つづいて、動画アナリティクスについて見ていきましょう。
動画アナリティクスのページには、アップロードした動画にマウスをかざしたときに表示される統計ボタンをクリックしたり、チャンネルアナリティクスのトップページに表示された動画のサムネイルをクリックしたりすることでアクセスできます。
そうして表示されるのが以下のページ。
ここで特徴的なのが画面下部の「視聴者維持率を左右する重要なシーン」。これは、動画のサムネイルをクリックした視聴者がどのタイミングで離脱したのかを分析するための統計です。
YouTubeのアルゴリズムでは視聴者維持率が長いほど視聴者に有益だった動画とみなされ、各トラフィックに表示されやすくなるといわれています。
そのため、動画ごとの視聴者維持率を分析し、どこで視聴者は離れてしまったのか、これからの動画をどう作ればそれは防げるのかを考えることは、動画マーケティングの基本となります。
青文字の「詳細」をクリックすれば上記のように動画を視聴しながら分析できるページにアクセスでき、「相対的な視聴者維持率」を選択することで、同じくらいの長さの他チャンネル動画と自分の動画の視聴者維持率を比較することも可能です。
最後にYouTube動画マーケティングにおいて意識すべきポイントを3つ確認しておきましょう。
YouTubeといえども、マーケティングの基本は変わりません。自社にとって適切なターゲットに有益なコンテンツをベストな形で提示することが鉄則です。
そのため、Youtubeチャンネルは誰のためにつくられたのかがはっきりと伝わる形で、一貫したテーマに沿って作成・運営される必要があります。個々の動画の場合はなおさらで、“どんな状態の人に向けて”まで考えて制作・運用されるべきでしょう。
YouTubeの動画マーケティングと聞いて、「動画の間に流れるCMの話じゃないの?」と疑問に思った方もいるかもしれません。
それは動画広告(TrueView広告)といい、自社のチャンネルに投稿する動画とは役割が異なります。おおまかには動画広告は新商品や企業イメージを伝えるためのツール、自社チャンネルの動画はノウハウ解説や商品紹介を通して消費者のエンゲージメントを高めたり商品や企業の魅力を伝えたりするためのツールとわけられるでしょう。
もちろん、目的次第では動画広告が適している場合もあります。“チャンネルに投稿する意味”を意識して、コンテンツの内容にも生かすことが求められます。
紹介したように便利なYouTubeアナリティクスですが、視聴者の属性や細かいトラフィックにまつわるデータが取れるのはYouTube上で視聴された場合だけです。
視聴回数は加算されますが、例えばアクセスの多いWebページやSNS上に埋め込まれた形で視聴された可能性には注意してください。視聴回数だけを見てYouTubeユーザーのニーズに応えられていると考えていると、その後の方針を誤る可能性があります。
ビジネスパーソン向けにYouTubeを使った動画マーケティングの方法について、YouTubeアナリティクス画面をメインで解説しながらご紹介しました。
「YouTube上でここまで詳細にデータが取れるのか!」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。動画といえどもWebサイトやリアルとマーケティングの基本は変わりません。重要なのは、自社・競合・消費者を知り、適切な施策を打つことです。
そのためにもぜひ自社チャンネルのデータをフル活用してください!
【参考資料】 ・木村健人『広報PR・マーケッターのための YouTube動画SEO最強の教科書』秀和システム、2019 ・5Gと新型コロナで利用拡大 動画マーケティングはどう変わる┃日経XTREND ・全世代でスマートフォンがネット利用のメインデバイスに~ニールセン 2019年上半期のデジタルメディアの利用動向をまとめた「Digital Trends 2019上半期」を発表~┃ニールセン ・大野 耕平「5Gと新型コロナで利用拡大 動画マーケティングはどう変わる」┃日経XTREND ・Youtube Creator Academy ・動画広告フォーマットの概要┃Google広告ヘルプ ・YouTube利用規約 ・YouTube アナリティクスに新しい機能が追加されました - 推定再生時間やアノテーション レポートで視聴者の好みを分析┃日本版YouTubeクリエイターブログ
(宮田文机)
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