

3月に入り、WBCの予選もいよいよ最終戦を迎えました。実は筆者、運よくチケットが当選し、今日は東京ドームで試合を観戦する予定です。すでに日本は3連勝で決勝進出を決めている状況ですが、それでも国際大会ならではの緊張感や雰囲気は特別なものがあります。野球は昔から「データのスポーツ」とも言われますが、個々の選手の能力だけでなく、チームとしてどのように力を発揮するかが結果を左右するのも、この競技の面白さではないでしょうか。
それではまず、今回紹介する記事をダイジェストで紹介します!!
日本では高齢化が急速に進んでいます。総務省統計局が「敬老の日」に合わせて発表した統計によると、高齢者人口は3,619万人(2025年9月時点)に達し、人口に占める割合は過去最高の29.3%となりました。こうした中で社会的な課題として注目されているのが、認知症患者の増加です。内閣府の推計では、2050年には認知症患者が約586万人、軽度認知障害(MCI)を含めると約1,200万人に達すると見込まれています。本シリーズではこれまで、日本の認知症問題を「人口構造」「医療・介護制度」「地域格差」といったマクロな視点から整理してきました。第4回では視点を生活者側に移し、行動データやテクノロジーが認知症の「気づき」「予防」「つながり」をどのように支え始めているのかを読み解きます。 (・・詳しくはこちらへ)
「独自性」と「統合」は一見すると相反する概念に思えるかもしれません。しかし、個々のアイデアを活かしながら組織として成果につなげるためには、多様な発想をどう束ねるかという課題が避けて通れません。かつて創造性は「天才」の資質と考えられていましたが、現在では誰もが持ち得る能力として再定義されています。その一方で、全員が創造的になれる時代には、アイデアをどう統合するかという新たなジレンマが生まれています。本記事では、創造性研究における二つの潮流――「進化論モデル」と「創造的合成モデル」の課題を踏まえ、東京大学大学院の稲水伸行氏とベネッセ教育総合研究所の佐藤徳紀氏が提唱する新理論「進化的合成モデル」を紹介。インタビューを通じて、創造性マネジメントの新たな視点を探ります。 (・・詳しくはこちらへ)
「操り人形のように会議に振り回される」──。東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行氏は、ハイブリッドワーク時代の働き方をこう表現します。オフィスとリモートを組み合わせた環境により「いつでも、どこでも」働けるようになった一方で、常につながり続ける状態が、かえって創造性を阻害している可能性も指摘されています。さらに、生成AIの普及によって“平均的に良いもの”が容易に生み出される時代、人間の役割はどこにあるのでしょうか。本記事では、稲水氏とベネッセ教育総合研究所の佐藤徳紀氏へのインタビューを通じて、ハイブリッドワークと生成AI時代における「組織としての創造性」のあり方を考えます。前編で提示された「進化的合成モデル」と、創造性のパラドックスの行方にも迫ります。 (・・詳しくはこちらへ)
3月に入り、季節は春へと向かう一方で、世界ではさまざまな出来事が同時に動いています。そんな中、ChatGPTなどの生成AIは、経営者やビジネスパーソンにとって「気軽に相談できる相手」として存在感を増しています。誰にも言えない悩みでも、AIなら嫌な顔ひとつせず付き合ってくれる――そんな頼もしさを感じている人も少なくないでしょう。しかし、AIとの対話はすべてデータとして記録される可能性があります。SNSの投稿やメッセージと同様、それらの情報は個人に関する重要なデータでもあります。本記事では、メッセージアプリSignalの代表メレディス・ウィテカー氏の発言を手がかりに、AI時代におけるデータとプライバシーの問題について考えます。 (・・詳しくはこちらへ)
長らくGoogleは、検索を軸にインターネットの巨大プラットフォーマーとして君臨してきました。近年はAIエージェントの活用を背景に、ECなど新たな領域にも影響力を広げようとしています。しかし、その一方でIT業界の水面下では、次世代のプラットフォームをめぐる新たな競争が始まりつつあります。生成AIやデータを軸に、従来の勢力図を塗り替えようとする企業の動きが活発化しているのです。本記事では、OpenAI、Apple、Sonyなどの企業の動きを手がかりに、次世代プラットフォーマーをめぐる競争の構図を探ります。AI時代におけるプラットフォームの主導権は、どこに向かうのでしょうか。 (・・詳しくはこちらへ)
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2026.03.02 公開

認知症というと「高齢になって突然発症する病気」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし医学的には、認知症は発症の10〜20年前から脳内で変化が始まっているとされています。重要なのは、その兆候が必ずしも病院の検査データだけに現れるわけではないという点です。むしろ、外出頻度の減少、歩行速度の低下、睡眠リズムの乱れ、会話量の減少といった「生活の中の行動の変化」として、早い段階から現れる可能性があることが近年の研究で明らかになっています。
こうした背景を裏付けるのが、医学界で大きな影響力を持つLancet認知症予防委員会の報告です。最新の研究では、教育、運動、社会参加、生活習慣など14の修正可能な要因を生涯にわたりコントロールすることで、認知症の最大約45%は予防、あるいは発症を遅らせることができる可能性が示されています。つまり認知症は、遺伝や加齢だけで決まるものではなく、日常生活の環境や行動と深く関係する病気でもあるのです。
本記事では、こうした視点を踏まえ、「個人の行動データ」に着目します。歩数データや睡眠ログ、会話量などの生活データを通じて、認知症リスクを早期に捉える取り組みが広がっています。さらに、センサーやAIを活用した見守り、VRによる認知機能チェックなど、テクノロジーを活用した新しいケアの形も登場しています。
発症後に支えるだけでなく、「生活の中で早期に気づき、予防につなげる社会」へ。本記事では、行動データとテクノロジーが認知症ケアをどのように変えつつあるのかを読み解きます。
2026.03.03 公開

かつて創造性は「天才」のような特別な人の資質と考えられてきました。しかし1950年代、心理学者J.P.ギルフォードが創造性研究の重要性を提唱して以降、その捉え方は大きく変化します。現在では創造性は誰もが持ち得る能力であり、学びや経験によって育まれるものだと考えられるようになりました。この再定義は、創造性を組織マネジメントの対象として扱う道を開いた一方で、新たな課題も生み出しています。それが、多様なアイデアをどのように統合し、組織の成果へとつなげるかという問題です。
東京大学大学院准教授の稲水伸行氏と、ベネッセ教育総合研究所の佐藤徳紀氏は、この課題を探る研究を進めてきました。アイデアソンの実験では、一般的に有効とされる「ブレーンストーミングでアイデアを発散し、そこから最良のものを選ぶ」というプロセスとは異なる方法で成果を上げたチームが確認されます。そこでは発散と収束が明確に分かれるのではなく、議論を重ねながらアイデアを統合していくプロセスが見られました。
こうした観察をもとに両氏が提唱するのが「進化的合成モデル」です。これは、発散と収束、独自性と統合性など、創造性研究で長く対立的に語られてきた要素を二者択一で捉えるのではなく、バランスさせながら同時に成立させることで創造性を高めるという考え方です。さらに研究では、創造性を「個人の能力」ではなく、「チームの協働プロセス」として捉え直す視点の重要性も示されました。
本記事では、両氏の研究と実証事例を手がかりに、創造性を生み出すチームの条件や組織設計のあり方を探ります。創造性を個人の才能からチームのプロセスへと捉え直すことで、企業のイノベーションはどのように変わるのでしょうか。
2026.03.03 公開

ハイブリッドワークを巡る議論は、しばしば「出社か在宅か」という二項対立で語られがちです。しかし本記事が示すのは、本質的に問うべきなのは働く場所そのものではなく、「自ら選べているかどうか」だという視点です。東京大学大学院経済学研究科准教授の稲水伸行氏は、業務内容に応じて働く場所を選べるABW(Activity Based Working)に注目し、自律性や主体性が創造性を支える重要な要素であると指摘します。一方で、自由に見える働き方の裏では、会議や呼び出しに追われ、常に誰かに動かされ続ける“操り人形”のような状態が生まれている現実もあります。
実際の調査では、会議の頻度が高すぎると、たとえ多様な人とのつながりがあっても、創造的・革新的な行動は低下する傾向が確認されました。多様な接点を創造性につなげるには、時間的・心理的な「余白」が欠かせないのです。稲水氏はその目安として、空間にも時間にも2割程度の余裕を持たせる「20%ルール」を提案します。
さらに記事では、生成AIの普及によって“平均的に良い答え”を誰もが得られる時代に、人間の創造性の価値がどこに残るのかという問いにも踏み込みます。佐藤徳紀氏は、AIが効率を高める一方で、人と人との対話や偶然の出会いから生まれるセレンディピティを失わせる可能性を指摘します。だからこそ、これからの組織に必要なのは、効率だけを追い求めることではなく、余白を設計し、偶発性を引き寄せる「場」をつくることです。
本記事は、ABW、会議設計、生成AI、そして心理的安全性という観点から、創造性を個人任せにせず、組織としてどう育てていくべきかを考える内容となっています。創造性の源泉は、働き方の選択肢と、人と人が交わる余白の中にあるのかもしれません。
2026.03.04 公開

匿名性の高いメッセージアプリとしてニュースで名前を聞く機会も多い「Signal」。ときに犯罪グループの連絡手段として語られることもありますが、本来このアプリはプライバシー保護を目的として開発されたコミュニケーションツールです。Signal Foundationが運営するこのアプリは、広告やトラッキングを行わない非営利モデルを採用し、エンドツーエンド暗号化によって安全なメッセージや通話を実現しています。その思想は、表現の自由と安全なコミュニケーション環境を守ることにあります。
SNSやメッセージアプリが日常のインフラとなった現代では、私たちの会話や発言の多くがテキストデータとして蓄積されています。こうしたデータは広告配信やサービス改善などに活用される一方で、過度な情報収集が監視社会につながる可能性も指摘されています。便利さの裏側で、個人の発言や行動が長期間にわたって記録され続けることの意味を、私たちは十分に意識しているでしょうか。
記事では、Signal Foundation代表のメレディス・ウィテカー氏の発言を手がかりに、データとプライバシーをめぐる問題を掘り下げます。現在は問題にならない発言でも、将来の社会や制度の変化によって思わぬ意味を持つ可能性がある――そうした視点から、デジタル時代におけるコミュニケーションのあり方を問い直します。
データ活用が社会を前進させる一方で、その取り扱いには慎重さも求められます。本記事は、便利なデジタルツールとどう付き合い、どのようなデータリテラシーを身につけるべきかを考えるきっかけを提示しています。
2026.03.06 公開

AIエージェントの進化によって、IT業界の勢力図は大きく変わろうとしています。長らく検索と広告を軸に巨大プラットフォームを築いてきたGoogleですが、スマートフォン利用の拡大や広告ブロッカーの普及により、従来の検索連動型広告モデルは構造的な変化に直面しています。こうした環境の中で、GoogleはAIエージェントを軸にビジネス領域やEC分野へ進出し、プラットフォームとしての支配力をさらに強化しようとしています。
一方で、他のテック企業も独自の戦略で対抗を進めています。OpenAIはAIの研究開発だけでなく、企業向けのAIエージェント導入支援サービスを開始し、AIを実験段階から実用段階へと移行させる動きを加速させています。また、ロボティクス分野への展開や新しいデバイスの開発など、AIを軸にした新たなビジネス領域の拡大も模索しています。
さらに、コンテンツ企業であるソニーも、独自のプラットフォーム戦略を進めています。アニメや音楽、映画などのデジタルコンテンツ事業を主力とする同社は、プラットフォーム企業に依存する流通構造から脱却するため、自社発行のステーブルコインを活用した新しい決済・流通モデルの構築を検討しています。これにより、仲介コストの削減だけでなく、ユーザーとの関係性やデータを自社で保持することを目指しています。
本記事では、大学講師の知久卓泉と大学院生サルくんの対話形式を通じて、AI時代におけるプラットフォーム競争の構図を整理します。Googleの強さの背景と、それに対抗する企業の多様な戦略を俯瞰しながら、AIエージェント時代のビジネスモデルの変化を読み解いていきます。

今回は、創造性をテーマとした記事を2本紹介しました。
製造業のモノづくりの現場で働く人たちは、プログラミングや設計、実装といった専門スキルに特化した「職人型」の人材だと思われがちです。しかし実際には、多くのエンジニアは「何かをつくること」そのものが好きで、この点においては本来とても創造的な職種だと感じています。
一方で、企業経営が求めているのはイノベーション、つまり新しい価値を生み出す創造性です。そのため近年は、新規事業提案制度や創造性を育てる研修など、さまざまな取り組みを導入する企業も増えてきました。
ただ、現場の視点から見ると少し違和感を覚える場面もあります。本来、事業戦略や新規ビジネスの方向性を考えるのは経営側の役割のはずですが、そのアイデアを現場に求める場面が増えているようにも感じるからです。もちろん現場の知見から新しい発想が生まれることもありますが、スケジュールや品質、コストといった多くの制約の中で仕事をしているエンジニアにとって、自由な発想を広げる余白が十分にあるとは限りません。
さらに感じるのは、創造性を発揮した人材に対するインセンティブ設計が、まだ十分とは言えないケースも少なくないという点です。新しい挑戦を促す制度は増えている一方で、その成果やプロセスが評価や報酬にどのように反映されるのかは、企業によって大きな差があるように思います。挑戦することが評価される環境がなければ、人はどうしても安全な行動を選びがちになります。
今回紹介した記事でも、創造性を生み出すチームや組織には「余白」や「場」の設計が重要であることが示されていました。創造性を求めるのであれば、教育だけでなく、評価や働き方の設計も含めて考えていく必要があるのかもしれません。
創造性とは、個人の才能だけで生まれるものではなく、環境や制度、そして組織の設計によって育まれるものなのかもしれません。
それでは次回も「データのじかんNews」をよろしくお願いします!

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(畑中 一平)
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