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毎年恒例のウイングアーク1st主催カンファレンス「ウイングアークフォーラム」。2020年は名称を「updataNOW 20」に刷新し、オンラインイベントとして開催しました。今年は10月12日の前夜祭を皮切りに16日までの会期中、65超のセッションでお送りしました。
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COVID-19はいまだ、企業における文書の在り方や関連業務に大きな影響をもたらしています。そして、10月1日には電子帳簿保存法(電帳法)が改正されました。この改正で電子取引時の記録要件が緩和され、電子文書流通がいっきに加速します。2020年は、ペーパーレスへのパラダイムシフトの元年と言えるでしょう。この一連の動きは、ビジネスにどのような変化をもたらすのか。updataNOW 20では、2つのセッションを通じて、この変化に対応するために欠かせない4つの要素、電子取引に対応するための勘どころについてシェアしました。
私たちのビジネスはこのコロナ禍により、対面を中心としたコミュニケーションからリモートを中心としたコミュニケーションに移行しました。それに伴いペーパーレス化が急加速。しかし多くの企業間の文書のやりとりでは、紙の占める割合が大きいのが現状で、EDIや独自システム導入による企業間のデータ連携は「コストが割高」なことから、紙の受け渡し・FAXでのやりとりからいまだ抜け出せない企業も多いようです。
「2033年頃には紙とデジタルドキュメントの比率がちょうど半々くらいになっている」。ウイングアーク1stはそんな予測の下、2020年9月にOCR・文書管理がオールインワンになった文書データ活用ソリューション「SPA」のリブランディングを実施。技術統括部統括部長の名護屋豊が、新たなタグライン「ひとつの文書に限りない自由を」を発表しました。
SPAはこれまで、紙とデジタルドキュメントが融合するプラットフォームとして、「完全自動化を目指したAI OCR」「攻めの文書管理」「企業間文書流通」「文書データの活用・可視化」に取り組んできました。この4つは、ペーパーレスへのパラダイムシフトをビジネスの推進力に変えるために必要な要素になっています。
特に近年は、「AI OCR」に注力。これまでの機能に加え「Mobile AI OCR」をリリースし、スマホのカメラ撮影からの蓄積・データ化を可能とし、またデータセンター内やプライベートクラウドでもセキュアに利用できる「On-premises AI OCR」を先般リリースしました。
また「企業間文書流通」では、電帳法やインボイス制度に不可欠なタイムスタンプ付与やデジタル文書の保管に対応。さらにSPAフェデレーション機能で、SPA間のセキュアな文書流通もできるようになります。
さらにはbox、Agile Works、OCRtranとの連携もスタートし、新たなアライアンスも強化。今後も新機能・新サービスも続々とリリースしていく計画です。
セッションの最後には、名護屋が「『ひとつの文書に限りない自由を』の下、ユーザーの皆様と一緒に文書の流通を成熟させていきたい」と語りかけました。
もう1つのセッションでは、文書情報管理士でもあるテクニカルセールス部 第3Gの小野優貴と、第4Gの敦賀武志が、電子帳簿保存法対応のポイントをシェアしました。
2023年10月1日、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まります。これまでの企業間取引は、請求書等保存方式(課税事業者が商品を販売した際、受け取った消費税額からその事業者が仕入の際に支払った消費税を控除(仕入税額控除)できる方式)の下で行われてきました。その際、事業者が受領もしくは発行する請求書には、適用税率・税額の記載が義務付けられていませんでした。
しかし、インボイス制度では、仕入税額控除を受けるために「適格請求書等保存方式」の適用条件を満たす必要があります。
①仕入・納入にあたってはインボイス(適格請求書)を発行・保存しなければならない。
②発行・保存する請求書はインボイスの帳票要件を満たしていなければならない。
③事前に適格請求書発行事業者として税務署への登録しておく必要がある。
インボイス制度下での経理業務において特に懸念されているのは、仕入先から請求書を受領する際、その取引が仕入税額控除の対象になるのか否かを人力で仕分けする必要があるということです。莫大な数の請求書ともなれば、目視・手作業での手間は計り知れません。
「そこで『デジタル化』です。ポイントはインボイスの帳票要件の1つ、登録番号。番号は適格請求書発行事業者のみに付与されますから、この番号の照合が自動化されれば、事業者(受領者)は控除適用の可否を知れ、正確かつ効率のよい仕分けを実現できるようになります」(小野)
インボイス制度は2023年10月に開始予定ですが、その準備段階の取り組みとして、2020年10月電子帳簿保存法(以下、電帳法)が改正されました。
※電子帳簿保存法=正式名称・電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律、1998年施行
①税務署から事前に承認を受けることで、自社の国税関係帳簿・書類を電子データのまま保存できる。紙での保管が不要になる。
②税務署から事前に承認を受けることで、紙の国税関係書類を電子化(スキャナ保存)して保存できる。紙は廃棄してもよい。
③電子取引で行った税法に関連する取引情報の保存を税務署の承認有無にかかわらず義務付けられる。
今回の見直しのテーマは「電子取引」です。そもそも電子取引とは「取引情報の授受を電磁的方式により行う取引」と定義でき、通常取引では注文書・請求書等の“紙”が行き来し取引が成立するのに対し、電子取引では紙の代わりに“データ”が行き来します。
EDI、電子メール、インターネット、そしてFAX(Internet-FAX)などが電子取引に該当し、いずれの方法においても「対象となる取引情報を保存しておく」「取引情報を保存する際には必ず保存措置を実施する」といったルールが定められています。
インボイス制度の実施を背景に、すでにスタートしている電子取引。では企業は具体的に、どのようなソリューションを導入・活用すればよいのか。電子取引のソリューションとして「SVF TransPrint」を紹介しました。
SVF TransPrintはSPA Cloudをベースとした、請求書・納品書・検収書などの帳票類の発行業務を自動化するクラウド型文書流通サービスです。電子配信できない取引先がある場合は、郵送サービスにも対応。紙と電子のハイブリッド型での運用も可能です。
SVF TransPrintの代表的な特長は、以下の3つに大別されます。
導入企業が取引先に配信したいファイルを監視対象フォルダへ配置・格納するだけで、自動的にSPA Cloudへアーカイブ。その際には、取引先ごとにファイルの自動仕分けを行いながらフォルダに格納。指定時間には通知メールが配信されるため、取引先は専用画面からダウンロードとアップロードを行える。
プリント出力をPDFファイルに変えるだけで、SPAのBridgeサービスを利用して作成済みPDFを取り込める。またSPAの振り分け機能で、PDFファイルを一括出力後、取引先ごとにファイルを分割・管理。システム改修や専用ファイルは一切不要。
SVF TransPrintの機能で専用サイトを設置し、取引先メールアドレスの収集が可能。個人情報の取り扱い、サービス利用約款への同意なども同サイト内で確認できる。取引先はSVF TransPrint受信者画面から利用企業に対してファイルアップロードができ、1000文字までのコメント入力も可能です。
セッションを通じて小野と敦賀の二人は、「デジタル化は国策といっても過言ではありません。しかし当面の間は、ビジネス領域における『紙運用』は残っていくことになります。そうした時流を踏まえれば、紙とデジタルの『ハイブリット運用』こそが、これからの最適解になるはずです。そのためにも、今のうちから『電帳法の申請』『取引先との電子取引の開始』『紙・電子両方のシステム導入検討』をスタートさせておく必要があるでしょう」と、示唆しました。
ウイングアーク1stが毎年開催している国内最大級のビジネスイベント「ウイングアークフォーラム」。今年は「updataNOW 20」と名前を変え、10/12~10/16にオンラインで開催しました。 登録数15,000名以上、セッションの総視聴数は40,000を迎えました。 データ活用とDXを基軸に、ネクストノーマル時代に向けた洞察から、各業界・業種の先進的な成功事例、そして、ビジネスを加速する最新のサービス紹介まで、65を超えるセッションの大部分をアーカイブ配信として公開いたしました。 見逃した方はもちろん、もう一度視聴したい方も是非ご覧ください。
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