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データのじかんフィーチャーズ|part.015|エフェクチュエーションにおける理論・原則/イノベーション/金融業界について

データのじかんを閲覧頂いているみなさま!!こんにちは!!【データのじかんフィーチャーズ】担当の畑中一平です。【データのじかんフィーチャーズ】は、最新の話題や事件に焦点を当て、これまでに「データのじかん」で紹介した記事の中から厳選してピックアップし、詳細にレポートして皆さまにお伝えする企画です。

第15回目となる今回は、VUCAな時代の優れた起業家たちが用いる思考様式として注目されている“エフェクチュエーション”をフォーカスした特集をお届けします。

         

「エフェクチュエーション」は、起業家精神と意思決定に関する理論の一つで、特に不確実性の高い状況下での意思決定プロセスを説明します。この理論は、サラサスバシー教授によって提唱され、計画と予測に基づく従来の戦略的アプローチとは異なる視点を提供します。

エフェクチュエーションの主な特徴としては、

① 手持ちの資源から始める

起業家は、手元にある資源を利用して何ができるかを考え、そこからアイデアやビジネス機会を生み出します。

② 予測不可能な未来に対する対応

完全な情報が得られない状況での意思決定を、予測ではなく、手持ちのリソースと現在の状況を基に行います。

③ 利害関係者との共同作業

起業家は他の人々と協力してリスクを分散し、新たな市場や機会を創造することに焦点を当てます。

④ 制御可能なリスク

不確実性を管理するために、大きなリスクを取るのではなく、小さなステップで前進し、その過程で学びながら調整します。

が挙げられます。

この理論は、特に新しいベンチャーの立ち上げや、革新的なプロジェクトの管理に役立ち、伝統的なビジネスプランや市場調査に依存せずに、動的かつ柔軟なアプローチを取るので、昨今関心が高まっています。

そこで今回のデータのじかんフィーチャーズでは、『エフェクチュエーション』について『理論・原則』、『イノベーション』、『金融業界』の観点でFeatureします。

エフェクチュエーションを形成する5つの原則

この画像は生成AIにて作成しています。(TOOL:ChatGPT4 Date:2024/8/27)

エフェクチュエーションの理論は、起業家が不確実な状況でどのように意思決定を行うかに焦点を当てたものです。この理論は、計画主導のアプローチとは対照的に、利用可能なリソースや個人の目標を出発点として取り上げます。エフェクチュエーションにはいくつかの核心的な原則があります。

エフェクチュエーションの五つの原則について以下に示します。

① バード・イン・ハンドの原則(手持ちの資源から始める)

起業家は、何ができるかではなく、手元にあるもの(誰を知っているか、何を知っているか、誰が彼らを助けることができるか)を使って、可能なアクションを決定します。

② 手頃な損失の原則

リスクを取る際、起業家は「最悪の場合どれだけ失うか」を基準に判断し、その範囲内で行動します。これにより、大きな失敗のリスクを避けつつ、小さなリスクで多くを学び、進めます。

③ パッチワークのキルトの原則(ステークホルダーとの協働)

新しい機会を探求する過程で、起業家は様々なステークホルダーと協力し、彼らのアイデア、資源、能力を組み合わせて、共同で価値を創出します。

④ レモネードの原則(予期しない事態を機会に変える)

起業家は、予期せぬ出来事や偶発的な発見を機会として捉え、それをビジネスの成長や発展のきっかけとします。

⑤ パイロット・イン・ザ・プレーンの原則(未来を予測するより制御する)

起業家は、予測不可能な未来を制御することに重点を置きます。これは、事前の計画や市場予測に依存するのではなく、行動を通じて未来を形成することを意味します。

エフェクチュエーションは、特に新しいベンチャーや革新的なプロジェクトに適用されます。不確実性が高い状況での意思決定をサポートし、起業家が変化に柔軟に対応しながら機会を捉えるための枠組みを提供します。

この理論は、起業家だけでなく、大企業のイノベーション担当者や政策立案者にとっても有益な指針を提供し、不確実性の中での効果的な戦略立案と実行に役立ちます。

 

エフェクチュエーションは、イノベーションを推進するための新しい方法論

この画像は生成AIにて作成しています。(TOOL:ChatGPT4 Date:2024/8/27)

エフェクチュエーションは、イノベーションと新規事業開発に必要な市場のニーズの特定や、それに応える新しいビジネスモデルや製品の開発などにおいて、非常に有効なアプローチとされています。この理論は、不確実性が高い環境での起業家的な意思決定を支援し、以下のような具体的な視点からイノベーションに対するアプローチを提供します。

① リソースベースのイノベーション

エフェクチュエーションの「バード・イン・ハンドの原則」は、手持ちのリソースを出発点として利用することを強調します。これは、限られた資源で何を創造できるかを考え、リソースの制約をイノベーションの機会として捉えることを促します。既存の技術やスキル、ネットワークを活用し、新しいビジネスモデルや製品を開発することが可能になります。

② ステークホルダーとの協創

「パッチワークのキルトの原則」は、異なるステークホルダーと積極的に協力し、彼らの知見やリソースを組み合わせて新たな価値を創出することを奨励します。この共同作業により、より広範な視野からイノベーションを追求できるため、市場や技術の予想外の可能性を探ることができます。

③ 障害を機会に変換

「レモネードの原則」は、予期せぬ障害や問題を機会として捉えることを推奨します。これは、困難な状況を柔軟に対処し、それを新しいビジネスアイディアや改善の契機とすることを意味します。このようにして、イノベーションは「問題解決」のプロセスとして捉えられ、創造的な解決策が生まれやすくなります。

④ 未来の積極的な形成

「パイロット・イン・ザ・プレーンの原則」により、未来を予測するよりも、現在の行動を通じて未来を形成することが強調されます。これにより、起業家はプロジェクトの進行中に新たな情報を統合し、適応しながら前進することができ、イノベーションプロセスがより動的で反応的なものになります。

エフェクチュエーションは、イノベーションを推進するための新しい方法論として注目されており、特にスタートアップや新事業部門での応用が見られます。不確実性の高い現代のビジネス環境において、従来の予測に基づく方法よりも、より柔軟で実験的なアプローチを提供することがその魅力です。

 

金融業界がエフェクチュエーションを取り入れるために必要なこと

この画像は生成AIにて作成しています。(TOOL:ChatGPT4 Date:2024/8/27)

エフェクチュエーションと金融は、起業家精神と投資戦略の観点から繋がりがあります。特に、新しいビジネスや革新的なプロジェクトを推進する際に、エフェクチュエーションの原則がどのように金融戦略に役立つかを考えることが重要です。

以下にエフェクチュエーションと金融の関連性を示します。

① 手頃な損失の原則

起業家はエフェクチュエーションの原則に従って、「手頃な損失」の観点から投資を決定します。つまり、大きなリスクを避け、失っても許容できる範囲の資金を投じることを意味します。これは特に初期段階のベンチャー投資において重要で、リスクを管理しながら機会を探求する方法を提供します。

② パッチワークのキルトの原則

金融の観点からは、この原則は多様な投資者や関係者とのネットワーキングを促します。起業家は、異なるステークホルダーからの資金提供やリソースを統合して、ビジネスのリスクを分散し、成長機会を増やすことができます。

③ パイロット・イン・ザ・プレーンの原則

金融戦略において、この原則は将来の不確実性を予測するよりも、起業家が現在の資源を最大限に活用して将来を形成することを強調します。つまり、市場の変動や外部環境に対応しながら、積極的に金融戦略を調整することが求められます。

エフェクチュエーションのアプローチを金融戦略に取り入れることで、起業家はより柔軟に資金調達や投資決定を行うことができ、不確実な市場環境下での生存と成長を目指すことが可能になります。このような戦略は、特に革新的なプロジェクトや新しい市場での事業展開において、重要な役割を果たします。

 

以上、今回は『エフェクチュエーション』について、5件の厳選記事を添えて紹介させて頂きました。

それでは、次回も【データのじかんフィーチャーズ】をよろしくお願いします!


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(畑中 一平)

 

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