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デジタル化が進む今日、データの取り扱いがより重要になってきています。その中でも、「メタデータ」や「メタ情報」という言葉を耳にすることが増えてきたかもしれません。しかし、これらの言葉の意味や利用方法は明確でない場合も多いでしょう。
この記事では、メタデータとは何か、どのような種類があるのか、そしてどのように管理・確認するのかをわかりやすく解説します。さらに、メタデータの活用事例や管理のポイントについても触れていきます。データの世界をより理解し、効果的に活用する手助けになれば幸いです。
メタデータ(メタ情報(以後メタデータ))は、「データに関するデータ」と定義されることが多いですが、これだけでは少し抽象的かもしれません。具体的に言うと、メタデータは他のデータの内容、性質、構造を説明する情報であり、それをより利用可能かつ理解しやすくするためのものです。メタデータは、データの「誰、何、いつ、どこ、なぜ、どのように」に関する情報を提供し、データが何であるか、どのように構造化されているか、どのように利用されるかに関する情報を含むことがあります。
例えば、デジタルフォトのメタデータは、撮影者の名前、撮影日時、カメラの設定、そして場合によっては撮影場所の座標を含むことがあります。これらのメタデータは、写真の管理、検索、および利用に非常に有用です。
メタデータは、データの利用と管理を容易にするだけでなく、データの信頼性や完全性を保証し、法律や規制の要件を満たすためにも重要です。さらに、メタデータはデータの意味を明確にし、データの関連性や関連するコンテキストを提供することで、より効果的なデータ分析や意思決定をサポートします。
■総務省によるメタデータの意味
メタデータとはコンテンツ自身のことを説明するためのデータのことです。デジタル化
したコンテンツにメタデータを付与すると、コンテンツの検索・整理、保管の効率化やア
ーカイブでの提供に役立ちます。
※出典:総務省「コンテンツのメタデータ付与について」
メタデータの種類は下記となります。
上記のような項目を設定することで、データの信頼性・信憑性を保証できますので、設定するようにしましょう。
メタデータと聞くと、SEOとの関連性について気になる方もいるかと思います。 WEBサイトにてメタデータを設定すると、検索エンジン(Google)にサイト内の情報を適切に伝える効果があるので、SEOの対策としてメタデータを設定するのが望ましいです。 SEO/WEBサイトにおけるメタデータの種類に関しては、次章にて詳しく紹介しますが、メタデータを適切に設定していなければ、検索エンジン(Google)がWEBページを認識しない場合もあるため、適切に設定するようにしましょう。
本章では、WEBサイトにて設定できるメタデータを紹介します。
順に紹介します。
title(タイトル)タグとは、ウェブページの題名を示す部分です。検索エンジンにページ内容を知らせる役割があるほか、検索結果にも現れるため、見る人がクリックしたくなるような工夫が必要です。検索結果でタイトルが全部見えるように、だいたい30文字程度にまとめましょう。
さらに、重要なキーワードを入れることで、検索エンジンや訪問者にページの主旨をしっかり伝え、検索上位に表示されやすくなります。ただし、キーワードを過度に使うと、不正と判断されることがあるので気をつけてください。タイトルタグは厳密にはメタデータではないものの、ページの情報を示す点でメタデータとして扱われることが多いです。
description(ディスクリプション)は、ウェブページの要約文としても知られており、ページの主要な内容を手短に説明したものです。 検索結果では、ページのタイトルの下に表示される要約文(スニペット)は、検索エンジンがページの内容を基にして自動で作成します。これにより、時には意図しない情報がスニペットとして出てしまい、ユーザーに誤解を招くことがあります。
しかし、良く書かれたディスクリプションは検索エンジンによってスニペットとして選ばれやすくなります。よって、ディスクリプションをきちんと作成しておくことで、意図した通りの情報をスニペットに表示させ、結果的により多くの訪問者を引き寄せることが期待できます。
keywords(キーワード)とも呼ばれる「メタキーワード」は、ウェブページに関連する単語を設定するためのものです。かつて、Googleをはじめとする検索エンジンは、これらのキーワードタグを使ってウェブページの内容を判断していました。
ですが、2009年にGoogleが公式にキーワードのメタタグを検索結果の順位付けの要因とはみなさないと宣言しました。その結果、キーワードタグを設定しなくても問題なくなりました。
charset(文字コード)はHTMLでは、「charset属性」とも呼ばれ、文字をどのように表現するかというルール、つまり文字エンコーディングを設定するためのメタ情報です。 文字エンコーディングがあるおかげで、文字が正確に表示されます。例えば、もし英語のブラウザを使って日本語のウェブサイトを見た場合、この文字エンコーディングの設定が間違っていると、文字が正しく表示されずに化けてしまうことがあります。
日本語が正確に表示されるようにするためには、適切な文字コードをウェブページに組み込む必要があります。日本語表示には「SHIFT-JIS」や「EUC-JP」といった文字コードもありますが、世界中で広く使われている「UTF-8」を使うのが普通です。
viewport(ビューポート)とは、スマートフォンなどの小さな画面でもウェブページがちゃんと見えるようにするための設定です。この設定をすることで、ウェブページがそれぞれのデバイスに合わせて最適な大きさで表示され、見やすいウェブデザインになります。
スマートフォンを使う人がどんどん増えているので、Googleもスマートフォンに合わせた「モバイルフレンドリー」なページを評価するようになりました。だから、ビューポートをうまく設定してスマートフォンでの見やすさを良くすることは、検索結果で上位に表示されるための重要な工夫の一つです。
OGPは「Open Graph Protocol」の短縮形で、ウェブページをソーシャルメディアで共有する時に、そのページの内容を適切に伝えるための情報を含んでいます。OGPを使うと、次のような情報をソーシャルメディア上で目を引く形で見せることが可能です。
もしOGPが正しく設定されていないと、X(旧Twitter)やFacebookで共有した時にこれらの情報がうまく表示されないことがあります。その結果、ソーシャルメディアからの訪問者を増やす効果が落ちるかもしれません。もしソーシャルメディアを使って人を集めたり、情報を広めたりする活動をしているなら、OGPを正確に設定することが大切です。
noindexやnofollowは、検索エンジンの巡回ロボットに対する指示を伝える情報です。「robots」という名前のタグとしても使われていて、noindexはウェブページが検索結果に表示されないようにします。品質が低いページや内容が重複しているページにこれを設定すると、検索結果で評価が下がるのを避けることができます。一方、nofollowはあるウェブページが他のページへのリンクを持っている場合、そのリンク先への移動を禁止する指示を出します。通常は、巡回ロボットはリンクをたどって次々とページをチェックしますが、自分のサイトと関係のない内容や広告のページへのリンクがある場合にnofollowを使うと、そうしたリンク先のチェックを防ぐことができます。
前章では、WEBサイトにおけるメタデータの種類を紹介しましたが、実際にどのように設定すればいいかわからない方もいるかと思いますので、本章ではメタデータの書き方・設定方法を2つ紹介します。
順に紹介しますので、ぜひ参考にしてメタデータを設定してみてください。
メタデータの設定方法として、HTMLで記述する方法があります。主なメタデータの書き方は下記になります。
メタデータ(メタ情報) | HTMLコード |
タイトル | <title>タイトル名</title> |
ディスクリプション | <meta name=”description”content=”ディスクリプションの文章> |
キーワード | <meta name=”keywords” content=”キーワード1,キーワード2,キーワード3″> |
文字コード | <meta charset=”文字コード名”> |
ビューポート | <meta name=”viewport” content=”width=device-width,initial-scale=1″> |
OGP(タイトル) | <meta property=”og:title” content=”タイトル” /> |
OGP(アイキャッチ画像) | <meta property=”og:image” content=”画像URL” /> |
OGP(ディスクリプション) | <meta property=”og:description” content=”ディスクリプション” /> |
OGP(URL) | <meta property=”og:url” content=”URL” /> |
メタデータをHTMLで設定する際は、上記を参考に正しく設定してみてください。
メタデータの設定方法として、WordPressのプラグインで設定する方法があります。 具体的には、下記のようなプラグインを使用するとHTMLタグを直接書かずともメタデータの設定が可能です。
上記2つはインストールすることで、管理画面の各ページの設定にてメタデータの項目が表示されるようになり、項目の入力が可能となります。 WordPressのプラグインによって、効率的にメタデータを設定できるでしょう。
Wordファイルのメタデータを確認する手順は以下の通りです。一度自分でも見てみましょう。
上記のような方法でメタデータを簡単に確認できます。
メタデータはデータドリブンな時代において、業務の効率化や知識の拡充に大きく貢献しています。以下にメタデータの具体的な活用事例を詳しく解説します。
活用ポイント: メタデータは、データの検索や組織化に極めて有効です。特定のキーワードやタグを使用して、関連するデータを簡単に見つけることができます。これは、大量のデータを管理する組織やプロジェクトにおいて、時間とリソースを節約する助けとなります。
具体例:データベースやコンテンツ管理システム(CMS)では、メタデータを利用してデータをカテゴライズし、フィルタリングすることが可能です。例えば、製品のデータベースでは、製品名、カテゴリ、製造者、価格などのメタデータを使用して、特定の製品を迅速に検索できます。また、図書館やアーカイブでは、タイトル、著者、出版日、主題などのメタデータを利用して資料を整理し、必要な情報を効率的に見つけることができます。
活用ポイント: メタデータは、データの変更履歴やアクセス履歴を追跡するのに役立ち、データの整合性とセキュリティを確保できます。これは、法律や規制の遵守、および企業のデータガバナンスポリシーの支援に不可欠です。
具体例:企業はセキュリティを確保するために、誰がいつデータにアクセスし、どのような変更を加えたのかを記録する必要があります。メタデータはこのプロセスをサポートし、データの変更履歴を明確にトレースできます。これにより、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを低減し、必要に応じて適切な対策を講じることが可能になります。
活用ポイント: メタデータはコンテンツマーケティングにおいても重要な役割を果たし、SEO対策として、適切なキーワードやメタタグを使用することで、ウェブコンテンツの可視性を向上させることができます。
具体例:ウェブページのメタデータは、検索エンジンがページの内容を理解する助けとなります。タイトルタグやメタディスクリプション、キーワードは、ウェブページのランキングを向上させ、ターゲットオーディエンスに対する可視性を高めます。また、ソーシャルメディアでのシェア時にどのようにページが表示されるかを制御するためにもメタデータを利用できます。これにより、コンテンツのクリックスルーレートを向上させ、ウェブサイトのトラフィックを増加させることが可能になります。
メタデータは単なる背景情報以上の価値を持ち、ビジネスの効率化、データの保護、そしてマーケティング効果の最大化に貢献する重要な要素であることがわかります。これにより、読者はメタデータの利点とその実用性をより明確に把握し、自身の業務やプロジェクトにおいて効果的に活用する方法を獲得できるでしょう。
メタデータの管理は、情報の整理、検索、利用において重要な役割を果たします。これには、明確な命名規則の設定、適切なツールの利用、そしてアクセス制御の実施が求められます。以下に、これらのポイントを詳しく解説します。
メタデータを効果的に管理するためには、明確な命名規則を設定することが重要です。命名規則は、メタデータの一貫性と整合性を保ち、エラーや混乱を減らす役割を果たします。
明確な命名規則は、各種メタデータの項目が何を意味するのか、どのようにフォーマットされるべきかを定義します。例えば、「作成日」は常に「YYYY-MM-DD」の形式で表示され、「製品カテゴリ」は特定のセットの値から選択されるべきである、といったルールを設定します。明確な命名規則は、データの入力、検索、報告をより簡単かつ効率的にすることで、組織全体の生産性を向上させます。
メタデータの作成、管理、検索を支援するツールを利用することで、作業の効率化と正確さを確保できます。これらのツールは、メタデータの標準化、自動化、および分析をサポートし、データの価値を最大化します。
メタデータ管理ツールは、メタデータの定義、収集、および保守をサポートし、データの質と利用可能性を向上させます。例えば、データカタログツールは、データアセットの発見と文書化を自動化し、データの起源、利用法、および関連性を追跡します。また、データ品質管理ツールは、メタデータを利用してデータの完全性と精度を確保し、データガバナンスの目標を達成します。また、データ量は指数関数的に増加しますので、コストの面からも極力ツールによって自動化することが重要です。
メタデータに対するアクセス制御を設定することで、データのセキュリティを保護できます。これは、機密データや重要なビジネス情報を保護し、法律や規制の遵守を支援します。
アクセス制御は、特定のユーザーやグループがどのメタデータにアクセスできるか、またどのような操作を行えるかを制御します。これには下記の権限設定が含まれます。
アクセス制御は、ロールベースまたは属性ベースのアクセス制御など、さまざまな方法で実装できます。これにより、データのセキュリティとプライバシーを保護し、内部および外部の脅威から組織のデータアセットを守ることが可能になります。
メタデータは、データの構造や内容を理解し、効果的に管理・利用するために不可欠な要素です。この記事を通じて、メタデータの基本的な知識と活用方法を得ることができたでしょう。データの世界は広大で複雑ですが、メタデータを理解し活用することで、情報の整理や検索、管理が格段に効率的になります。今後もメタデータの重要性を理解し、日常の業務やプロジェクトに活かしていくことで、データの力を最大限に引き出すことができるでしょう。本稿が皆様のビジネスに貢献できますと幸いです。
著者:犬を飼っているゴリラ
大手IT企業に入社し、フロントエンド、PFシステムの開発に従事。その後、IaaSサービスなどの各種サービス事業開発に携わったのち、大手HR・販促事業会社に転職した。2018年にMBAを取得し、現在も国内大手メーカーの新規事業企画、プロダクトオーナーなどを担っている。
(TEXT:犬を飼っているゴリラ 編集:藤冨啓之)
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