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データ活用を考えるDEKIRU CAFE 第2回: どうすれば必要な「データ」にたどり着けるのでしょうか?

         

東京都渋谷区某所にある「DEKIRU CAFE」。「データ」の活用は自分の業務とは無関係。そう思っていたが、自分の業務の中にもさまざまな「データ」があることに気づき日常が一変。……するはずだったが、気づけば気づくほど膨大な「データ」の“見方”が分からない。新たな悩みを抱えて店にマスターをたずねた。

必要な「データ」とは? 十分な「データ」とは?

マスター
自分の業務と「データ」活用という言葉との関わりは見えてきた?
悩む人Aさん
話を聞いている時には、パッと視界が開けてなるほどそうかと思えたんですけど、いざ、自分の業務に戻るとまた視界不良になったような……。以前より、「データ」のことが気になりだした分、あれもこれも「データ」に思えて、逆に何が何だか分からないことが増えたような……。
マスター
それは自分にとって無関係だった「データ」に関して自分なりの“まなざし”が持てた証拠だよ。これまでの君は「データ」や数字が苦手だったのではなく、「データ」に関心がなかっただけなんだ。
悩む人Aさん
前回、マスターは、自分の経験を店のスタッフも共有できるようにするのが「データ」活用のひとつだと言っていたのが分かりました。けれど、僕に置き換えた場合、立場は店のスタッフの方かな? 僕は、誰の何を「データ」として共有したらいいのだろう?
マスター
ちょっと話を変えてみようか。料理を作ろうと思ったら、メニューを決めてから必要な材料を準備するよね。カレーを作ろうと思った人は、おでんの具材売り場には行かないよね?
悩む人Aさん
おでんのカレーは聞いたことがありませんが、意外にいけるかも……。
マスター
そういう着目や発想も大事なんだけど、それはカレーが定番メニューと言えるようになってからのチャレンジ。まずは、基本の材料を揃えないと。業務における「データ」活用も同じで、必要な素材としての「データ」を充分な量だけ揃えないと活用することはできない。君は営業として社内だけでなく、社外にも仕事の現場があるわけだよね。
悩む人Aさん
僕がお客様に見積りを出して、注文を取ってくる案件が発注書や請求書となって、社内的には新たな「データ」になるのは分かります。でも、僕が外で活動する上で必要な「データ」はどこにあるんでしょう?
マスター
見積書、発注書、請求書などはいわゆる帳票類と言われるものだね。帳票とは、会社や社会のルールにもとづいてモノやお金、人を動かすための書類。君を含めた営業担当の帳票の履歴を総合すれば、会社と顧客の関係が見えてくるよね。それは自分1人の業務を超えて、会社の現状や顧客のニーズを可視化してくれる。一方、君が案件を勝ち取るために市場の動向を把握するためには、外にある「データ」にも目を向ける必要があるんだ。
悩む人Aさん
社外にある「データ」? なんだか、産業スパイみたいですね。
マスター
そんなことをしなくても、社会全体で「データ」活用が進んでいる現在では、みんなが共有できる「データ」がいろいろとあるんだ。たとえば政府が発表している統計もその1つ。君も「国勢調査」を記入したことはあるでしょ?
悩む人Aさん
あれって何の役に立つのか疑問でしたが、あれも「データ」だと考えるとものすごい量ですよね。でも国が使うために集めているものかと思ってました。

 
マスター
政府の調査やさまざまな団体、研究機関が調査した膨大な「データ」は公開されていて、それをみんなで活用している。そうすることで、同じ状況を共有し、課題を共有し、その解決策の提案も共有することができるんだ。勘や経験に基づいた話より格段に説得力は高まるし、根拠となる数字や「データ」は客観的な事実として、相手の共感をロジカルかつスムーズに得ることができる。

自分の意見を相手に理解・共感させるための「データ」

悩む人Aさん
あ、分かります、それ。会社の先輩に、これが俺のやり方だ! と言うだけの人と、自分がこうするのは相手とこういう経緯があってのことだから今回はこうするといいよ、と言う人がいて、後者の説明の方がスッと理解できます。あれは、「データ」にもとづいた説明だからだったのか。
マスター
論理的に物事をとらえることは、論理的思考(ロジカルシンキング)と言われるものだけど、データに基づくロジカルシンキングは、人の理解や共感を得やすいんだ。1つの案件、今日の出来事、今週の動き、今月の結果。すべてはめまぐるしく過ぎていって、また新しい案件への対応に追われてしまいがち。けれど、ほとんどは「データ」の中に先例があったり、多くの「データ」を比較することで解決策が見えてきたりするものなんだ。
悩む人Aさん
前回は「データ」が“ある”ことに気づく大切さを知りましたが、その「データ」を“使う”ことに話が進みましたね。これって“活用”なのかなあ。
マスター
ある意味、「データ」活用の入口に立っていることに気づいて、中に入ったくらいかな。ここから大事なのは、誰が、何のために、どう使う「データ」なのかを見極め、社内や社外の膨大な「データ」のどこにまなざしを向けるかを考えることが大切。
悩む人Aさん
「ビッグデータ」とか「ロジカルシンキング」とか、自分とは無縁だと思っていたけど、何だかそうでもないみたいですね。

【次回の「DEKIRU CAFE」は】
「データ」の“分析”に必要な“仮説”とは?
 
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