オンライン体験とリアル店舗の融合から見るアメリカ企業の挑戦–世界の一次情報からDXの光を照らす「World DX Journal vol.10」 | データで越境者に寄り添うメディア データのじかん
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オンライン体験とリアル店舗の融合から見るアメリカ企業の挑戦–世界の一次情報からDXの光を照らす「World DX Journal vol.10」

「データのじかん」の新特集、「World DX Journal」へようこそ!世界中で巻き起こるデジタル変革(DX)のリアルな声を、まるでそこにいるかのように届けます。報道におけるバイアスをそぎ落とし、生の一次情報を根拠に、日本から世界のDX動向をリアルタイムでキャッチ。読者のみなさん、各地のデジタル最前線の情報を通して、世界がどんな風に様変わりしているのか、目撃してみませんか?情報をシェアするだけじゃない、世界を「読む」ことで、これからを生きるヒントを一緒に探していきましょう。さあ、この冒険に、あなたも参加しませんか?第10弾はアメリカ アトランタ在住のデータのじかんFRIENDの原田朋さんがレポート。

         

買いたい商品の情報がもっと欲しい

お店に買い物にでかけて、その商品の情報を調べようとスマホで検索したことはありませんか?

目の前の商品に関する欲しい情報が欲しい!でも、店員さんも忙しくてる…じゃあ、自分で調べるしかないとスマホを取り出して調べる… あなたも似たような経験があるかもしれません。

確かどこかにクーポンがあったような…
ネット広告で見たような気がするけど…
似た他の商品よりいいって説明があったような…

など、目の前の商品をスマホで見る理由は人それぞれですが、少なからず検索をしたことがある人はいると思います。

なぜ店頭の商品の説明が不足しているのか?

目の前に商品があるのに、なぜ欲しい情報がないのか。それは、リアル店舗では提供できる情報に限界があるからです。

限られたスペースに並ぶたくさんの商品。

これらのひとつずつを説明するための販促物を置くスペースはありません。広告やクーポンを置くスペースもないし、それを準備する人でも時間もありません。そして、準備するものが多ければ多いほどコストもかかります。

このように、物理的、時間的、金銭的な制限の結果、各商品に関して提供できる情報が限られてしまうのです。

足りない情報を解決したアイデア

リアル店舗で商品の情報がもっと欲しいけどない

この「欲しいのにない」ギャップを埋めた製品がCooler Screensです。
冷蔵庫・冷凍庫の透明の「ガラス窓」を「デジタルスクリーン」に置き換えたのです。

リアル店舗ではスペースや時間の制限で提供できなかった情報を、デジタルスクリーンに詰め込んで購入者に届くようにしました。表示画面が切り替わるので、並んでいる全ての商品の情報量を増やすことができます。
商品の特徴、お得なセール情報、商品説明、広告など…。オンラインで買い物をするとき、その商品のいろんな情報を得てから買い物をするのと同じように、リアル店舗の現場でもできるようにしたのです。

お店で、「そういえばこの商品って…」とスマホを取り出して、情報を調べる必要がなくなったのです。

消費者がより欲しいものを表示

Cooler Screensのディスプレイは、冷蔵庫の外側と内側にカメラとセンサーがついています。外側のセンサーで購入者の動きをモニターします。内側のカメラで、商品の在庫の状況を捉えます。外のカメラで得た情報を元にAIが購入パターンを学習します。それによって、消費者がより欲しい商品の情報を表示することもできます。

例えば、この写真にあるように、赤いところは多くのお客さんがよく見る商品があるから、これらの商品を推した情報を流したり、

うだるような暑い日には、アイスクリームをセールの情報ととともにおススメしたり、といったことができます。

Cooler Screensのデモビデオ
https://www.coolerscreens.com/demo/

Coolder Screensは、情報を集めますが、個人情報は集めないようです。集めた情報をAIが解析をして、お客さんにより適した情報を表示します。デモのビデオに簡単にテクノロジーの説明があるのでご参照ください。

新しいテクノロジーは拒否反応もある

この新しいコンセプトは、アメリカで広がりつつあります。マイクロソフトなど資金面でバックアップし、コカ・コーラやバドワイザーなど大手のブランドも広告を出しています。2023年の時点で約10,000スクリーンが稼働しているとのこと。毎月約2億人の消費者の目に触れるようになると予測しています。

このように広がりを見せているテクノロジーですが、違和感を感じる消費者もいたようです。

お店で見慣れた冷蔵庫ではなく、いつもと違うものを見かけると「何これ?」と感じるものです。なにこれ!いいね!もあるし、なにこれ!最悪!と感じる人もいるでしょう。

Cooler Screens CEOのアバキアン氏は、「新しいテクノロジーに拒否反応を示す人がいるのは理解できる。Cooler Screensについて何ができて、何ができないか、消費者をエデュケーションしていく必要がある」と話しています。

この先、どんどん広がっていくと、ガラスの透明窓の方が違和感を感じるようになるかもしれませんね。

オンライン体験とリアル店舗の融合から見るアメリカ企業の挑戦のまとめ

オンラインショッピングの体験ととリアル店舗の体験を融合したアイデアがアメリカでじわじわ広がっています。Cooler Screensは、より消費者に適した商品情報を表示できます。このどれだけ広がっていくかわかりませんが、アメリカで見かけることがあったら、実物を体験してみてください。

データのじかんFRIEND:原田朋|Tomoo Harada
在米コンサルタント。商社、メーカー現地勤務など約25年の会社員生活を経て独立。DRM他、多種のマーケティングスキルと実践を通じて培った知見をもとに、企業のアメリカ進出や日米企業の業務改善をサポート。アメリカ生活、ビジネスに関する情報をサイトで発信。
https://atl-concierge.com/(アメリカ生活)
https://excf.atl-concierge.com/(ビジネス)
 
 

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