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ヨーロッパで盛んな代替医療「バイオフィードバック・バイオレゾナンス」とは? 専門家にインタビュー

         

筆者の住んでいるドイツは医療産業が非常に強い国です。有名な製薬会社や医療機器会社が名を連ね、世界トップクラスの市場シェアを誇っています。

一方、ドイツでは従来型の西洋医学だけでなく、代替医療が盛んに研究されてきました。その代表的な例が、1970年代にドイツ人医師により開発されたバイオフィードバックとバイオレゾナンスです。(バイオレゾナンスのセオリー自体は1930年代にロシアで発表されました。)

バイオフィードバックバイオレゾナンスは両者とも、身体に電極を取り付け、電磁波を使用して行われます。ドイツでは様々な病気や症状の治療法として6000カ所の医療機関で採用されているそうですが、日本ではまだ知名度が低いのではないでしょうか?

今回、イギリス・ブリストルでバイオフィードバック、バイオレゾナンスのクリニックを経営している専門家、ケイシー・サイファーさんにお話を伺うことができました。

ケイシー・サイファーさん

データのじかん(以下DT):バイオフィードバック、バイオレゾナンスについて簡単にご説明いただけますか?

サイファー(以下S):初めに説明したいのは、2つはそれぞれ異なる治療法だということです。

バイオフィードバックは電極を身体に取り付け、測定された周波をコンピューター上に表示することで、患者自身が身体の状態を視覚的に自覚し、自律機能を意識的に変えていくという治療法です。

一方バイオレゾナンスは、専用マシンから電極を通して健康的な電磁波を身体に流し、身体の異常な周波を正常に整えます。バイオレゾナンスでは、患者の意識的な参加は必要ありません

バイオレゾナンスに使用される専用マシン

DT:サイファーさんとバイオフィードバック、バイオレゾナンスとの出会いはどのようなものでしたか? また、なぜこの治療法を学ぼうと思ったのですか?

S:私が初めてバイオレゾナンスを知ったのは2012年、ドイツ・ベルリンでのことでした。私の当時のパートナー、Maurizio Strazzeriがバイオレゾナンス治療を提供しており、私に治療を施すことでその概要を説明してくれたのです。初めは私も懐疑的で、彼には自分の治療歴なども教えませんでした。

私を電極に繋いでから10分後、彼がこう言ったんです。「君に化学療法歴があるなんて知らなかったよ。血液中に痕跡が見える」

とても驚きました。実はその2年ほど前、皮膚ガン治療の一環として化学療法を2回受けたことがあったんです。そのことは彼に伝えていませんでしたし、血液検査をしたわけでもありません。一体どうして分かったんだろう? それがバイオレゾナンスの技術に魅せられたきっかけでした。その後、彼から手法を学び始めたんです。

DT:バイオフィードバック、バイオレゾナンスはどういう仕組みで病気や症状を改善するのですか? 自律神経系の調節に関係しているのですか、それとも悪性細胞を殺す効果があるのですか?

S:バイオフィードバックは、患者が総運動機能のコントロール、つまり筋肉のコントロールを取り戻す補助をします。

バイオレゾナンスは疲弊した臓器の回復を助けることで免疫機能を活性化させます。過剰なストレスや刺激によりダメージを受けた副腎がその一例ですね。もうひとつの効果は、細胞を殺すことで得られるわけではありません。微生物や細菌、ウイルス、寄生虫といった有害な存在が嫌う電磁波を流すことで、それらを「抹殺」します。がん細胞を「抹殺する」様子は、以下のビデオから見られます。

DT:どういった病気や症状の治療に向いていますか?

S:バイオフィードバックは、疼痛管理、ストレス管理、不整脈、頭痛、てんかん、自律神経失調、便失禁、気管支喘息,高血圧などの治療に活用されています。一方バイオレゾナンスは、歯と歯茎、アレルギー、関節リウマチなどの治療に使用されます。

DT:この治療法はイギリスでは一般的ですか? イギリス国内でこの治療を経験する人の割合はどれほどですか?

S:イギリスでは、バイオフィードバックやバイオレゾナンスは国民健康保険の適用内です。しかし、例えばドイツやロシアに比べると、イギリスではそれほど一般的とは言えません。バイオフィードバックについて言えば、おそらく年間1万人ほどの人がイギリス国内で治療を受けていると見られます。バイオレゾナントのガンや糖尿病治療への使用例数は公表されていません。

イギリス・ブリストルのクリニックにて施術中のサイファーさん

DT:この治療を提供するには特別な資格/免許が必要ですか?

S:現在のところイギリスでは不要です。個人的に、他の2人の専門家と初のレベル4プログラム(アメリカでは準学士号に相当)の立ち上げに動いているところです。こうしたトレーニングの基準が設定されたのち、倫理宣言への署名や世間的な信頼の確立、クリニック間の競争力や治療の質といった面を評価する機関を設立する必要があります。

イギリスに移住した当初、こうした基準や機関がないことに驚きました。2、3の協会をインターネットで見つけましたが、それらはイギリスよりもアメリカや他のヨーロッパ地域で活発なようです。

DT:従来の西洋医学と比べたとき、バイオフィードバックやバイオレゾナンスのメリットとデメリットは?

S:私は現代西洋医学を高く評価しています。代替医療従事者の多くが、西洋医学の過ちを長々と語り、極端な立場をとってそれを「悪」とみなしさえします。

私はそうではありません。冒頭で述べたように、私は化学療法を受けることに抵抗はありませんでした。また、ガンが進行しており2回目の化学療法が失敗に終わった際は、患部の皮膚を取り除く手術を受けました。予後は良好でした。

年齢、食事、メンタル面、その他の身体の病気や状態にかかわらず、医薬品が様々な人にほぼ同じ効果をもたらすという事実には、感嘆するしかありません。

治療と治癒にかけては、人体は本当に興味深いものです。ゴーレム博士の本「How To Think About Medicine」はそれに気がつかせてくれます。そこでは、プラセボ効果の協力さ、そして身体の自然な治癒能力が指摘されています。

DT:興味深いお話をありがとうございました!


私たちの身体が持つ自然な治癒力を引き出してくれるバイオフィードバック&バイオレゾナンス。日本ではまだあまりメジャーではありませんが、将来的に信頼性が高まれば、正式な医療として認定される日が来るかもしれませんね。

取材協力:Kasey Phifer, The Bristol Centre for Biofeedback

参考リンク:
Are there evidence-based studies on the efficacy of bioresonance therapy?
Bioresonance therapy with children suffering from allergies—An overview about 
clinical reports

佐藤ちひろ

 
データ活用 Data utilization テクノロジー technology 社会 society ビジネス business ライフ life 特集 Special feature

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