前回の記事ではCRMを利用する上での2つの要素を説明しました。
1.顧客データの分類とストック
2.営業プロセスの理解
今回は、CRM効果を出していくためには数値として測ることが難しい「前向きなマネジメント」についてお話します。
セールスマネジメントの現場でよくある営業担当者側の不満として、下記のような声が上がってきます。
これはCRMを導入している企業でも起こりがちな事象です。
特に日本では、「営業は結果を出してなんぼ、売ってなんぼ」というキーワードが営業を表す表現で使われていることからもわかるように、とにかく「結果」だけが営業成果を表す悪しき習慣としてはびこっていることも影響しています。
外資系企業でも同じく営業は「結果」を求められますが、セットで「インセンティブ」もほぼ確実についてきます。(日本企業の場合は、営業担当者への「結果」は求めても会社への「結果」を求めることができるのかどうかの握りが弱いのも問題かとは思います。)
さて、この理不尽とも思える「結果系の詰め」と「意味のないアドバイス」から逃れ、「前向きなマネジメント」にする術はあるのでしょうか?
まず、ポジティブなマネジメントとは言うまでもなく前向きなマネジメントであり、今回これを言い換えるとすれば「未来をいい方向に向けるための指針と具体策の実行支援」になります。
すなわち、すでに起こってしまったことを中心に後付で叱るネタをさがすのではなく、起こったことを事実として受け止め、次にすべきことを今わかっている事実をベースとして、短期間で起こせるアクションを中心にフィードバックすることです。
ではどうすればよいのか?ですが、それは前回説明した営業プロセスを共有し、モニタリングする仕組みがあれば実施可能です。
営業プロセスは進捗を表すステージという概念があります。(これはフェーズとも言われることもあります。)
一番簡単な営業プロセスの考え方は、
1. ステージ中心の重要活動:必要な活動の絞込み
例)ステージ別に重要な活動を考える。ステージ「提案中」ではもちろん、提案。
2. ステージを裏付けする情報:今の商談のステージが本当にそうだと確証が持てる証拠はあるのか?
例)ステージ「提案中」は提案書が存在し、相手のキーマン向けに説明が完了している。
3. ステージを進めるための情報:ステージを進めるためには何が不足している状況なのか?
例)ステージ「初期アプローチ」から「提案中」に進めるために必要な情報は「顧客課題」の確認である。だとすれば、次のアクションはこれを見つけるための活動になる。
を整理することであり、営業が次にすべきことは、これらを見ることができれば合理的に導くことが容易になります。
ひとことで言うと、商談の中での「次のアクション」の妥当性がレポートに表示された情報で判断できるか?がポイントになります。
また、これらの情報が一望できるようなレポートをCRM上で作成し共有すれば、さらに効率的なマネジメントも可能になります。
ポジティブなマネジメントとは、営業プロセスを中心に「次にすべきこと」にフォーカスしたマネジメントであり、実施に必要な用件をCRMで準備することです。これでしっかりと営業生産性も上げて行きましょう!
間違えない営業力強化術:CRMを成功させるポイント(1)の記事はこちらから。
【執筆者】 カイト合同会社 Co-founder & CEO 藤川 勝廣(ふじかわ かつひろ)
BtoB、BtoC問わず日本国内の多種多様な業種の企業様向けのSFA/CRM導入支援に携わる。クラウドブローカーの最大手 Cloud Sherpas でのシニアコンサルタントでの経験を経て、日本型と欧米型の導入手法を取得し、“しごとのしかたをかえる”をモットーに、SFA/CRMを「勘所を抑えて、腹落ちよく」日本企業で活用してもらうためカイト合同会社を設立し、特に中小企業向けに特化した導入サービスを提供している。
Web : http://kitebiz.net
近年、導入する企業が増えてきているという「CRM」。セールスフォースという企業名を聞いたことのある人も多いでしょう。同社のプラットフォームである「Salesforce」は、世界15万社以上の企業・組織で導入されており、世界No.1のCRMとなっています。また、「CRM」と似た製品に「SFA」というものがあります。CRMとSFAでは何が違うのでしょう?
〇〇Techという言葉をよく聞くようになりました。有名どころではFinTech(フィンテック)などがよく聞かれますが、最近ではHRTech(HRテック)やCreditTech(クレジットテック)、MarTech(マーテック)という言葉も目にするようになりました。いまさら聞けない業界用語:MarTechとは?
「オンプレミス」とは、on-premises(構内で)という英語表現由来のIT用語で、情報システムを自社設備内で完結して管理・運用することを意味します。口頭では、略して「オンプレ」と言われたりもします。
CRMとは、Customer Relationship Managementの略であり、「顧客関係管理」と訳されます。その言葉通り、顧客との関係性を構築・管理するマネージメント方法です。これは、従来の不特定多数の人を対象とするマス・マーケティングから、顧客を特定し、それぞれの顧客の属性に合わせたマーケティングを行なっていく「One to Oneマーケティング」が主流の時代に移ったことにより提唱されたマーケティング手法です。
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