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コンテンツ戦略はどうなる?検索の未来を変えるGoogleの新機能–世界の一次情報からDXの光を照らす「World DX Journal vol.08」

「データのじかん」の新特集、「World DX Journal」へようこそ!世界中で巻き起こるデジタル変革(DX)のリアルな声を、まるでそこにいるかのように届けます。報道におけるバイアスをそぎ落とし、生の一次情報を根拠に、日本から世界のDX動向をリアルタイムでキャッチ。読者のみなさん、各地のデジタル最前線の情報を通して、世界がどんな風に様変わりしているのか、目撃してみませんか?情報をシェアするだけじゃない、世界を「読む」ことで、これからを生きるヒントを一緒に探していきましょう。さあ、この冒険に、あなたも参加しませんか?第08弾はアメリカ アトランタ在住のデータのじかんFRIENDの原田朋さんがレポート。

         

ネットコンテンツのあり方を左右する新機能

近年、ネット上のコンテンツが多くの人の目に触れることの重要度が増しています。特に企業は、コンテンツを通じてファンを増やし、売上を上げることを目指しています。そのための一つの戦略が、Googleの検索エンジンで上位表示されることです。

しかし、Googleが発表した新機能「AI Overviews」によって、検索結果の未来が変わるかもしれません。

GoogleのAI Overviewsとは?

AI Overviewsは5/14に行われたI/O developer conferenceで発表されました
キーワードから検索者の意図に沿った回答をAIが情報を集めて生成して表示をするものです。

検索意図に沿った回答を表示する…何をいまさら?と思われたかもしれません。

検索意図に沿った回答を表示する点は同じですが、見た目のユーザー体験と裏側の処理が変わりました。アメリカでの導入から始まって、各国で導入していくようなので、日本での導入は少し先になるようです。

AI Overviewsが作動する時の画面です。

高速で表示された結果の画面です。(スクリーンショット:5/18/2024)

(スクリーンショット:5/18/2024)

検索キーワードを元にAI Overviewsで表示するのが最適かどうか判断をします。最適だと判断をすれば、上記のような表示がされるようです。

見た目だけではない違い

検索結果の表示の見た目だけではなく、他の点でも変化を感じました。個人的な感想ではありますが、違いは反応の速さと内容のわかりやすさです。

「そう、これ!しかも、はやっ!」というのが、ここ数日使っての感想です。

何かの手順を知りたければ、結果のトップにステップごとの手順がそのまま表示されます。

これまでだと、リンクをクリックして、ページを開いて、スクロールして、手順を探して、読んで…というプロセスが必要でした。このプロセスをGoogleが全て代わりに行ってくれます。

そう、これ!この情報が欲しかった、となりますよね。また、上記の例のように、「日本の歴史」という検索結果に対しては、「30,000 to 100,000 years ago」の部分に色がついて強調されています。日本の歴史がどれだけ長いか知りたいから「年数」の部分を強調して、疑問の答えがわかりやすいように見せてくれるわけです。

文章をさらっと読む、要点を理解する、大事な部分を抜き出して…と順番にやっていたプロセスをGoogleがかわりにやってくれるわけです。

小さな変化に感じますが、小さな助けが積みあがると大きな労力の削減につながるので、この差は大きいと思いました。

英語検索と日本語検索の結果の違い

AI Overviewsはアメリカで先行導入され、日本は2024年度中に導入されます。同じテーマでじ、英語と日本語で検索した結果を比較してみました。

試しに日本の歴史について検索した実例が以下です。

左が「how long is the history of Japan」と英語で検索したもの。(AI Overviewsでの表示)
右が「日本の歴史はどれくらいの長さですか?」日本語検索。(AI Overviewsでの表示なし)

検索結果の違いがもたらすもの

比較した結果は、英語と日本語で検索結果が変わりました。

英語:「日本列島」の歴史として長さを表示。
旧石器時代までさかのぼって3万年~10万年ほどの歴史があるという結果を表示。

日本語:日本と言う「国の始まり」を軸にした歴史の長さを表示。

この違いが何を意味するのか?AIの専門家ではいので、こまかな技術的なことなどは分かりません。ですが、検索上位からのクリックされる回数は減るのではないか?とは思いました。欲しい答えが、目の前に表示されているので、リンクをクリックする必要が減るからです。

また、コンテンツの発信者はコンテンツの質をさらに高める必要があると思いました。AIがどんどん賢くなって、欲しい情報を精度高く表示するということは、AIが「ユーザーが欲しい情報ではない」と判断すれば、表示してくれなくなるわけです。そうすると、これまで以上にコンテンツの質を問われるのだと思いました。

AIのさらなる進化

I/O developer conferenceのプレゼンテーションの中で、Googleのゴールは「Making AI helpful for everyone.」(全ての人にAIを役だつものにする)だといっています。Chat GPTが出て驚かされましたが、その後のAIを活用したツールの進化は目を見張るものがあります。GoogleのAIの進化も例外ではありません。どのようにしてAIの進化を活用していくか、変化に対応しながら慣れていくしかないというのをあらためて感じます。

AI Overviewsやその他の新しい機能について、詳しくは以下をご参照ください。

コンテンツ戦略はどうなる?検索の未来を変えるGoogleの新機能のまとめ

Googleの検索結果が最近違うなと感じて調べてみたら、AI Overviewsという新しいAI機能が導入されていました。アメリカから始まって、各国に導入予定で、2024年度中に日本にも導入されるようです。AI Overviewsだけでなく、AIをベースにした新しい体験が続々投入されます。AIがどんどん身近になってくると思うので、体験しながら慣れていけるといいですね。

データのじかんFRIEND:原田朋|Tomoo Harada
在米コンサルタント。商社、メーカー現地勤務など約25年の会社員生活を経て独立。DRM他、多種のマーケティングスキルと実践を通じて培った知見をもとに、企業のアメリカ進出や日米企業の業務改善をサポート。アメリカ生活、ビジネスに関する情報をサイトで発信。
https://atl-concierge.com/(アメリカ生活)
https://excf.atl-concierge.com/(ビジネス)
 
 

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