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【緊急告知アリ!】オンラインと障害の疑似体験。巨人の肩の上での「踊り方」を教える人たち–データのじかん週報2023/6/23付

インクルーシブデザインなどを活用した事業支援を行うPLAYWORKS株式会社とデータのじかんの主筆の大川の対談記事が近日公開予定です。対談後に大川が同社のワークショップに参加することで、より「肌感覚」で得た視覚障害・聴覚障害の疑似体験などが得られたといいます。さらに東京ビッグサイトで開催された世界最大級の食品製造業向けイベントでも、「注目企業」を見つけてきたとか。来週開催のワークショップについても告知するので要チェックです!

         

データのじかん週報では、データのじかんの編集部内で会話されるこばなしを週1度程度、速報的にお届けいたします。

こばなし1:オンラインだからこそできる疑似体験

大川:データのじかんでも何度か取り上げているインクルーシブデザインで有名な「PLAYWORKS株式会社」のオンラインワークショップに参加しました。インクルーシブデザインとは高齢者や障害者、外国人など従来のデザインプロセスから外れていた人たちを上流から巻き込み、事業やプロダクトをデザイン・設計する手法の1種です。

野島:代表取締役のタキザワケイタさんとの対談記事を先週アップしましたね!週報でも何度か登場している注目企業ですよね。ワークショップにはどんな方が参加されていたんですか?

大川:視覚・聴覚障害者の2部とも参加しましたが、大半はビジネスパーソンです。リードユーザーである障害者の方々のなかには学生もいましたね。もちろん、ファシリテーターはPLAYWORKSです。

■リードユーザーとは
事業・商品・サービスが普及する前にニーズを明確に把握し、それを解消する方法も模索、工夫しているユーザーのこと。「先端的な提案型ユーザー」ともいい、リードユーザーと企業の相互作用によって、より良い新規事業、商品、サービスのイノベーションを生み出した事例もあるとして注目されている。

大川:Zoomでのワークショップだったのですが、意外と「障害者の疑似体験」とオンラインって相性が良いことに気付けたのが学びになりました。ほら、聴覚障害や手話について体験するのであれば、音声をミュートにすれば良いだけじゃないですか。そこでZoomの文字起こし機能の便利さや精度・障害者にとっての有益性の高さに改めて気付きました。

野島:確かに、考えてみるとオンラインはある意味「身体性」を統一できますからね。その切り口は考えていませんでした。ただ、ファシリテーターの力量はかなり試されますねー

大川:そうですね。ただ、さすがプロフェッショナルでしたよ。おかげで普通のワークショップよりもよっぽど本気でコミュニケーションを取ろうと思えました。そのなかで再認識できたのが、いわゆる「寄り添いすぎ問題」ですね。障害者との接し方はもちろん、ユーザーや消費者に寄り添うのは大切な姿勢ですが、寄り添いすぎると本質が見えなくなるリスクもあります。今回のワークショップでは、相手のことを思って情報の「抽象度を高めよう」とすると逆に上手く伝わらず、丁寧なコミュニケーションを心掛けるとそのやりとりに違和感が生じてしまうのを実感しました。特にエクストリームなモノ・コトの創造を目的とする場合、寄り添うことが逆に創造性の発現を阻害するのではないかという思いがより一層強まりましたね。

こばなし2:巨人の肩の上での「踊り方」を教える人たち

大川:東京ビッグサイトで開催された世界最大級の食品製造業向けイベント「FOOMA JAPAN」を視察してきました。1,000社が参加して来場者数は約10万人。とんでもない広さの会場に小規模なブースがずらっと並んでいるのが印象的でしたね。

野島:外国の方も多いんですか?

大川:来場者は外国の方がかなり多いですね。あちこちで英語での商談が飛び交っていましたよ。何年も視察していますが、出展企業は明らかに食品機械からロボットが増えています。あと、加工する原料がケースバイケースすぎる食品企業ならではというか、「面白機構」とか「ちょっとした工夫・機能」で勝負するのが、工業向けの展示会とは大きく異なる点で面白いんですよ。

野島:大川さんが何度か言われている「特許を取るまでもないがキーになっている技術やTips」というやつですね(笑)。面白くないわけないですよね。

大川:ですね。元々、「アイデアおじさん」がたくさんいる分野でロボットという新しい切り口まで出てくるんですから、大変ですよ(笑)。あとは設備機械のメーカーだけでなく、IT企業やサービス企業など幅広い事業を行っている会社の出展も目立ちましたね。そのなかでも面白かったのが、福岡県のスタートアップ企業「株式会社リグニオ」です。

野島:コーポレートサイトを見る限り、明らかに食品や機械の分野っぽくない会社ですね。

大川:リグニオは外側と内側からDXを推進する企業です。私の中ではどんなツールをどのように導入して運用するか、といったノウハウ等を提供し、実践まで支援しているイメージですね。

野島:それはすごいというか、ヤバいですね。どれだけ顧客の業務内容や導入するツールのTIPSの理解を深めなきゃいけないのか……。スケールは難しそうですが、まさしく私たちが多く見てきている「DXにぶつかっている企業」にこの上なく刺さるサービスですよね。しばらくは引っ張りだこなのが想像できます。

大川:たった12人の規模で多分野の顧客のプロタイピングを続けられているのもすごいですよ。今後はスマホアプリなどの技術革新が激しい領域を「使える」とか「知っている」という価値が大きくなるのでリグニオの需要は高まるのではないでしょうか。

野島:まさに巨人という舞台で踊る人に「踊り方」を教えるといった立場ですよね。いつか取材してみたいですね。

こばなし3:緊急告知!創造的グループ思考 「交流制約法(TCoM)」を用いたワークショップを実施

大川:あと告知ですが、私がファリテーターとして、6月26日(月)夜に東京・御茶ノ水で創造的グループ思考 「交流制約法(TCoM)」を用いたワークショップを実施します。このワークショップは課題提起者が本気で解決したいと思っている課題をみんなで揉みほぐして新しい気付きと解の創出を共創するものです。しかし雰囲気は想像以上にカジュアルで、参加にあたり準備も予備知識も全く不要です。興味がある方、参加してみたい方は6月26日15時までにデータのじかん各種SNSからDM頂ければご招待するのでぜひお気軽にお問い合わせください!読者の皆様も、ご都合合うようでしたら是非ご参加ください!お知り合いの方にもご案内を!

創造的グループ思考 「交流制約法(TCoM)」を用いたワークショップ

日 時:2023年6月26日(月) 18時30分~20時30分(開場18時)
場 所:NATULUCK御茶ノ水駅前店 Room A ※地図をメールに添付
住 所:東京都千代田区神田駿河台2-1-34 プラザお茶の水ビル 2階
交 通:東京メトロ丸の内線「御茶ノ水駅」徒歩2分、JR中央・総武線「御茶ノ水駅」御茶ノ水橋口から徒歩2分
参加費:お一人2,000円(20名参加の場合)~3,000円(10名参加の場合) ※貸会議室代(12,650円)と軽飲食代(アルコール含む)を参加人数で割り勘

課題提起者:(株)実身美 代表取締役 大塚三紀子 様 
ファリテーター:大川 真史 
<参考資料>阪井和男、創造的グループ思考「交流制約法(TCoM)」、2015年2月22日.
参加登録はこちらから!


データのじかん編集長 野島 光太郎(のじま・こうたろう)  
広告代理店にて高級宝飾ブランド/腕時計メーカー/カルチャー雑誌などのデザイン・アートディレクション・マーケティングを担当。その後、一部上場企業/外資系IT企業での事業開発を経て現職。2023年4月より上智大学プロフェッショナル・スタディーズ講師。MarkeZine Day、マーケティング・テクノロジーフェアなどにて講演。
近著に「今さら聞けない DX用語まるわかり辞典デラックス」(左右社)。静岡県浜松市生まれ、名古屋大学経済学部卒業。


データのじかん主筆 大川 真史(おおかわ・まさし)  
IT企業を経て三菱総合研究所に約12年在籍し2018年から現職。専門はデジタル化による産業・企業構造転換、製造業のデジタルサービス事業、中小企業のデジタル化。(一社)エッジプラットフォームコンソーシアム理事、東京商工会議所学識委員兼専門家WG座長、内閣府SIP My-IoT PF、ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会 中堅中小AG、明治大学サービス創新研究所客員研究員、イノベーション・ラボラトリ(i.lab)、リアクタージャパン、Garage Sumida研究所、Factory Art Museum TOYAMAを兼務。官公庁・自治体・経済団体等での講演、新聞・雑誌の寄稿多数。直近の出版物は「アイデアをカタチにする!M5Stack入門&実践ガイド」(大川真史編、技術評論社)


データのじかん編集 藤冨 啓之(ふじとみ・ひろゆき)  
経済週刊誌の編集記者として活動後、Webコンテンツのディレクターに転身。2020年に独立してWEBコンテンツ制作会社、もっとグッドを設立。ライター集団「ライティングパートナーズ」の主宰も務める。BtoB分野を中心にオウンドメディアのSEO、取材、ブランディングまであらゆるコンテンツ制作を行うほか、ビジネス・社会分野のライターとしても活動中。データのじかんでは編集・ライターとして企画立案から取材まで担う。1990年生まれ、広島県出身。

 

(TEXT・編集:藤冨啓之)

 

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