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本当はトクできる消費税増税?軽減税率の品目からプレミアム商品券まで、増税に伴う税率緩和政策を徹底解説!

         

1989年に消費税法が施行され、30年目の節目を迎える今年の10月、消費税が10%に引き上げられます。

増税後、消費者による買い控えが発生し、景気が冷え込むことを避けるため、政府は飲食料品や新聞といった日用品に対する軽減税率やキャッシュレス決済に対するポイント還元、さらには、低所得世帯に対するプレミアム商品券の配布まで、様々な“税率緩和”政策を検討しています。

そこで今回は、消費税増税で何が変わるのか?を徹底解説いたします。

消費税増税はなんのため?

まず、この度の消費税増税がなんのために行われるのか、を簡単にご紹介します。

財務省公式HPでは増税の目的を「高齢化社会における社会保障の財源のため」だと発表しています。さらに、増税対象として消費税を選んだ理由として以下の二点を挙げています。

  • 所得税や法人税を課税すると、現役で働く世帯のみが大きくなるが、消費税なら、高齢者を含め、国民全体で広く負担できるから。
  • 消費税の税収は、経済動向に左右されにくく安定した税と言えるから

徴収された税金はそれぞれ国や地方の財源に充てられます。配分としては、軽減税率の場合は国に6.24%、地方に1.76%、標準税率の場合は国に7.8%、地方に2.2%ということです。少子高齢化が加速する中で、社会保障費が拡大していることを考えると正しい対処のように思えます。

しかし、消費増税は、多くのデフレを引き起こし景気を悪化させるリスクが存在するため、景気が安定するまで、増税は引き伸ばされていました。

景気の安定を理由に増税が決定した後も、厚生労働省の実質賃金の統計不正などが発覚し、政府や国に対する不信感が高まる中で、増税を強行することに対し、今なお、様々な議論がなされています。

注目の軽減税率、対象品目を一覧でご紹介!

今回、軽減税率の対象となるのは飲食料品新聞(定期購読契約が締結された週2回以上発行されるもの)です。

飲食料品は食品表示法に規定する食品が対象ですが、外食などは「食品の譲渡」ではなく、娯楽のくくりに入るため、軽減税率の対象には含まれません。また、酒税法に規定する酒類も娯楽品ということで軽減税率対象外になっています。

さらに、インターネットを通じて配信する電子版の新聞は、「電気通信利用役務の提供」に該当し、「新聞の譲渡」に該当しないことから、軽減税率の適用の対象外となる、ということです。

品目

軽減税率の対象か否か

飲食料品

外食

×

宅配や出前

テイクアウト

ケータリング

×

老人ホームでの食事や学校給食

学食、社食

×

定期購読する新聞

定期購読する新聞の電子版

×

さらに、具体的な品目で見てみましょう。

品目

軽減税率の対象か否か

みりん

×(酒税法に基づき酒類に分類されるため)

ノンアルコールビール

○(酒類に分類されないため)

おもちゃ付きのお菓子

○(税抜価額が 1 万円以下であって、食品の価額の占める割合が 2/3 以上の場合)

ホテルの冷蔵庫に入っている飲料

○(食品の譲渡にあたるため)

ホテルのルームサービス

×(食品の譲渡にあたらないため)

コンビニの持ち帰り

○(食品の譲渡にあたるため)

コンビニの店内スペースでの飲食

×(食品の譲渡にあたらないため)

法律で定められる酒類や外食の定義に従って分類すると、直感に反することも多いため勘違いしてしまいそうな品目も多く、また、同じ商品を同じ店で買っても、その後の行動によって値段が変わるため、かなりややこしい印象を受けます。

キャッシュレス決済によるポイント還元、対象となる支払い方法やお店は?

さらに政府は、消費税増税対策の一環として、キャッシュレス決済によるポイント還元も検討しています。

対象となるのは、クレジットカードや電子マネー、スマートフォン端末利用できるQRコードで決済できるアプリなどの電子的に利用できる決済方法。

なお、この還元制度で還元されるポイントは最大5%。予算額は2800億円にのぼり、中小の店舗で買い物をした際に適用されるそう。期間は、2019年10月1日から2020年6月の9ヶ月間を予定している(2019年3月現在)ということです。

ポイントをどのように活用できるのか、などの詳細なサービス内容は今後、クレジットカード会社などの各決済事業者が公表する見通しです。

利用店舗

還元されるポイント率

大手スーパー

なし

コンビニ

2%

中小の店舗

5%

2万5000円分の商品券でトクするのは実質5000円分!プレミアム商品券の配布対象と使い方は?

消費増税の際に発行されるというプレミアム商品券とは、国が補助金を出し各自治体が発行する商品券で、購入時には金額の25%が上乗せされ販売されるそうです(例えば、1万円を支払うと、1万2500円分の商品券が購入できる)。ちなみに4000円から購入でき、最大で2万円(商品券価格は2万5000円分)まで購入可能だそう。

発行の対象となるのは、住民税が非課税の世帯2歳以下の子供がいる子育て世帯。ただし、準備期間や手続き期間を考慮し、0歳児であっても、6月2日以降に生まれた子どもは対象から外すことを予定しているということです(2019年3月現在)。

プレミアム商品券が利用できるのは、発行した自治体が指定する店舗のみ、使用期限は2019年10月1日から2020年3月末までの半年だといわれています。

消費増税の影響をできる限り緩和し、地方振興も狙うこの政策ですが、商品券の発行場所などは決まっておらず、まだまだ不透明なことも多い印象です。

消費税増税緩和政策のまとめ

今回の消費増税に伴う緩和政策をまとめると以下のようになります。

  • 消費税増税の目的は「高齢化社会における社会保障の財源のため」
  • 増税に伴う景気の冷え込みを避けるため、3つの“税率緩和”政策が検討されている
  • 一つ目は、飲食料品と新聞を対象に税率を8%に据え置きする軽減税率
  • 二つ目は、クレジットカードやQRコードによるキャッシュレス決済におけるポイント還元
  • 三つ目は、住民税非課税世帯と子育て世帯を対象にしたプレミアム商品券の発行

です。

税率緩和政策があること自体はありがたいですが、購入する商品や店舗、さらには同じものを購入する場合でも、商品の決済方法や購入後の行動によって消費税率は5種類にまで分類されるとあり、かなり複雑になっています。例えば、コーヒーを買う場合を考えてみましょう。

実質税率

購入方法

3%

中小の店舗でキャッシュレス決済で購入し持ち帰る

5%

中小の店舗でキャッシュレス決済で購入し店内で飲む

6%

コンビニなどでキャッシュレス決済で購入し持ち帰る

8%

コンビニなどでキャッシュレス決済で購入し店内で飲む/大手の飲食店でキャッシュレス決済で購入し持ち帰る

10%

大手の飲食店でキャッシュレス決済で購入し店内で飲む

複雑さ、伝わりましたか?

このように複雑に入り組んだシステムにおいて、トクするためには情報を把握しておくことが重要です。今回も、キャッシュレス決済や店舗選びをきちんとすれば、実質の消費税が3%と5%もトクできる可能性があります。

消費税増税ということでお金がかかることばかりに目が行きがちですが、きちんと情報を整理すれば、決して悪いことばかりではないのです。

この記事が、より良い家計運営の一助になれば幸いです!

参考引用サイト
キャッシュレス・消費者還元事業
軽減税率の対象となる品目 - 国税庁
消費税の軽減税率制度について(財務省)
消費税の軽減税率制度に関するQ&A(制度概要編)

(大藤ヨシヲ)

 
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