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データを分析する仕事をしている人であれば、BIが何たるかを知っていると思います。この記事では、無料で使えるBIツールである「Looker Studio(旧Google Data Studio)」に迫ってみましょう。
その前に、読者の中には「BIって何?」という方もいらっしゃるかと思いますので、まずはBIツールとは何かについて説明していき、BIツールの選び方と無料で試せるBIツール、有料版と無料版のBIツールの違いなど、詳しく解説します。
加えてBIツールのメリットや機能についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
BIは「ビジネスインテリジェンス」の略で、BIツールとは、会計システムや販売管理システムなど企業に蓄積された大量のデータを集めて分析し、迅速な意思決定を助けるためのツールです。昨今、ビッグデータに関心が集まっており、ますますBIが注目されています。代表的なものにウイングアーク1st株式会社が提供しているMotionBoardなどがあります。
BIには自社サーバにインストールして使用するソフトウェア型(オンプレミス)と、ネット回線を使用するクラウド型があり、用途に合わせて選べます。
また、下記のデータのじかんでは、BIツールが使えるかどうかを判断するための基礎知識を詳しく解説していますので、BIツールを活用したいと考えている方は、本記事と併せて参考にしてみてください。
無料のBIツールを使用しようとする場合、BIツールにコストをかけたくない、もしくはBIツール導入にあたって試行してみたい、の2ケースに分かれると思います。
以下に、無料のビジネスインテリジェンス(BI)ツールを選ぶ際に考慮しておいた方が良いポイントを6つ紹介します。
順に紹介します。
使いやすさは重要な要素です。ユーザーにとってのインターフェースが直感的であること、また適切なトレーニングやサポートが提供されていることを確認しましょう。
基本的なレポーティングやダッシュボーディング機能はもちろん、高度な分析機能(たとえば、予測分析や機械学習など)を備えているツールを選ぶようにしましょう。
データを視覚的に表示するためのダッシュボード、チャート、グラフといった機能を豊富に取り揃えているものを選ぶようにしましょう。
BIツールは、様々なデータソースから取り込み、データを一元的に使用できるようにする必要があります。これには、内部のデータベースだけでなく、外部のデータソースやクラウドベースのデータの取り込みも含まれます。
ビジネスが成長するにつれて、データの量や分析の複雑さが増える可能性があります。したがって、将来的な拡張への対応可否は確認しておくとよいでしょう。
データは組織の重要な資産ですので、ツールは適切なデータ保護機能を備えていることが必要です。
無料のBIツールは、製品によって機能、制限(データの量、ユーザー数等)、有償のオプションやプレミアム機能等で異なるので、自社や組織のニーズに最も合うものを選ぶことが重要です。導入に際しては、まずは無料版で試してみて、必要に応じて有料版へアップグレードする、といったプロセスをおすすめします。
前章では、BIツールの選び方について紹介しましたが、本章では無料で使える・無料トライアルのあるBIツールを4つ紹介します。
それぞれ詳しく紹介します。
Looker StudioはGoogleが提供している優れたビジネス意思決定のための、比類のない柔軟性を備えたセルフサービスのBIツールです。
かつてはデータポータルもしくは Data Studio と呼ばれていましたが 2022 年 10 月の Google Cloud Next 2022 でLooker Studioへの改称が発表され、Looker ブランドに統一されました。
を特徴としています。
Google AnalyticsやGoogle 広告(旧Google AdWords)、GoogleスプレッドシートやMySQLなどのデータが利用でき、一度データ連携をしてしまえば、データの取得・更新、出力などを自動で実施ができ、リアルタイムに反映されます。
そのため、Looker Studioを使えば、さまざまなプラットフォームから集めたデータをグラフや表を使って可視化し、レポートにして共有するという一連の業務をワンストップで支援してくれます。
Power BIとは、マイクロソフトが提供するBIのこと。もともとはExcelのアドインでした。そういった経緯から、Power BIはExcelがベースとなっており、Excel操作に慣れている人は簡単に操作できると思います。
パソコンにインストールして使えるPower BI Desktopと、オンライン版であるPower BIがあります。無料でも利用できますが、レポートの共有や共同編集作業に関しては有料版であるPower BI Proの利用が必要です(1ユーザーあたり月額1,250円)。
これはWindows系のBIですが、Google AnalyticsやFacebook、Salesforceといったサービスを連携させることも可能。機械学習クラウドサービス「Azure Machine Learning」と組み合わせれば、機械学習を利用した未来予測レポートなんかも作成できます。
デメリットとしてはデータ容量の上限でしょうか。無料版であるPower BIは1ユーザーあたり1GB、有料版であるPower BI Proは1ユーザーあたり10GBとなっています。
Qlik Senseは、Qlik社が提供するビジネスインテリジェンス(BI)およびデータ視覚化プラットフォームの一つです。Qlik Senseは、ユーザーフレンドリーな自己サービスBIツールとして開発され、ユーザーが自分でデータを読み込み、分析し、視覚化することを可能にします。
無料期間は恒久的に設けられているわけでなく30日間限定のため、継続的に使い続けるには、1ユーザーあたり月額30ドルの費用を負担する必要があります。
Zoho Analyticsは、Zoho Corporationが提供するクラウドベースのビジネスインテリジェンスとデータ分析ツールです。このプラットフォームは、データの視覚化、情報共有、そしてレポートとダッシュボードの作成を可能にします。
無料期間は恒久的に設けられているわけでなく15日間限定のため、継続的に使い続けるには、ベーシックの場合、2ユーザーで月額2,880円の費用を負担する必要があります。
BIツールには無料版と有料版があり、両者の間にはいくつかの主な違いがあります。
一般的に、無料のBIツールは小規模なプロジェクトや初めてBIツールを使用する組織に適しています。一方、大規模なデータを扱い、より複雑な分析を必要とするケースにおいては、有料のBIツールを検討した方がよいと言えます。その他の違いとして本章では下記の5つを紹介します。
それぞれ紹介しますので、有料版と無料版の違いを明確にした上で運用してみましょう。
有料版と無料版のBIツールの違いとして、機能の範囲が挙げられます。
一般的に、無料のBIツールは基本的なデータ分析とレポーティング機能を提供しますが、有料のBIツールは予測分析、データマイニング、AIによるインサイト抽出といったより高度な分析機能を提供しているので、機能の範囲には差があるといえます。
2つ目に挙げられる有料版・無料版のBIツールの違いは、カスタマイズ性です。
有料のBIツールは、多くの場合、ユーザーが自身のニーズに合わせてレポートやダッシュボードをカスタマイズできますが、無料ツールでは、この種のカスタマイゼーションは制限されている、もしくは全くできないことがあります。
よって、自身や自社のニーズに合わせてカスタマイズしたい場合には、有料版がおすすめと言えるでしょう。
有料版と無料版のBIツールの違いとして、サポート機能が挙げられます。
BIツールのサポートにおいて、無料のBIツールは、FAQやコミュニティフォーラムなどといった基本的なオンラインサポートを提供することが多いですが、有料のBIツールでは、専門的なテクニカルサポートや顧客サポートが提供されます。
まずは基本的なサポートで問題ない場合には、無料版のBIツールを利用するのがいいでしょう。
4つ目の有料版と無料版のBIツールの違いは、データセキュリティです。
無料のBIツールは基本的なセキュリティ機能を提供することが多いですが、有料のBIツールでは、データ暗号化、高度なアクセス制御、監査ログといった、より強固なセキュリティ機能が提供されます。
重要なデータを扱う上でセキュリティ面は重要視したいかと思いますので、セキュリティ面では有料のBIツールにする方が安全といえます。
データの容量も有料版と無料版のBIツールでは違いがあります。
無料のBIツールの場合、分析できるデータの量に制限を設けています。一方、有料のBIツールでは、より大量のデータ量が扱えるよう、制限の上限値が無料版よりも大きく設定されています。
一定量のデータしか使用しない場合には、無料版のBIツールを使用するのが良いでしょう。
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールは、組織の意思決定を支援するためにデータを収集、分析、表示するためのソフトウェアです。以下に代表的な機能を7つ挙げてみます。
それぞれ簡単に紹介します。
BIツールの代表的な機能として、データ連携と取得があります。この機能は、さまざまなデータソース(データベース、スプレッドシート、外部APIなど)からのデータ取得や連携をサポートします。
2つ目のBIツールの代表的な機能はデータ分析です。統計分析や予測分析、機械学習など、様々な分析手法を用いてデータを理解し、インサイトを抽出します。
「インサイト」とは、通常、データ分析の結果として得られる重要な理解や発見のことで、これは新たな視点や意外な関連性、隠れたパターンなどが明確化されることで、ビジネスやプロジェクトの戦略を形成するのに役立ちます。
BIツールの3つ目の機能は、レポーティングとダッシュボードです。
分析結果を視覚的にわかりやすく表示するためのレポート作成やダッシュボード作成機能です。これらにより、ユーザーはデータのパターンやトレンドを直感的に理解できます。
4つ目のBIツールの機能は、現在のデータをリアルタイムで分析し、最新の情報を提供する機能です。
IoTなどで収集されたデータを、取得した瞬間から即座にそのデータを分析し、結果を提供するので、現在進行中の事象について、時間の遅延なく情報を得ることができます。
5つ目に取り上げるBIツールの機能は、データ共有と協業です。多くのBIツールでは、分析結果やレポートをチームメンバーや他の利用者と簡単に共有できます。また、同時編集やコメント機能などにより、協業を支援します。
6つ目のBIツールの機能は、データクレンジングです。取得したデータを分析に適した形に整形する機能で、具体的には、データの形式変更、欠損値の処理、外れ値の処理などを行います。
最後に紹介するBIツールの機能は、データウェアハウジングで、大量のデータを一元管理するためのデータウェアハウスを構築・運用する機能です。
上記は一部の機能に過ぎません。具体的な機能は、選択するBIツールにより異なります。またビジネスニーズに合わせて新たな機能も日々登場し続けています。BIツールの利用においては、自分のビジネスニーズに合ったツールを選ぶことが重要です。
BIツールを導入するには多くのメリットがありますので、本章にて6つほど紹介します。
ただBIツールを導入する際には、ツールの選択、データの品質と整合性、ユーザー教育などに注意を払う必要があるのも押さえておきましょう。
BIツールを用いることで、大量のデータの集計や分析が自動化され、レポート作成の時間を大幅に短縮できます。
データを視覚的なダッシュボードやチャートで表示することにより、データのパターンやトレンドを瞬時に把握しやすくなります。
多くのBIツールはクラウドベースであり、どのデバイスからでもアクセス可能です。これにより、分析結果は組織内で容易に共有することができ、部署やチーム、あるいは企業横断で、関わる従業員全員が同じ理解を持てるようになります。
BIツールを使用すると、ビジネスの意思決定は直感や経験に頼るものから、データに基づくものに変わります。これにより、より客観的で精度の高い意思決定の実現が可能になります。
リアルタイム分析の機能を備えたBIツールは、データが生成されると同時に分析を行い、最新のビジネス状況が把握できるようになります。
BIツールを使用して業務のパフォーマンスを追跡することで、生産性の低下や問題の発生源となるボトルネックを特定し、解消するための施策が実践できるようになります。
ビジネスインテリジェンス(BI)ツールはさまざまなシーンで活用できます。以下に具体的な例を6つ紹介します。
それでは順に紹介します。
売上、利益、新規顧客獲得数、顧客離脱率など、ビジネスにおけるKPI(Key Performance Indicator)を定期的に追跡します。これにより、ビジネスの健全性を一目で確認できるようになります。
市場の動向や競合他社の状況を把握するためには、外部データと自社が持つデータとを組み合わせて分析します。これにより、新たなビジネスの機会を見つけるための情報やヒントを得ることができます。
購買データやウェブサイトの利用データを分析し、顧客の嗜好や行動パターンを理解します。これにより、製品の改善やマーケティング戦略の調整など、顧客に対するより適切なアプローチやニーズへの対応が可能になります。
物流や製造業における在庫管理、生産性、労働時間、廃棄率といった運用面でのデータを分析します。これにより、運用効率の向上やコスト削減の対象や方法を見つけることができます。
過去のデータを元に未来の傾向を予測します。これにより、需要予測、販売予測などを行い、経営や販売の戦略の計画がしやすくなります。
潜在的な問題を早期に特定することでリスクが管理できるようになります。
このように、BIツールはビジネスの様々なシーン、領域で活用できます。しかし、重要なのは、何を達成したいのか、どのような課題や問題の解決策を得たいのか?を明確にすることです。その上で、BIツールの導入においては、適切なデータの収集、分析、活用が必要不可欠になります。
本記事では、無料で使用可能もしくは無料で試せるBIツールを4つ紹介しました。
上記のBIツールを利用したり、無料トライアルを活用したりして、自身・自社にとって有料版のBIツールが良いのか、無料版のBIツールが良いのかを判断してみましょう。
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