韓国や中国へ行ったことのある方なら、現地で「現金」を使おうとしてうまくいかなかった経験があるのではないでしょうか。
かく言う私も、韓国の個人店で現金を使おうとしたら、若い店員さんが面倒臭そうに「ちょっと待って」というジェスチャーをして奥から手持ち金庫を持ってきたという経験をしました。あとから現地ガイドの方に聞いたところ、ほとんどがキャッシュレス決済のため、現金での決済は面倒で嫌がられることも多いのだそうです。
日本では、交通系とクレジットカード以外はまだまだ馴染みの薄いキャッシュレス決済。世界の状況と照らし合わせながら、そのメリットとデメリットを見てみましょう。
まずは、キャッシュレス決済の基礎を振り返っておきましょう。
キャッシュレスとは、紙幣や硬貨、つまりキャッシュ(現金)を使わない決済すべてを指す言葉で、大きく分けて以下の3種類があります。
日本で広く普及しているのは「プリペイド」の交通系ICカードと、「ポストペイ」のクレジットカードです。
一方で、海外でキャッシュレス決済の多くを占めるのは「リアルタイムペイ」。これが日本ではなかなか普及していないようです。
ECサイトのクレジットカード利用と交通系ICカードを中心に、日本でもキャッシュレス決済は伸びています。しかし、それでも全体の約20%。一方、中国と米国は50%、韓国はなんと90%まで伸びています。
日本でも「2025年までに40%まで伸ばす」という政府の目標がありますが、その間にも他国との溝は広がる一方でしょう。
他国と日本の大きな違いは、根強く残る「現金主義」と言われます。
たとえば、海外のキャッシュレス決済で中心的に利用されている「デビットカード」はクレジットカードの使えるお店で利用できますが、都内の飲食店でクレジットカードが使えるお店は3分の1程度という調査結果があります。
日本の消費者に深く根付いた「現金主義」がある以上、お店としても手数料のかかるクレジットカード決済を導入する理由が希薄なのでしょう。
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