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データのじかんフィーチャーズ|part.043|孤独と孤立を5つの視点から考える――実態/テクノロジー/ペット/コミュニティ/ソリチュード

データのじかんを閲覧頂いているみなさま!!こんにちは!!【データのじかんフィーチャーズ】担当の畑中一平です。【データのじかんフィーチャーズ】は、最新の話題や事件に焦点を当て、これまでに「データのじかん」で紹介した記事の中から厳選してピックアップし、詳細にレポートして皆さまにお伝えする企画です。

2024年4月に施行された「孤独・孤立対策推進法」をきっかけに、孤独や孤立を多角的に考える必要性が高まっています。第43回目となる今回では、日本における現状をはじめ、テクノロジーの活用、ペットとの関係、地域や趣味のコミュニティの意義、そして前向きな“ひとり時間”としてのソリチュードまで、5つの視点から深掘りしました。具体的な事例や関連データも交え、課題と向き合うためのヒントを紹介します。

         

2024年4月、「孤独・孤立対策推進法」が施行されました。少子高齢化や生活の多様化が進む中で、誰もが孤独や孤立に直面し得る社会となったことが背景にあります。しかし、孤独は単なる個人の感情の問題ではなく、健康や社会参加にも深く関わる課題です。

日本の現状を見ると、高齢者だけでなく、若年層や子育て世代においても孤独感が広がっています。特にコロナ禍で、人と人との距離が物理的・心理的に開いたことが影響していると考えられます。調査では「相談できる人がいない」と答える割合が増加傾向にあるとも報告されています。

一方で、テクノロジーやペット、地域コミュニティ、さらには意識的な「ひとり時間」といったさまざまな要素が、孤独や孤立と向き合うためのヒントになり得ます。こうした課題を多角的に考えるために、今回のデータのじかんフィーチャーズでは『孤独と孤立』をテーマに、『実態』『テクノロジー』『ペット』『コミュニティ』『ソリチュード』の5つの観点から紹介します。

日本の孤独・孤立の実態

日本における孤独や孤立は、特定の世代だけの問題ではありません。高齢者、子育て世代、若年層――それぞれが異なる背景で孤独を抱えています。高齢者の場合、配偶者との死別や身体機能の低下、地域社会とのつながりの希薄化が大きな要因です。子育て世代では、核家族化や共働きによる負担感、育児に関する相談相手の不足が孤独感を強めています。そして若年層では、学校や職場での人間関係の難しさ、SNSでの比較や疎外感が課題として浮かび上がります。

こうした孤独感をさらに深めたのがコロナ禍でした。感染防止のための外出制限やリモートワークの普及により、対面での交流機会が激減しました。特に若者や子育て世代では、オンラインのみのつながりが続いたことで「リアルな関係」を持てないまま孤立感が増幅したといわれています。

内閣府の調査(2023年)によると、「相談できる人がいない」と答えた人の割合は全世代で増加傾向にあり、特に20代・30代の若年層で顕著です。また、ひとり暮らしの高齢者の約4割が「日常的な会話がほとんどない」と回答しており、孤独が日常化している現状がうかがえます。

詳しくは、こちらの記事で、日本における孤独・孤立の現状や国際比較を交えた分析を紹介しています。

【シリーズ 孤独と孤立をデータで探る①】「孤独・孤立対策促進法」施行から1年。日本人は本当に「孤独・孤立」なのか?

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テクノロジーで孤独は解消できるか

デジタル技術は、孤独や孤立の解消において新たな可能性を広げています。AIチャットやオンラインコミュニティ、メタバースといったツールは、物理的な距離を超えて人と人をつなげる手段として注目されています。特にAIチャットは、気軽に思いを吐き出せる相手として、一人暮らしの高齢者や若者を中心に利用が進んでいます。

また、メタバースやVR空間を活用したイベントや交流会では、身体的制約を超えてコミュニティに参加できる環境が整いつつあります。地方在住者が都市圏の文化活動やサークルにバーチャル参加する事例も増えています。SNSやオンラインサロンもまた、新しい居場所づくりの場として機能しはじめています。

一方で、匿名性が高いオンライン空間は、心ない言葉や分断を生み出す場にもなり得ます。過剰な依存によって現実世界での人間関係が希薄化するリスクも指摘されています。孤独を埋めるはずのツールが、かえって孤立を深める要因になる可能性もあるのです。

こうしたテクノロジー活用の可能性と課題については、こちらの記事で国内外の事例を交えて詳しく解説されています。

【シリーズ 孤独と孤立をデータで探る②】テクノロジーで「孤独・孤立」は解消されるのか?

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ペットと共に生きること

孤独を和らげる存在として、ペットの果たす役割は非常に大きいものがあります。犬や猫などのコンパニオンアニマルは、単なる愛玩動物を超え、心のよりどころとして多くの人々を支えています。特に一人暮らしの高齢者や、日常のストレスを抱える単身世帯にとって、ペットは無条件の愛情を返してくれる存在であり、孤独感を和らげる大切なパートナーです。

近年では、ペットが人間のメンタルヘルスに与える効果を示す研究も増えています。犬の散歩は身体活動の習慣化や近隣住民との交流促進につながり、猫の穏やかな仕草や鳴き声は飼い主のストレスを軽減することが報告されています。

一方で、ペットを飼うことには経済的・身体的な負担も伴います。特に高齢者にとっては、将来的な飼育継続の不安や、入院・介護時の預け先確保といった課題が避けられません。こうした問題に対応するため、ペットの一時預かりサービスや高齢者向けの飼育サポート、ペット信託制度なども広がりつつあります。

こうしたペットと人との関係性については、こちらの記事でも詳しく紹介されています。

【シリーズ 孤独と孤立をデータで探る③】「ペット」は孤独・孤立問題の突破口になれるのか?

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コミュニティでつながること

孤独や孤立の解消において、地域や趣味のコミュニティは重要な役割を果たします。人と人が集い、互いに支え合う関係を築くことは、孤独感をやわらげ、自己肯定感を高める大きな力となります。

近年、自治体やNPOが主導する「居場所づくり」の取り組みが全国で広がっています。高齢者のサロン活動や子育て世代の交流会、オンラインとオフラインを組み合わせたコミュニティスペースなど、その形はさまざまです。カフェや公民館を活用し、世代や立場を超えて交流できる場を提供する事例も増えています。

また、デジタル技術を活用した新しい形のコミュニティも増えています。SNSやオンラインサロンでは、趣味や関心を共有することで、居住地に関係なく安心して語り合える環境が生まれています。

こうした地域・デジタル双方のコミュニティ活動については、こちらの記事で具体的な事例が紹介されています。

【シリーズ 孤独と孤立をデータで探る④】ロボットやペットがつなぐ未来型のコミュニティのカタチとは?

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ソリチュード――ひとりを選ぶということ

孤独という言葉には、どこかネガティブな響きがあります。しかし、すべての「ひとり時間」が不幸や疎外を意味するわけではありません。自ら望んで過ごす時間――それは「ソリチュード」と呼ばれ、自己を見つめ直し、心を整えるための大切なひとときです。

忙しさや情報過多にさらされる現代社会では、意識的にひとりになることで、自分の気持ちや考えを整理し、前向きなエネルギーを取り戻せることがあります。読書や散歩、趣味に没頭する時間は、その典型です。

もちろん、ソリチュードと孤立は異なります。自分で選んだ「ひとり時間」は、心の栄養になりますが、望まぬ孤立は心身に悪影響を及ぼしかねません。重要なのは、周囲とのつながりを持ちながら、自分だけの時間をどう確保するかというバランスです。

ソリチュードの価値や実践のヒントについては、こちらの記事で紹介されています。

【シリーズ 孤独と孤立をデータで探る⑤】孤独・孤立を許容する社会は可能か?

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孤独や孤立は、誰にでも起こり得る身近な課題です。しかし、テクノロジーやペット、コミュニティ、ソリチュードといった多様な視点を持つことで、その向き合い方は変わってきます。今回紹介した記事が、読者の皆さまが自分らしいつながり方を考えるきっかけになれば幸いです。

それでは、次回も【データのじかんフィーチャーズ】をよろしくお願いします!


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(畑中 一平)

 

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