加古川市や横浜市も活用中!議論を活性化させ都市や組織をよりよくすることを目指す直接参加型民主主義プラットフォーム「Decidem」とは?

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ライフスタイルが多様化する昨今、政治において雇用の問題から貧困問題、少子化対策、環境問題やジェンダーギャップなどさまざまなイシューが取り扱われるようになりました。

そうした中で選挙に行っても、全ての課題に対して自分と同じ意見である、という候補者を見つけるのはなかなか難しいもの。

そこで、個々人が感じている課題を適切に政治の現場に届け、政策につなげるためのプラットフォームが登場しています。

その一つが直接参加型民主主義プラットフォーム「Decidim(デシディム)」です。

市議会や、大学、労働組合などさまざまな組織で活用される「Decidim」とは?

「Decidim」とはカタルーニャ語の「決定しよう」または「決定する」を意味する言葉です。参加型民主主義のための「Decidim」は、フリーソフトウェアで構築されたデジタルプラットフォームで、2016年にバルセロナで開発されました。

このソフトウェアは市議会、協会、大学、NGO、労働組合、近隣の共同体や協同組合など、世界各地の180以上の組織で活用され、32万ユーザー、160以上のプロジェクトを有しています。

フリーソフトウェアのため誰でも活用できますが、一般社団法人コード・フォー・ジャパンが中心となり、日本語化を行ったことで日本国内でさらに便利に活用できるようになりました。

「Decidim」では何ができるの?

Decidimは、議論に参加するためのバーチャルなスペース (参加型プロセス、イニシアチブ、アセンブリ、協議) が用意されており、オフラインでのミーティングやブログ、アンケート機能や、提案、投票、結果のフォローアップ、コメントなどのリアクションを通じて、オンライン、オフラインをまたいで議論を充実させていくことができます。

バーチャルスペースの役割はそれぞれ以下のようになっています。

参加型プロセス

さまざまな議題について、参加型プロセスを作成、管理できるスペースです。ここでは、すべての機能を組み込むことができ、用途や議論のフェーズに合わせて、構造化することができます。

参加型プロセスの活用例:委員会のメンバーの選出プロセスや予算編成、戦略的計画プロセス、政策の共同作成、都市空間の設計、または公共政策計画の作成など

イニシアチブ

イニシアチブでは、参加者が共同でイニシアチブを作成できます。作成したイニシアチブについて、方針と目標を決め、承認を集められ、比較的小さなイシューについても議論することができます。イニシアチブについて話し合い、討論し、広め、出席者から署名集めたり、組織の他のメンバーに開かれた討論を行うことができるミーティングポイントを定義したりできるスペースです。

アセンブリ

定期的に会合を行う、意思決定を行う機関またはグループ(評議会、作業部会、委員会など)を設置できる機能です。

ここでは機関の構成員や議題、行われる会合をリスト化、開催される会場の位置などが明示され、参加できるようにするスペースです

アセンブリの活用例:議席の定員と議会の性質が許せば出席する、議題に項目を追加する、またはその機関によって行われた提案と決定についてコメントする、など

協議

協議は、大規模な投票を開催・調整する機能です。議論や討論を行えるようにして、投票結果を公表することを可能にするスペースです。安全な電子投票システムに接続できます。

Decidimの機能の図解:General description and introduction to how Decidim works より引用

日本国内での「Decidim」の活用事例は?

それでは日本国内で「Decidim」はどのように活用されているのでしょうか?

今回は加古川市の事例と横浜市の事例について取り上げていきます。

加古川市では2020年度にスマートシティ構想策定について、「Decidim」を活用し、アイデアや意見を収集。並行して地元の高校や公共施設で市民参加のワークショップを行うことで、 オンラインとオフラインをまたいで議論を活性化させました。

その後も「データ駆動型脱炭素まちづくり」や「加古川市未来創造プロジェクト」など複数のプロジェクトについて、「Decidim」を活用し、幅広く市民が参加できるようにしています。

兵庫県加古川市役所のスマートシティ推進課の職員である多田功さんがDecidimについて語っている動画もありますので、興味のある方はぜひ再生してみてください!

また、横浜でも、昨年から「Decidim」の実証実験がはじまり、第一弾として、「脱炭素条例に基づいたエネルギー政策」についてアイディアや意見が募集されました。

技術を活用して、政治をより身近な存在にできる直接参加型民主主義プラットフォーム。

今後は、こうしたプラットフォームが広がる中で、市民から直接集めた意見が今後どのように政治に活用されていくのか非常に楽しみです。

より民主的で透明性の高い政治を目指して、IT技術をどんどん活用していきたいですね。

【参考引用サイト】
・都市や組織のための自由でオープンソースの直接参加型民主主義
市民参加型合意形成 プラットフォーム (加古川市版Decidim)
加古川市 市民参加型合意形成プラットフォーム
コロナ時代の参加型民主主義プラットフォームの実践〜Decidimを例に〜 - Code for JapanCode for Japan
横浜で市民参加型合意形成プラットフォーム「Decidim(ディシディム)」の実証実験を開始(2020年12月25日) | プレスリリース | 電通国際情報サービス(ISID)
decidimを活用した市民意見集約の実証実験『横浜みらい創造プラットフォーム』を開始します。 – よこはま自民党
General description and introduction to how Decidim works

(大藤ヨシヲ)

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