ウイングアーク1st株式会社は企業のデータ活用に客観的視点を付与する第三者データ提供サービス「3rd Party Data Gallery(以下、3PDG)」を2014年12月にスタートさせました。
オープンデータの活用が本格化している中、情報活用に積極的な企業は、社外のデータに目を向け始めています。そこで、選択・活用のヒントになるように3PDGの中で押さえてほしいデータを何回かに渡りご紹介します。
2015年は5年に一度の国勢調査実施の年でした。国勢調査データは、企業が単独で集めるデータからは得られない、網羅性のある情報を得ることができるビッグデータです。
総務省統計局による国勢調査の意義にも、「国勢調査から得られる様々な統計は、公的部門だけではなく、国民が国や地域社会の実態を知るためや、民間企業や各種団体が需要予測、店舗の立地計画などの経営管理を行うためなどに幅広く活用されています。(中略) このように、国勢調査は、国民、企業、団体等が我が国の現状を正しく理解し、将来の姿を見通していくために必要とされる最も基本的な統計情報を提供するもので社会経済の発展を支える情報基盤としての役割を果たしています」と定義されています。国勢調査が企業の活動を支える情報基盤として重要な調査である理由は主に以下の2点です。
一つ目の視点は「網羅性」です。
国勢調査は調査実施時点において日本国内に普段住んでいるすべての人(含む外国人)及び世帯を対象とし実施する全数調査です。従って国勢調査は、他の統計調査を設計するための基礎となる「フレーム」(母集団[調査対象全体]の抽出枠)の情報を提供するという役割を担っています。例えば、毎月の完全失業率を明らかにする労働力調査のように世帯を対象とする標本調査においては、その調査対象の抽出方法が結果精度に大きな影響を与えます。標本の抽出には「フレーム」が必要であり、それには日本全国をくまなく調査する全数調査の結果が必要となります。 国勢調査が全数調査として実施されることで、他の様々な統計の高い精度が確保されているのです。
もう一つのポイントは、国勢調査が“定期的に行われる「周期性」を持った調査”であることです。
国際連合が提示する国際基準においても原則として「センサスは、時系列比較ができるよう、定期的に行われるべきである。(中略)センサスは少なくとも10年周期で実施することが推奨されるが、国によっては、それぞれ国の人口・住宅の変動の速度に応じて、より短い周期で行うことが必要な場合もある。」と示されており、日本の国勢調査もこの原則を踏襲し、5年周期で行われています。国勢調査の調査事項としては、「男女の別」「出生の年月」「配偶の関係」「就業状態」「従業地又は通学地」など世帯員に関する調査事項13項目と、「世帯員の数」「住居の種類」「住宅の建て方」など世帯に関する調査事項4項目の設問からなります。調査項目数は実施年により異なります。これらの決められた項目の調査データが定期的に収集・蓄積されていくことで、時系列変化や将来に向けての予測を立てるための基礎データができあがるのです。
[著]Wingarc1st Official The BLOG編集部
本記事はウイングアーク1st株式会社の運営するThe BLOGに掲載された記事を許可を得て掲載しています。
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