BIを導入すれば、PCやタブレットを介して、いつでも必要な「データ」を見ることができ、さらにビジュアル化されたグラフ等で、比較や課題の深掘りも可能になることは理解できました。しかし、その見え方のおおもとの部分。さまざまなデータをどのように取り扱って活用できるようになっているのでしょうか?
BIは、PCやタブレットに業務に応じた専用のダッシュボードを設定することで、分析・ビジュアル化された「データ」に容易に触れることができ、直感的な操作によって誰もが使いこなせるのが特徴です。しかし、便利さだけでなく、その便利な理由も知ることで、ツールの向こう側をブラックボックス化せずに、社内のデータの本質的な価値を意識することで、そもそも「データ」を日々生み出す業務の大切さを再度理解することができます。
今回は、BIによる「データ」の活用を可能にしているBIツールの構成について見ていきましょう。まず、BI導入後の社内の「データ」の流れは以下のようになります。
従来、販売管理や顧客管理など、社内の業務に応じて貯められてきたさまざまなデータベース(業務DB)内の「データ」を1か所に収集するのがETLの役目です。ETLには、データを集計・分析しやすい形に加工するための役割があります。
ETL = Extract(抽出) Transformer(変換・加工) Load(ロード)
たとえば、各業務DBの中には、同じ会社に関わる取引が次のようにバラバラな「データ」として蓄積されています。全角や半角、省略等により“別々の会社”と登録されてしまっていて、取引の推移や全体像を把握することができません。
これをETLによって、1つの会社として集計・分析することができます。
同様に日時で蓄積されていく「データ」を日別や時間別で集計することで、「データ」を必要とする人の分析しやすい提示が可能です。
このようにさまざまな業務DBから抽出して集めた「データ」を、ETLによって変換加工し、使える状態にし、格納するのがDWHの役割です。
DWH = DataWareHouse(「データ」の倉庫)
DWHは、集めたデータを統合し、時系列に蓄積するデータベース(DB)です。
社内のさまざまな業務DBからETLを介して集められた膨大な「データ」が、「誰かの目的を持って使われる」のを待っています。 この「データ」を使う道具がBIなのです。再度、BIツールの全体を見てみましょう。
前回、BIは、社内データを活用することで、担当者が業務の課題に気づき、アクションにつなげることまでが「BI導入効果」と説明しました。
その効果を実現するためには、社内の一部の人だけのBI活用にとどまっていては効果も限定的になってしまいます。
何が違うのでしょうか?
たとえば、BIによる「データ」分析の結果を「全員」で共有することで、全社的な「ゴール」の意識を合わせることができます。
全社的なゴールの意識を合わせることで 現場力の底上げ、意識向上、業務効率の向上を実現できる。
BIは、社内の「データ」から価値を生み、社員1人ひとりの仕事に気づきと行動を起こさせ、会社全体の業務改革を進めていくものなのです。
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