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小田商店の七転八倒DX紀行。その守り方・攻め方とは。社長も社員も楽しく働き、楽しく暮らそう。

徳島県徳島市にある水道設備機器販売会社・小田商店。地元密着型で70年。多品目の部品を扱いあらゆる施設の水回り設備やメンテナンスに対応しているが、その部材の多さにより作業が多く業務過多に。そこから20年。DX浸透により経営や勤務体制が日に日に変わり、経営者不在でも売上が伸び、社員も喜ぶ会社へと進化しつづけている。その紆余曲折ストーリーをこの度、徳島経済研究所主催のセミナーにて公開。前回の取材からの変化を追いかける。

         

「水の流れのように、自然な経営」を目指し、ティール組織という言葉が世に出る以前から経営者不在でも自走できる組織体制をつくろうと、徳島で水道設備会社の3代目社長として経営を進めている小田商店・小田大輔社長。

DX推進においては20年前から組織醸成に取り組み、68基幹もある社内業務をDX化に成功。近年では社員数がほとんど変わらない状態で約1億円の増収に繋げ、DXを前提に大阪の企業をM&Aするなど地元徳島から西日本へと徐々に経営を広げている。

ローカル企業の中でも最もDX推進での可能性を広げようとしている企業のひとつでもある小田商店。この取り組みをデータのじかんでは「Local DX Lab」に、また2022年10月に開催したウィングアーク1st主催「updataDX」ではトークイベントを実施して取り上げた。今回は、そのupdataDXをきっかけに、地元・徳島の経済や産業の発展を支援する公益財団法人徳島経済研究所主催で小田商店のDXセミナーが催されたため、その様子をレポートする。小田商店のDXの現在地、そして今に至る、小田大輔氏の経営者としての判断軸をお届けしていこうと思う。

写真左)有限会社 小田商店 代表取締役社長 小田 大輔氏
写真右)公益財団法人徳島経済研究所 上席研究員 蔭西 義輝氏
前半は小田氏の講演、後半は主催者である蔭西氏との対談がおこなわれた。

今回の開催の背景としては、公益財団法人徳島経済研究所の蔭西氏が当研究所の活動の一環として取り組んだ”徳島IoT活用研究会”の活動の一環で製造業の抱えている問題に直面したことがきっかけ。リアルタイムで出荷や仕入れを把握している企業はとても少なく、締め日当日に深夜まで残業しながら在庫確認をおこなう。そんな現場を見た蔭西氏はなるべく早めの改善が必要だという想いでいた。そんな最中、小田商店の事例をupdataDXのイベントで聞き、より詳しい話を県内で伺いたいと、小田氏を招聘した。参加者は、DXに関心のある地元企業経営者、IT企業社員を中心に数十名の有志が参加した。

父親が山一証券の倒産を期に引退。3代目社長に就任するも、理想と現実の差に危機感を抱く。

小田商店は徳島の水道設備機器販売会社であり、徳島市佐古にて1946年開業、1953年に有限会社小田商店として法人化。今年で70周年を迎え、小田大輔氏は3代目社長となる。

「私が入社したのがちょうどバブル崩壊後の1996年で、もうデフレまっただなか。当時は毎月毎月、物の値段が下がるといった恐ろしい状況でした。当時24歳で入社しましたが、ある日A4用紙の束をバサッと父親がもってきたんです。お父さんこれなんですか、って聞いたらこれはうちの在庫表だと。これ、俺がワープロ(ワードプロセッサという機械)の書院(※)でつくってるんや、と自慢げにいってきたんですよ」と小田氏。

そこで渡されたのは小さなメモ用紙。これはなんですかと父にふたたび尋ねると、どうやら棚卸では父親が部品の在庫数が書かれたメモを見ながらNECの書院でコツコツ伝票を起票していることがわかった。またも父が自慢げに小田氏に声をかける。「これからはお前がそれをやるんやで」といわれ、小田氏はめまいを起こした。

※書院 (しょいん) は、シャープ株式会社がかつて販売していたワープロ専用機のシリーズ

文字コード、商品コードもない。ただの走り書きのメモを見ながらの棚卸し。そして書院での転記業務。果てしない作業だと分かっていながらも、決算期を目の前にしぶしぶながら小田氏は父の指示に従い奮闘する。「100径のパイプ5本」とメモを書きなぐり、ワープロの前に移動して書院で起票してプリントアウト。それをひたすらやり続ける2ヶ月間。この日々がIT化を決意する第一歩となる。

その後、小田氏は友人の何人かに依頼をしてエクセルで在庫表のデータを作成する。そこで8000行の表を見て、初めて自社のアイテム数が8000件ほどあることを知り、商品コードをつけて単品管理をすればもっと効率化するのではと思い始める。

頭に描いていたのはセブン・イレブン。そこでセブン・イレブンのIT化の本を買い漁り、片っ端から読む日々。単品管理を現実化しようと2、3年ほど孤軍奮闘した。しかし実際適したハードもなく、あまりの商品数の多さに起票が重なるとワープロがフリーズを起こす状況に頭を抱える日々が続いた。その横で「な、できるわけないやろ。俺も考えたけど結局できんかったんや」と笑う父親。暗中模索の日々を過ごした。

そうして時は過ぎ、1997年11月24日、事件が起きる。夕方のテレビで山一証券破綻の一報がテレビで流れたのだ。母と2人で夕ご飯を食しつつニュースを眺め「山一の株持ってたら大変だったな、誰が買ってるんだろうね」と笑いながら会話をしていたら、怒り心頭の父親が登場した。「お前ら、俺の持株が全部パーになったのに笑いやがって!」と、そこで初めて父親が山一証券の株を持っていたことを知る。お父さんもってたんですね、そう声をかけるが、そのまま怒りながら父親は自分の部屋に消えていった。

そうして翌日、部屋から出てきた父親は、まるで憑き物がとれたかのような穏やかな表情で社長を辞めると突然の引退宣言を家族の前で表明した。経営感覚が鈍った、今日から釣りに出る、そんな父親に「投資と経営は違う」と続投を求めたが聞く耳を持たず。こうして、小田氏は20代の若手経営者となった。3代目社長の誕生だ。

しかしながら、現状はいまだ変わらずの跡継ぎ。状況は変わらないままだが、20代で若かったこともあり、小田氏は仕事の受注増に熱意を燃やす。採算を考慮せず注文を受けることを善しとした経営体制を引いていたのだ。まったく儲からないが、忙しい。活気はすごく、生きている実感こそあるものの、利益に反映されない。それを4年間続けた。忙しさに疲れた社内の雰囲気は徐々に悪くなった。

そして4年目の締め日直前。請求書起票に追われる営業3人と一緒に夜22時まで残業し処理を行っていた。ひたすら紙とワープロをにらめっこする営業マンに「来期は売上アップを目指そうな」と労いの声をかけると、ランナーズハイのようになった社員がひたすら笑い、こう小田氏に返した。「この売上でこの事務量なのに、売上が増えたらもっと業務量が増えますよね」と。その核心を突いた言葉に、小田氏はいよいよ事務の効率化を考えようと決意する。

業務分析、資金調達。中長期で取り組み、失敗を重ねて自社ならではのDX化に結びつける。

業務のシステム化に再び孤軍奮闘しようと、まずは業務分析に取り組んだ。1つのタスクを1つのマスごとに書き出し、作業のフローチャート化を行い、業務水準書を作成した。「システム化をしようとしたとき、業務の整理化、その業務や情報はどんな風に流れていくのかを把握していないと、今回はどこからどこまでをシステム化するかが見えてこないんですね」と説明するスライドにはおよそ68もの業務が並ぶ。最終的には社員に差し出してフィードバックをもらい、社員主導で業務水準書を完成させた。そこからありとあらゆるITツールを試行錯誤して実装していく。

業務水準書。68個の業務フローチャート。これをDIYでつくるのが組織醸成につながったそうだ。

まずはメモ書きからハンディターミナルで商品データを入力する体制にした。けれどもデータを打ち込んでいる間にも電話は鳴り、お店にお客様が来る、同僚は話しかけてくるで、年に何回も売上が反映されていない事件がおきた。次はバーコード読み取りができる電話機能のついたタブレット。まあまあの重さだったが、全社員に配布した。しかし通話状態も画質も良くなくあえなくボツに。そして2000年代初頭はシャープ社のザウルスというLinux搭載のPDAを採用。Wi-⁠FiユニットをさせばWi-⁠Fiが繋がるということを知り、5台ほど購入して社内に配布。これで在庫管理ができるようになると、光明が射したと思いきや、いざ使ってみると全然動かない。スピードが遅い。社長、これなら手書きのメモをとってパソコン机に戻った方が早いですと社員から酷評され、結局3ヶ月でお蔵入りになった。

結果、iPhoneに全て変更することに。iPhoneは画質も通話状態もいい。あとは偶然、コロナ禍に突入したことでバーコード読み取りはもとより、ZOOMも社員でできたことはメリットになった。リセールも高く、中古をメルカリで高く売ってしまえば、そこまでコスト発生せずに新品を手に入れることができる。高く売れるのはやはり機能的だと小田氏は話す。モバイル機器は2年くらいで買い替えた方がいいと体感している。

システム構成ではもともと社内にサーバー室を設けた完全オンプレで運用していたが、従量制のレンタルサーバーに変更。きっかけは、社外のシステム担当者にオンプレはメンテナンスに手間がかかりすぎると指摘されたとき、見事にひとり深夜出社してバッテリー交換をしていたからだった。AWSのMySQLのレンタルサーバーを使っているが、結果、電気代よりサーバー維持費は安くなった。さらにAWSのLambdaを導入し、サーバーダウンをしづらい環境で今は安定している。

このような紆余曲折があり、約20年で1億のコストをかけて失敗を繰り返し、社員のフィードバックを受けながら、自分たちの使いやすさを重視して自社ならではのITツールをカスタマイズしていった。

結果、現在は合計20のデジタルツールに落ち着いている。

業務自体は単純だが数が多く、1日に1000行ほどの入出荷がある小田商店。昔はパイプの販売屋の様な経営だったが時代の流れでフロアのパイプ配置や部材を自社で提案することも増えサービス業化しているという。そのためバーコード読み取りはかなりのメリットに繋がったと話す。

取引先の業者には、伝票が早く出ることになったことが一番喜ばれた。3枚複写の紙伝票からバーコード読み取りになったことで、取引先も客先の現場に直接修理、直接金額回収の際にすぐ金額を伝えることができるようになったからだ。またLINEでの見積りや在庫確認などのやりとりでも最近は喜びの声が届いている。そうして現在は1億円の増益につながっていったのだ。

DXで働くことを楽しく!2023年、営業時間変更

ITツールの導入により、社員の会社への理解も相乗的に伸びていった。なにより先述の業務水準書で大きく組織は変化した。

「たとえば運転資金。この業務水準書を見れば、資金調達があるから仕入れができる、仕入れができたから売上になる。だからこそ、このツールで集計をする、その情報を次の業務に流す必要がある、など会社全体の理解、デジタルツールの導入への納得度が深まりました。

そして経営者としては、この資料で資金調達の目処も立てることができます。仕事の流れの中でどういう風にお金が流れていくか。お金が物に変わって、物がいちど売掛金に変わって、手形などが現金化される流れをイメージ、そして、そのサイクルを今の売上や伝票を集計しながら計算できるようになったので、資金調達の必要性や判断ができるようになるんですね」と投資面についても業務水準書は大きなメリットがあると小田氏は語った。

いま、社員はパソコンとiPhoneから直接データベースで繋ぎ、SQLで集計を行っている。売れ筋商品の集計、帳票の変更、新規入力の項目などを作業。現場や商品ごとの利益や、顧客管理など、仮説を検証するツールとして活用している。

すると思いがけない商品が利益を出していたり、損失だったりということが数字をみて検証できることがだんだんと社員にも醸成されていった。

また一年前にDX浸透後ののびしろを見込んでM&Aした大阪の企業。平均年齢75歳の会社は、5ヶ月ほどかかって、全部バーコード化をし、単品管理できるようになったが、そちらもいまでは顧客管理や商品の利益率などがデータで話せるようになり議論の土台が的確になってきたという。

そして、2023年。
社内で時間による売上推移を確認。売上の少ない時間帯は閉めてもいいのでは、ということで、営業店の営業時間が短縮されたのだ。こうして小田商店は経営者も社員も働きやすい企業体質へと歩みを着実にすすめている。

20年前は深夜22時まで残業していた小田商店が17時閉店に短縮。ちなみに公式HPはNotionで構築、ほぼ毎日、小田商店の外観と空がアップデートされているコンテンツも。

小田商店のITツールの投機、そして考え方。

小田氏は自社の試行錯誤のIT化、DXをこうまとめる。

「DX化の中で大事なのは、失敗することがあるという認識と、会計を意識するということ。販管費を下げたいのか、売上をあげたいのか。IT化は、基本やっぱり設備投資なんです。どの会計科目の数字を変えるためにこの設備投資をするんだっていう意識がないと結果に繋がらない。また作業や情報の流れを全部変えてしまうといった判断もときには必要になります。そうするともう社長じゃないとリスク判断できへんみないなところが出てくるので、社長自ら判断する必要性はあるのかなと思います。

DXの前身はIT化、その前身はOA化でした。OAはオフィスオートメーションの略。そこで大事なのは両方とも、自動化ということで、やっぱり何かをオートメーション化していこうというのが多分一つの方向性だと思うんですね。だから自動化できるっていうところを自動化していくっていう視点はすごい大事だと思います。人材不足のいまだからこそ、経理ソフトをクラウド会計になど、自動化すると余剰時間が生まれるんですね。生まれた時間を、やっぱり売上をつくる顧客に使っていくっていうようなことができますので、できるところは全部オートメーション化して、浮いた予算は再投資するとか別のことに使うっていう視点がいるのかなと思います。

そしてもう一つは、やっぱりIT化。インフォメーションテクノロジーなんで、情報です。情報がわが社の中でどう流れているかっていうことを把握するのは大切です。これを意外と考えずに人任せとか業者に依頼する人がいますが、結局自分のことなんでね、自分のことは自分が一番よくわかるから、そこがすごく大事なんじゃないかなと思います。

小田商店のDXの歴史は小田商店HPにて「DX匍匐前進室」としてありのままの取り組みがコンテンツ化されている

小田商店のDXの歴史は小田商店HPにて「DX匍匐前進室」としてありのままの取り組みがコンテンツ化されている

最後はDX。利益の世界になってるとやっぱりデジタル(数字)なんですよ。デジタルは、数字なんです。だから数字ってことは一つの会計じゃないですか。そのため、数字をどう変えていきたいのか。その視点が大事だと思います。

クラウドのシステムを使うと、勤務時間や仕入れ、売上などが全て数字で確認できる。だからこそ、何のために数字化するのかっていう、目標が必要です。数字をどう把握し、どう使うか。そこで人としての真価が発揮されると思いますので、人間しかできないことをやっていきたいですね」と小田氏はこれまでの七転八倒紀行を振り返り、話をまとめた。

具体的なエピソードの連続に話に聞き入るセミナー参加者の方々。

セミナー聴者が抱える、DXについての悩みや疑問

後半は質疑応答へ。質問はあらかじめSlidoにて募集。聴講しながらリアルタイムで質問が送信できるサービスだ。

セミナー後半は、蔭西氏を進行役として会場内で質疑応答が行われた。ダイジェストでお届けしていく。

─商品データベースの作成に関わった社員の人数やスキルを教えてください。

最初は1人でしたが、3人のアルバイトを雇い一週間位で仕上げました。1人じゃできないというのがポイントで、社内にチームを作らないと無理です。仕入、売上、値段変更のデータをどうリアルタイムで入力するかを考えないととてもじゃないとできないですね。仕様書については社員の方が毎日やっているのでわかります。情報の流れの把握は、社員に伝票や納品書、請求書を手順通りに並べてもらいそれを一覧化しました。なので、自前でできました。

─システム化は最終的にベンダーさんへ整えてもらったのでしょうか?

いえ。うちの場合、何回もシステムも入れ替えてますし、サブスクも試しては辞めるを繰り返しているので、フィットするまで自前で探して実際に使ってました。そこでわかったのはデータさえあれば新しいシステムに移行できるということで、データ管理とどう使っていきたいかを自分達で考えるのは大事だなと思いました。

─社員の軋轢、社員の力が落ちたりなどDXのデメリットはなかったですか?

今でもシステムを変えるときは大丈夫ですか?といわれます。でもいままで繰り返しているので対応力や予見能力はついてますね。あと最初は文句言いそうな人に頼むと、結果味方になってくれたりします。今は人手不足なので、やりたいけど出来ていない仕事はたくさんあるので仕事がなくなるってことはないですね。

─失敗について。失敗を許されない会社って多いと思います。実際、何勝何敗ですか?

自分の中では全戦全敗です。もっとやれるだろうと思っているので。ただそれなりに基幹システムを入れ替えるなどは3回に1回位です。ただ一部のシステムを変えるだけの構成にはなったので少しずつの改良で済んでいます。特にデータベースの設計があまりにも業務に付随しているとデータベース全部書き換えになるので、柔軟に、できるだけ正規化を行い共通表現で設計できるように構築しました。かなり面倒なのですが、ちゃんとやってよかったことの1つです。

─M&Aまでできるようになったということで経営はかなり良くなったのでしょうか?

売上は1億円強なので、さほどあがってないです。ただ商品を追いかけるようになったので、利益率は5%はあがりました。なので同じ業界の会社の価値をあげるのはやりやすくなると思います。いまはそう言ってますが、来年は青い顔をしているかもしれません。

─数字では現れないDXのメリットはありましたか?

社員の定着率の向上ですね。業務の効率化の恩恵もあり、少し前に、休日を増やしたのですが、それで定着率はあがりました。営業時間も短縮したので、そこでの効果がまたあるかもしれないです。そこでは売上の時間推移や顧客を見て、調整できる取引先なら相談してますね。

─DXで大事にしたこと、やめたことはありますか?

一回数字で考える、ロジックで考えることをしました。なんとなくは、やめましたね。売上につながらないことはやめていいと整理すると、しなくていいことが見えてくるのでそうしています。

─優先順位の付け方はP/L?B/S?

P/L、B/Sというよりは、毎日流れている情報をいかにつかむかが大事なので、毎日動いているものをできるだけ自動化すると費用対効果は高いですね。

─業務水準書について。業務フローの改善、部分的な改善、どちらから着手しましたか?

同時にやりました。やはり小さい成果、すぐにやれることをやると社員が必要性を感じてくれる。その体験をエンジンにして根本的な改善に取り組むというかたちですね。それにあわせて資金調達も中長期など見越して調整の必要はありますね。

最後は蔭西氏が「やはり本当の意味での見える化と、社員への理解を進め一緒に動いてもらえるかが大きなキーワードですね」と総括し、セミナーは無事に終了した。

経営と同じようにDXでは小さい決断の連続が多い。けれどもこうして自前で体験することで、小田商店は今、徳島だけでなく全国でも稀に見る、IT化が進んだ水道設備機器販売会社になっている。知る力、数値化する力、広げる力、そして、未来をみる力。それはIT化が進めば進むほど、人として必要にされる力なのかもしれない。小田商店の空は今日も変化し続けている。

有限会社 小田商店 代表取締役社長小田 大輔(おだ・だいすけ)氏

水道設備機器販売会社の3代目社長。1946年、祖父が個人商店として開業し1953年に法人化。祖父の必要とされる腐らないものを売るという経営方針で、工具や水道部品などを取り扱う。2000年代に水道部品の販売を強化。現在ではB2Cサイトも運営し全国へと輸送開始。経営理念は「水の恵みをすべての人に」、社是は「共に喜び、共に育つ」。経営は全てリモートで対応しながら、興味の赴くまま、日々全国を巡り歩く。趣味は歴史、登山、サウナ、星占い。
小田商店 企業ホームページ:https://odss.jp

公益財団法人 徳島経済研究所

主に徳島の地域経済や産業動向、企業経営、地域の活性化に関する調査研究を行う団体。2016~2019年には「徳島IoT活用研究会」を立ち上げ、 4 年間、県内のIoT 活用を後押しする活動を推進。IoT に実際に取り組んでいるメンバー企業が研究会全体の約半数に上っているなど活況をみせた。今後も経済やDXに関する研究会やセミナーなど随時開催予定。
公益財団法人 徳島経済研究所ホームページ:https://www.teri.or.jp

(取材・テキスト・編集・写真:フルカワカイ )

 

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