその後の営業スタイルを考える上でのヒントがふんだんに盛り込まれたイベントとなった。今後も「データのじかん」では、イベントを厳選して取り上げ、そこで得られた知見を共有していく。

S1グランプリ(Sales No. 1 Grand Prix)
S1グランプリは、選考を通過したトップ営業パーソンが、プレゼンとロープレを実施し、審査員と参加者全員による採点でトップオブトップを決めるというもの。 全国の有志によるボランティア活動で運営されており、一緒に活動をする実行委員は年間を通じて継続的に募集している。


S1グランプリ団体情報:Sales No.1 Grand Prix
事務局住所:162-0063 東京都新宿区市谷薬王寺町52-6
Email:s1gp.staff@sales-no1gp.com
公式Twitter:https://twitter.com/s1gp2020

(取材・TEXT:JBPRESS+田口/稲垣/安田   PHOTO:Inoue Syuhei  企画・編集:野島光太郎)

 

 
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