信用スコアのメリットとデメリットとは?
日本でも次々とサービスが生まれつつある信用スコアリング、実際のメリットとデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
メリット
- 信用情報を自分自身で把握できる
信用スコアのメリットとして挙げられるのが自分の信用の状態を数値として把握できるということです。冒頭の通りこれまで個人の信用情報は本人には分からない形でブラックボックス化されていました。しかし、このスコアでは、自分の状況が数値として明示されるため、審査の結果をある程度納得感をもって受け入れることができます
- 信用情報で様々な特典が受けられる
各サービス説明の中でも紹介したとおり、信用スコアがあることで、様々な特典を受けられる場合があります。
- サービス利用者、提供者がより安心してサービスを提供できる
Amazonや楽天などのショッピングサイトやメルカリやラクマといったフリーマーケットサービスなどではすでに当たり前になりつつ、星やコメントでの評価、これに変わって信用スコアが提供された場合、どの商品を買うかやどのサービスを選ぶかを選ぶ一つの大きな基準になったり、トラブルを回避しやすくなったりします。
デメリット
- 信用スコアが「できない」ことを増やすかもしれない
現在日本のサービスでは、信用スコアによって様々なサービスの優遇が受けられます。
一方、中国では、信用スコアが一定の水準に達していないと、航空チケットが買えなかったり、マッチングアプリに登録ができなかったり、と信用スコアによって「できない」ことが増えてきています。日本でも各社サービスが、この「できない」に舵をきると、信用スコアがその人の生活を大きく変えてしまう可能性があります。
- 様々な格差がさらに拡大する懸念がある
信用スコアによるもう一つの不安が、生まれた家庭環境や貧富の差による様々な格差がさらに拡大するのではないか、という懸念です。
銀行の与信情報などを元にして信用情報が算出され、それによって、金融機関だけでなく娯楽、生活に必要なインフラサービスなどでも「できない」ことが増えると、貧富の差や環境の差が、新たな差を生み、富めるものはより富み、貧するものはさらに貧する、というフィードバックが働く可能性があります。
わかりやすく、便利だからこそ、慎重に。その意義を考える
信用スコアは、定量的で比較しやすく、多くのサービス提供者にとっては非常に便利な指標になりうるものです。
しかし、信用スコアが実用レベルで使われている中国では、信用スコアによる「足切り」によってすでに格差の拡大が加速しつつあります。
定量的で便利の裏には定量的には表現しきれない、個々人の人生あります。そうした中で、信用スコアの便利なところをうまく活用しつつ、いかに格差を拡大させないか、という点を考慮しなくてはならないのかもしれません。と同時に評価方法が透明化されるのであれば、いかにして信用スコアをあげるのか、という方法も明確にされるはずです。自分が必要としている信用スコアを得るための具体的な方法がわかるのであれば対策の仕方も変わってくるはずです。メリット・デメリットはありますが、ルールがシステム化され透明化されていくことは現在の不透明な判断基準よりもよくなるかもしれません。
【参考引用サイト】
・ AIスコアとは | AIスコア | J.Score(ジェイスコア)
・ 中国で浸透する「信用スコア」の活用、その笑えない実態|WIRED.jp
・ LINEスコア/LINEポケットマネー 公式ブログ
・ Rerep(リリップ) - 与信の次世代パートナー
・ Yahoo!スコアについて - Yahoo! JAPAN
(大藤ヨシヲ)
「信用スコア」ってどんなもの?日本にはどんなサービスがあるの?
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