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日本最大級のスポーツ・健康産業総合展示会である毎年恒例のイベント「SPORTEC2018」が、東京ビッグサイトにて2018年7月25日から27日の3日間に渡り開催されました。

SPORTECはスポーツ設備・機器、フィットネス機器、スポーツ用品、健康器具、介護機器、サプリメント、健康食品などが一斉に集うスポーツ・健康産業の日本最大の展示会です。スポーツ・健康産業は、2020年に向け、特に東京では注目を集めている分野でもあります。

そんな中、今回最も注目したのは、フィットネスジムの運営におけるITの力を使った最先端のデータ見える化システムです。フィットネスジムの運営システムを取材し、比較してみました。

スポーツジムに特化した会員管理システム

株式会社システムディが提供するフィットネス・スイミング施設の会員管理「Hello Ex」や株式会社ネスティが提供する総合スポーツクラブシステム「PeGasus F1 」シリーズなどのスポーツクラブに特化した運営システムは、スポーツクラブにおいて重要な業務であるフロント業務(来場管理、諸届管理、会員照会、売上処理機能)を始め、オフィス業務(来場・退会分析機能)、メール自動配信やインストラクターの管理などが簡単に行えるように設計された様々な機能が盛り込まれています。

それぞれの特徴を見てみましょう。

会員管理システム「Hello Ex」の特徴

株式会社システムディが提供する「Hello Ex」には、日々の諸届け管理、売上、来場管理から、月々の請求処理、さらには統計分析による退会予防のサポートなど、スポーツクラブの運営に必要な機能が基本機能として集約されています。このシステムの特徴としては下記の3点があげられます。

① 安全と安心

Pマーク(プライバシーマーク)、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などを取得しており、パッケージ開発会社として、セキュリティ面で信頼がおけます。

② 柔軟性と継続性

販売開始依頼の約35年間、延べ約800施設の導入実績を基に構築されたパッケージシステムです。お客様の個別のご要求にも短納期で、対応できるデータベースに構造になっています。

③ 先進性と発展性

基幹の管理機能だけでなく、Webをベースとした会員専用のマイページを始めとする各種Webサービス、24H施設への対応、タブレット端末を活用した入会対応、姿勢測定サービス、退会者予測分析等など業界ニーズをいち早くパッケージ機能に反映させたパッケージ製品になっています。

株式会社ネスティ「PeGasus F1」の特徴

PeGasus F1はフィットネスクラブ、スイミングスクールだけでなく、テニススクールやカルチャースクール、ダンススクール、ゴルフスクール、ヨガスタジオ・加圧スタジオ等幅広い分野で適用できるシステムとなっています。基本システムとオプションシステムから構成されており、これらの機能性を組み合わせて使うことで、多種多様なフィットネスクラブのニーズに対応できるようになっています。

PeGasus F1の特徴は大きく分けて3つあります。

① フロント業務の効率化

アルバイトや新人スタッフでも操作可能な画面設計で、タブレットからの操作も可能。タブレットシステムには手書きサインに対応した入金受付システムや諸届受付システムも組み込まれているため、フロント業務の省力化と入力作業が軽減されます。

② 会員向けWEBサービスの充実

わざわざ来店しなくても、自宅で会員情報の変更や各種諸届も可能となっています。スマートフォンやタブレット用に画面が最適化されているため、初めて利用する会員でも直感的に操作が可能です。

③ 戦略的情報システム

クラブ利用者の利用傾向を分析できる各種統計資料や、入退会、在籍状況を分析できる各種統計資料も豊富です。

また、見込み客やイベント参加者、退会者などに対する会員以外のサポートやシステムで用意されていない項目の追加、台帳、集計表などの出力帳票の作成追加により、会員増、売上増のための戦略ツールとして活用できます。

「今ある情報を今活かす!」:東急スポーツオアシスの挑戦

「Hello Ex」も「PeGasus F1」もスポーツジム運営に特化した優れたシステムです。しかし、そんな中、一風変わった挑戦をしているのが、東急スポーツオアシスです。

フィットネスジムが自分たちに必要なジム運営システムを構築しようとすること自体に不思議はありませんが、SalesforceとMotionBoard Cloud for Salesforceを連携させて構築したシステム「BeesConnect」は自社に蓄積されたジム運営テンプレートとして他社に提供し、ジム運営のノウハウそのものを商品化した「パッケージド・ソリューション」と呼ばれる形態の商品です。これは類を見ない事例で、東急スポーツオアシスが挑戦しているのはまさにそれです。

BeesConnectの特徴は大きく分けて4つあります。

① データの可視化

様々な場所に点在しているデータをMotionBoardを活用することで、一元管理し、可視化することで、データを直感的に把握することができます。例えば、営業成績や顧客分析、販促効果分析などをリアルタイムで常に「見てわかる」状態にしておくことが可能です。

② 進化し続けるシステム

今ある状態で完成ではなく、最新のICT技術などを積極的に採用することで、システムは進化を続けていきます。例えば、最新センサーを使って水質管理を行うことで、現場のスタッフの手間を減少させつつ、測定データや傾向をクラウドで管理できるようにしています。

③ 紙の書類の電子化

届出用紙を電子化することで、データの手入力の手間を省き、紙の削減ができるだけでなく、書類を電子化することで情報をより安全に管理することが可能となります。

④ 人材育成カリキュラム

システム導入が円滑に進むよう、そしてシステムの導入効果を最大化できるよう、セールス研修やシステム管理者講習などの人材育成カリキュラムもBeesConnectの一部として提供されています。

他社製品と大きく異なるのはどのようなところですか?と開発に携わった井上善太氏に質問してみたところ、「従来は基幹会員管理システムからBIを通してデータをダウンロードし、Excelで時間をかけて週一の会議用資料を作り、その報告後に対策を練るため、データ収集から活用までにタイムラグやデータ加工の手間がありました。キャンペーンの効果検証をキャンペーンが終わった頃に次回に向けて行ったりもしていましたが、刻々と状況が変わる未来にそれが活かされる保証はどこにもありません。今ある情報は今活かすしかない、ということで東急スポーツオアシスはMotionBoardを導入し、日々重要な指標を確認できるようにしました。その結果、資料を作る時間はなくなり、対策をリアルタイムに立てられるようなりました。おかげで、MotionBoard導入以降は初年度から予算に対して好調な状況が続いています」と説明してくれました。

この「今ある情報を今活かす」ことで得た成功経験を生かし「データはあるけど活用できていない」「BIツールをどのように活用したらいいのかわからない」「BIツールを導入したいけれど、導入にかかる費用と時間が捻出できない」という以前のオアシスと同じ課題を抱える企業に運営のノウハウ、BIツールの活用方法をサービスとして提供しているのが「BeesConnect」なのです。

東急スポーツオアシスでは、会員が煩わしいと感じる点を解消するとともに、より細やかなお客様対応をし、会員との関係をより緊密な関係に昇華させることを目指しています。同社では、このシステムを導入したことで、目に見える形で業務の効率化が図れているそうです。また、なにより大きな成果として、新規会員の獲得や既存会員の定着に関する目標値を、確実に達成できるようになったという結果が現れています。

進化するフィットネス業界の現場

私が以前大手パーソナルジムのカウンセラーとして働いていた頃、接客が終わった後も事務作業を行うために残業をしなくてはならないことが多く、接客に集中できない、という矛盾を常に抱えていました。もしも、その当時このようなシステムが導入されていたら、お客様のニーズに合わせながらカウンセリングをし、どのようなお客様がどういった商品を求めているのかなどの傾向も把握することができ、接客にもさらに集中して丁寧に行えたのでは、と個人的には感じました。フィットネスの現場における事務的な業務の効率化・削減は、解決されるべき、かつテクノロジーの力を借りることで解決可能な課題ではないでしょうか。

近年のスポーツ熱や健康志向の高まりを受け、様々なフィットネス形態が現れる中、実際には業界全体でみた市場規模はほとんど伸びていないのが現状です。ポスト2020年には需要の反動も予想されます。業界内の競争はさらに激化していくので、先手を打った体制を強化していく必要があります。

まとめ

今回のスポルテックには健康食品系が多く出店しており、健康食品業界の勢いを感じました。プロテインやBCAA、HMBなど多種多様なバリエーションがあり、試飲、試食するだけでもかなりの時間を要しました。

全体的には、フィットネスに通っている女性をターゲットにした女性向けの商品が今年はかなり増えているという印象を受けました。近年では、ベストボディ・ジャパンサマースタイルアワード(SSA)など見た目とポージングで健康美を競うコンテストが盛んに行われており、モデルやタレントがSNSでフィットネスに通いヘルシーな生活を送るのを見て、健康美を目指す健康志向な女性が増えてきているからかもしれません。とてもよい傾向のように感じます。

このように様々なフィットネス形態が増えている中、トレーナーの技術の向上やサービスなどの教育、提供する商品の質等ももちろん重要ですが、今回のデータ活用の取材により、お客様の傾向を迅速に分析し、ニーズにタイムリーに応じたり、事務作業の自動化によりスタッフの仕事が効率化をすることで、よりサービスの向上に力を入れることができるなど、データ活用が今後のフィットネスが多くの方に求められる鍵になるのではないかと感じました。「ユーザーの満足度アップ」「スタッフの業務負担を軽減」、この二つを同時に実現させるための効率的なデータ活用は今後より必要不可欠な要素となるだろう、ということを今回のイベントでは確信しました。

ヘルスビューティーアドバイザー
管理栄養士 高杉保美(たかすぎ ほみ)

【来歴】

大学時代に一人暮らしを始めたのをきっかけに、体重が45kgから57kgになり、約12kg増加。
大学を卒業し管理栄養士の資格を取得後、自信を取り戻すべくダイエットを開始する。
独自で食事法を考え、6ヶ月で-15kgのダイエットに成功。
・健康・美容に興味を持ち始め、専門的な知識を活かしたいと思い、RIZAP株式会社へ入社。チーフカウンセラーとしてこれまで2000人以上のカウンセリング、栄養指導を実施し、ダイエット成功へと導く。
・東急スポーツオアシスでサッカー選手の長友佑都選手とコラボレーションしたダイエットプログラム「NAGATOMO Method」の食事プログラムの監修を行う。

現在は、楽しくストレスフリーなダイエットと脳活性、アンチエイジングの食事法を広めるべくセミナー活動や個別指導を中心に活動中。

【活動内容】
☆セミナー講師☆
・美容・アンチエイジング(抗酸化、がん予防、)
・ダイエット(糖質制限、ケトジェニック食事法)
・フィットネススタッフ向け(栄養、カウンセリング)
・ビジネスマン向け(仕事効率アップの食事法)
・子育てママ向け(集中力、学習能力アップ食事法)

その他、コラム作成、食品プロデュース等

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